目次
DATA
- タイトル:A KITE INTERNATIONAL VERSION
- 公開年:2000年
- 時間:47分
- 制作:アームス
- 監督:梅津泰臣
- 脚本:梅津泰臣
女子校生と殺人請負人。まったく別の2つの顔を持つ美少女・・・砂羽。表と裏の世界を巧みに使い分ける大人たちの淫魔な呪縛から逃れられず、泥沼の世界に生きる砂羽の前に現れる一人の青年、音分利。砂羽と同じ殺人請負人として音分利との出会いが砂羽の心を揺り動かしていく。同じ性を感じながら、徐々に、そしてプラトニックに惹かれあう2人を待ち受ける運命とは・・・。
Amazonより抜粋

概要
本作は1998年にリリースされた成人向けOVAである無印『A KITE』全2巻を再編集、性行為の場面を削除しアクションシーンを強化したインターナショナル版の日本語版となる様です。性行為の削除したことで成人向けからR15指定となっている様です。
殺し屋として生きる少女と少年
本作は冒頭、主人公の少女「砂羽」がエレベーター内で男性を殺害する場面から始まります。ちなみにエレベーター内で男性と揉めて暴力を振るわれた、見るからにブルジョワといった風の老女が凄惨な有様を見てショック死するという気の毒なオマケ付きとなっています。
そういった顛末を殺害指令してくる「赤井」と話していた砂羽ですが、会話の端々から2人が肉体関係にあるであろうと言う事が推測出来ます。
そして一方、赤井の相方である「蟹江」から殺害の依頼を受けた少年「音不利」はあと3回までしか依頼を受けないと告げます。
こういった仕事から足を洗いたかったであろう事は容易に想像出来ます。しかしその為に赤井たちは彼を何とか切り捨てようとするのでした。
ただその後音不利は任務中に砂羽と出会います。赤井たちは砂羽に音不利の殺害が可能か尋ねますが、砂羽は音不利に関して手強いという感想を述べている事から容易では無いと考えている様です。
こうして主要キャラ4人の思惑が入り乱れる物語が展開されて行きます。
作画など
本作は古い作品という事もあって、作画そのものは時代相応の雰囲気を感じるものになっています。ただキャラデザこそ時代を感じますが、作画自体はそれなりに力が入っている様に見えますし、町並みなどの背景も力が入っていそうです。
アクション、バイオレンス
本作のアクションはガンアクションが中心となっています。ただ砂羽が使う銃は特殊で、標的に命中後体内で爆発するという凶悪な代物です。
これによって殺傷力がオーバーキルなほどに過剰となっていますが、それと同時に通常の銃撃では無さそうな血肉飛び散る表現を行っています。
また砂羽、音不利ともに中盤から終盤に掛けて殺し屋らしからぬ激闘を展開する破目になり、市街地や駅で市民を巻き込んでいそうな爆発巻き起こる派手な戦いとなっています。
砂羽があれで軽傷だったのは主人公補正以外の何物でも無いのではと思ってしまいます。
性的表現
本作『INTERNATIONAL VERSION』は成人向けであった無印から性的表現を削除した物だそうです。しかし性的表現が全く無いという訳ではない為、直接的な性的描写を取り除いた物と思われます。
復讐の物語
砂羽はかつて何者かに両親を殺害され、赤井に引き取られたそうです。
彼は表向き警察の鑑識課員として勤めているのですが、その裏面は真っ黒と言えます。
そして砂羽は両親の敵を討とうとしている面も伺えますが、その犯人については序盤で示唆されています。
果たして彼女は両親を殺害した犯人に対して復讐を遂げる事が出来るのでしょうか。
まとめ
本作は冒頭だけ見ると少女がアサシンとして暗躍するガンアクション主体の作品に見えますが、実際は復讐を描いています。
また作中において直接的な性的表現やグロ描写は抑えられてはいますが、それでも戦闘描写は過激に感じられる部分もありますし、砂羽の過去などは陰鬱とした印象を受けるものになっています。R15指定となってはいますが、それでもなお人を選ぶ作品であると感じられました。