2022年 ひとときのゆめ

目次
概要
本作は探索ノベルゲームと銘打っており、探索よりもノベルゲームに比重を置いた造りになっています。全11章と4つのエンディングからなっており、クリアまでに所要時間は1〜2時間程度となっています。
ある村での物語
時代設定も定かでは無い本作はある村が舞台で、その村で唯一の未成年らしい少女「唯」が主人公です。そんな過疎、高齢化が進んでいそうな村で4年に一度行われる祭り『千羽祭り』の日に16歳の誕生日を迎えた彼女は当日にになった途端、どこからともなく聞こえる少女の声を捉えていました。
その声に導かれるまま深夜に村の神社を訪れた彼女は赤い折り紙の切れ端を見つけ、それに触れた所境内で赤い髪の少女が男性の首を締めている場面を目にします。当然それは目の前で起こっている物では無く、別の記憶を影像の様に見てしまった物の様です。
その少女が気になって仕方ない唯は赤い折り紙を手掛かりに少女の正体のみならず、村でかつて起こった出来事について知っていく事になるのでした。

システム
本作はシステム的にはオーソドックスな脱出ゲーム的な探索要素を持っています。ただ探索要素は探索可能な場所が少なく、アイテムが自動的に使用されるなどの親切設計などからメインの要素では無いと感じられます。
その他機能面ではヒントとバックログ機能がありません。ヒントは本作では不要ですが、バックログはあっても良かったのではと思います。ただ1つの章が短いため容易に見返せるという判断かも知れません。

探索要素を持ったノベルゲーム
先述の通り本作は入手したアイテムは使用箇所をタップすると自動的に使用される親切設計です。他にも謎解きする場面ではほぼ解答の様な物が飛び込んで来たり章によっては探索要素が無かったりするため、あくまで探索はストーリーを進めるためのおまけ要素として制作されている様に感じられました。
それに対してテキスト量は多く、本作は実質的にはノベルゲームであると言えます。
途中、選択肢が現れたり選択次第ではBADENDに至ったりするのもノベルゲームという印象を強めています
またエンディングは真ENDとBADEND3つが用意されていますが、どの章も読み返せるため特に周回などは不要となっています。


舞台設定、雰囲気
先述しましたが、本作の舞台となっているのは過疎、高齢化が進みありつつ様に感じられる村です。
また登場人物が全員和装と落ち着いた雰囲気を感じますが、同時に時代設定はやや分かり難くなっています。ただ壁時計があったりするため、それほど昔の時代では無いのかと思われます。時代的には古く無いのかも知れませんが、村に於いて物語の原因となった因習など古い風習が残る閉鎖的な村なのかも知れません。
かつて祭りで起こった出来事の真相へ
かつて20年前の千羽祭りにて赤の祟りと呼ばれる出来事があり、唯が生まれた16年前の祭り当日には先代の村長が亡くなっていた事を唯は知ります。
そして唯は赤色が不吉として忌み嫌われる村にあって、彼女の前に現れる赤い折り紙の切れ端に触れる事でかつてこの村にいた2人の少女に関する記憶が流れ込んで来るため、それによって少女たちの顛末と共に祭りに纏わる出来事の真相などを知ることとなります。
この辺りは村の因習によって起こった悲劇と感じられます。
まとめ
先述した様に探索ゲームの装いをしたノベルゲームと言えます。
しかしストーリーは短めながらも2人の少女についてや赤の祟り、先代村長の死など謎が明かされていく展開は読み応えがあります。
探索よりも物語を楽しみたいという方にお勧めと言えるでしょう。
