【劇場アニメ】青鬼 THE ANIMATION【感想】

2017年 60分
5 out of 10 stars (5 / 10)

山林が近くに広がる地方都市。
歴史のある洋館風の校舎が特徴的な高校の民俗学研究部員5人が、文化祭で発表する内容についてアイデアを考えているなか、四十年前にその部の先輩が作った民話採集の同人誌を見つける。そこに書かれた「桔梗鬼」とよばれる謎の怪物が現れる伝説が、大人気フリーゲーム「青鬼」のネタになっている可能性があることがわかり、それをテーマに文化祭で発表しようと決める。
運よくフリーゲーム「青鬼」の作者と会う約束ができた部員たちだが、その直後、作者は謎の死を遂げてしまう。
作者の死に疑問を感じた部員たちは、自分たちで謎を探り始めたのだが、そこには触れてはいけない秘密が・・・。
密かに存在する学校の地下室、そして何かが閉じ込められていた地下牢。なぜか防火扉が閉められてしまい、学校から出ることができなくなる部員達。閉じ込められた学校内で、聞こえてくる怪しげな足音が部員たちの悲鳴に変わっていく。
新たな「青鬼」の惨劇が今、始まる・・・。

公式サイトより

『青鬼』と言えばRPGツクール製のフリーゲームに始まり、様々な媒体に広まったホラーとして知られています。
原作はプレイした事なくても「青鬼」の大きな頭に歪な目という強烈なビジュアルは見た事ある方はそれなりにいるのでは無いかと思われます。
今回取り上げるのはそんな『青鬼』のうち、劇場版アニメである『青鬼 THE ANIMATION』を紹介します。
ちなみに原作は未プレイです。

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全く違う話

原作『青鬼』は肝試しで訪れた館に閉じ込められ、「青鬼」に襲われる話ですが、本作はそうでは無くある高校が舞台で、その高校の民俗学研究部の部員が中心となっています。
本作の脚本は『かまいたちの夜』などを手掛けたミステリ作家我孫子武丸氏による物となっていて、原作である『青鬼』がゲームとして存在するなどメタフィクション的な要素も存在しています。
そういった事もあり、本作はストーリーも登場人物も原作とは別物です。
共通しているキャラクターは「青鬼」くらいでしょう。
民俗学研究部が文化祭の出し物として、地元に民話として伝わっている「桔梗鬼」とゲームで知られている「青鬼」の関連を調べようとした事から本作のストーリーは始まります。

作画やグロ表現

序盤で「青鬼」と「桔梗鬼」の関連を調べるも、ある事情により頓挫してしまいます。
しかしその直後の中盤から「青鬼」が現れ、学校に閉じ込められた民俗学研究部部員などが襲われ、犠牲になって行きます。
本作は3DCGアニメとなっていて、逃げる部員たちやそんな部員たちを追って屠って行く「青鬼」はそれなりの動きを見せます。
しかし「青鬼」という分かりやすい化物が襲われ登場人物が屠られて行く展開だと、グロ表現が出てくる事になります。
本作は3DCGだからか、それともCGの技術的問題か分かりませんが、さほどグロテスクには感じませんでした。
キャラクターが襲われ血飛沫が上がっても、即座に認識し難いといった感じでしょうか。
グロ耐性低めの方でも見れそうではありますが、ホラーとして如何な物かと感じる部分でもあります。

青鬼の謎と終盤

「青鬼」に襲われ部員を失っていく中、民俗学研究部部員たちは民話などから「青鬼」の正体に迫る事で活路を見出そうとします。
そこで出てくる「青鬼」の設定などは多分本作のオリジナルでは無いかと思われます。
しかし尺が短めな中、伏線を回収して謎が明らかになって行く展開は我孫子氏による物と思われ、流石といった所です。
終盤、「青鬼」を倒す方策を求めてとある場所に向かう部員とそれを追う「青鬼」。そして「青鬼」を倒す事が出来るのかというのが終盤の見どころと言えます。
しかし本作は黒幕と言える人物が存在するのが一筋縄では行かない所です。

まとめ

フルCGアニメという事もあってか尺は短めですが、ストーリーはまとまっていた印象を受けます。
映像面に関しては、CGその物はそれ程気になりませんでしたが、演出や表現はもう少しホラーっぽい方が良かったかとも思います。
脚本も恐怖やスリル一辺倒では無く、謎解きの要素もあるのは好印象ですが、基本が追われる展開なのであまり推理などをしている場合で無いという辺りはやや残念と言えます。