2014年 69分

新しいクラスになじむことができず、毎日を憂鬱に過ごしていた転校生のシュン。そんなシュンを杏奈は気にかけていた。2人は化け物が現われると噂される<ジェイルハウス>の前で同級生らと出会い、運命に引きずられるがまま、不気味な洋館へと足を踏み入れてしまう。無人であるはずの屋敷内に響き渡る怪しげな物音。窓の向こう側からこちらを覗き込む血走った目玉。恐怖に駆られた高校生6人は、建物から逃げ出そうと玄関に向かうが、なぜか扉はびくとも動かない。「ねえ、もしかして私たち、閉じ込められちゃったんじゃないの?」-脱出ルートを見つけようと躍起になる彼らに、この世のものとは思えぬ巨大な青い影が忍び寄る。
AmazonPrimeVideoより抜粋
目次
概要
本作はRPGツクール製のフリーゲームに始まり、様々な媒体に広まったホラー作品の実写映画となっています。AKB48の入山杏奈さん主演でレーティングはPG12となっています。 公開当時は興行収入約2億円のヒット作品であった模様です。
意味ありげな冒頭
タイトル通り、人気ホラーゲーム原作である本作。その冒頭は少女が洋館内で追われている場面と路上アーティストを1人で見ていた男子学生が事故死する場面が描かれます。 この2つの場面が、どう関係するのか気になる所ではありますが、前者の少女が追われている場面は、作中に存在するゲームのイメージである事が分かります。 本編に入り、ゲームをプレイした感想について話し合っている主人公の少女「杏奈」とゲームの作者である少年「シュン」。2人は河原でノートPCを挟んで話し合っていますが、デートかな?と思ってしまいます。しかもゲームのヒロインキャラとして杏奈をそのまま起用している模様です。 その後杏奈が去った後、いかにもガラの悪い悪友といった様子の少年「卓郎」が現れてシュンに絡んで来ます。シュンのPCをひったくった後奪い返されるなどあまり友好的な関係ではない事が伺えます。
洋館に集う
その後場面は代わり、一軒の廃墟化した洋館前に数人の少年少女が集まります。洋館前まで台車で荷物を運んだ少年「たけし」とシュン、洋館前で待機していた少女「美香」は後の言動から見るに、卓郎の彼女である様子です。そして洋館で何か行う為に彼らを呼んだ様子の卓郎も現れ、さらに付近で何か採取していた同級生の「ひろし」もやって来て興味本位で首突っ込みます。こうして青鬼の犠牲者になるであろう人物たちが続々と洋館に入った後、杏奈が後を追う様に洋館へ入り込みますが、その時館内にいる全員のスマホが合図の用に鳴り出します。電話に出た者もいますが圏外という事もあって何の反応も無かった模様です。 そして杏奈はすぐに進入した出入り口が閉鎖された事に気付きます。 その頃洋館内ではシュンとたけしが徘徊する異形の姿を、そして美香が窓いっぱいの巨大な眼を持つ姿を目撃して行きます。 やがて慌てて脱出を図ったシュンや美香と杏奈がかち合います。杏奈と美香は険悪な関係と見えますが、最初の犠牲者が出た事でようやくホラーらしい展開となります。 ちなみに最初の犠牲者が出るまでには尺の1/3近くを要し、テンポが良いとは言い難い印象を受けます。
ゲーム的進行
犠牲者が出た事もあり杏奈とシュンは脱出する為、館内にある部屋をいくつか回った時、シュンがある事に気付きます。館内の配置が自分の作ったゲーム内の館と同じだと言うのです。 そうして2人はゲーム的な仕掛けを解除して脱出を目指します。ただ本作のギミックは本棚やピアノなど、一見ギミックと気付き難い物ではあるのですが、それでも実写でゲーム的に進行すると不思議な雰囲気があります。 ちなみに2人がいる部屋に青鬼が侵入してきますが、シュンが仕掛けを解除してアイテム入手するまで手ぐすね引いて待機し、2人が逃げようとしてから後を追うという舐めプを披露してくれたりします。
がっかりな終盤
中盤を過ぎた辺りでの感想は、序盤のテンポが悪いのを除けばいかにもなB級ホラーで総合的には悪くは無いといった程度でした。 しかし終盤にこの感想は悪い意味で覆されます。 序盤、卓郎たちによって館内に運び込まれた荷物。用があるといって地下室へ降りた彼は仲間が青鬼に屠られている事も知らず、何事か行っている様子でした。 そして地下室に辿り着いたシュンは荷物の中身を見ます。そしてシュンの記憶がフラッシュバックして作中のある仕掛けが…となりますが、それが某洋画そのままな為思わず「〜〜じゃねーか!」と心の中で突っ込まざるを得ませんでした。 ここで本作への評価が大分下がってしまった為、冷ややかに見ていた所、オチも酷かったりしますが、本作には相応と言っても良いかも知れません。
青鬼
本作は青鬼を扱っていますので、度々現れては登場人物を屠っていきます。 あの大きな頭に歪な目というビジュアルのCGで現れぬるぬる動きますが、口を利いてくるのが違和感があります。個人的には原作未プレイながら青鬼は口を利くイメージがありませんでした。
まとめ
本作は序盤のテンポが悪いのを除けば雰囲気は悪くなく、程々のグロ描写などB級ホラーとしてはそこそこ楽しめるかと思いきや、終盤に悪い意味で裏切られてしまいました。 ああいった訳の分からない要素を入れるなら、ホラー描写などに力を入れB級ホラーとして振り切る方向に行った方が良かったのでは無いかと思います。 また登場人物の中ではひろしがいいキャラしてると思っていたのですが、調べた所原作の主人公だそうで、納得した所ではあります。