目次
DATA
- タイトル:アリスインデッドリースクール
- 公開年:2021年
- 時間:41分
- 制作:フッズエンタテインメント
- 監督:山内重保
- 脚本:影山由美
学校の屋上で漫才の練習をしていたユウとノブ。
公式サイトより抜粋
同じ頃、校舎の中は人間ではない「別のモノ」の存在であふれていた。
「別のモノ」に噛まれて死ぬと、同じく「別のモノ」となって人を襲うようになるという。
混乱した学校で、ユウとノブ、そして生き残った生徒たちは
その魔の手から逃れることができるのだろうか――。

概要
本作は2010年から演劇プロデュース団体『アリスインプロジェクト』によって上演されている、劇作家麻草郁氏が原作を手掛けた同名演劇のアニメ化作品です。
アニメ化に際しては2021年冬アニメとしてTV放映された『ゲキドル』の劇中劇として制作され、OVAとしてリリースされています。
女子校を舞台にしたゾンビ物
冒頭、階上から校舎の窓を割って購買らしき場所へ侵入する女生徒たちの姿と、地上を徘徊する者たちの姿が映されます。
おそらくこうでもしないと物資が調達出来ない状況なのであろうと推測出来ます。
それから場面は舞台となっている女子高の屋上へと変わり、「墨尾 優」と「百村 信子」の2人が漫才している様子が映されます。2人は『ノビューン』というコンビを結成して校内で活動している模様です。コンビ名は信と優を合わせてという事でしょうか。
しかし地上においてはゾンビらしき者たちが徘徊する地獄絵図となっています。
やがて校内放送にて1階は危険なので2階へ避難する様案内されますが、そんな中映画研究会部長が噛まれて斃れてしまいます。
程なく彼女は立ち上がるものの、正常であるはずが無く、部員に襲いかかった所をバット持った生徒によって息の根を止められます。
そういった事を経て、優たちがいた屋上にも数名の生徒が逃れてきます。
生徒会長、保健委員、ソフトボール部、科学部、映画研究会、帰宅部などといった生徒たちが顔を合わせて、生存の道を模索していきます。
生と死の狭間で足掻く少女たち
本作の登場人物は尺を考えると多い様に見えますが、それなりの人数が退場していく事になります。2階へ避難した生徒の中にも噛まれた生徒がいる事を危惧する声もあり、そうなると2階も危険という事になります。
ただ本作は主に屋上でストーリーが進行し、校舎内の様子が描かえる事は多くありませんが、終盤に描写される校舎内はなかなか絶望感がある様に感じられます。
こういった有様なので本作は全体的に重たい雰囲気となっています。
ただそんな状況だからか、優たちノビューンは笑いが世界を救うと信じて漫才を披露したりします。
またいつ死んでもおかしくない状況だからか、少女たちの中には後悔ややり残した事を吐露したり、ぶつける者もいます。ソフトボール部に関する確執などはその例と言えます。
しかし状況は好転せず、ノビューンの2人が校舎内で会った少女が次会った時には変容していたり、自衛隊と思しきヘリがやって来るもゾンビの数に押し切られたりします。
そして事態発生から1日も経過していない状況と思われますが、校舎内は安全圏があるのか定かで無く、だからといって屋上で夜を過ごすのは厳しい物があります。それに加えて校内では食料などの不安もある事から、校内から脱出して屋上から見えるショピングモールへ避難を試みます。ゾンビ映画定番の場所ではありますが、物資が充分ありそうですしシャッターや防犯が機能していえば数日は持ち堪えられそうではあります。
しかし当然ながら亡者が徘徊する中を進むため危険が伴い、犠牲者は増えていくことになります。
果たしてどの程度が避難先へ辿り着けるのか、そして優と信子の運命は如何にといった所でしょうか。
設定など
先述の通り本作は舞台作品を原作とするメディアミックス作品となっています。ただアニメ化に際しては演劇とアイドルを合わせた作風であるゲキドルの作中作という位置付けになっている様です。そのためキャラデザやCVはゲキドルに準じていると思われますが、そちらは未視聴なので詳細は把握していません。
ただ作中では劇中劇と明確にされておらず、アイドルアニメとの関連を僅かに伺わせる程度になっているためゲキドルを知らなくても問題は感じられませんでした。
まとめ
本作は上述の通り劇中劇という設定になっている様ですが、言われなければ分からない程で純粋にゾンビ物として楽しむ事が出来ます。
冒頭辺りの雰囲気と打って変わって少女たちが次々と退場していく重めな展開ではありますが、ラスト付近の展開については内面的描写が多くなったり、モールへ避難した面々の安否が描写されなかったりと不満が無くもありません。
しかし尺は短いながらも作画は安定しておりゾンビ物としての雰囲気も悪く無いため、ジャンルに興味があれば視聴して見ても良いかも知れません。