【Android】犯人は僕です。~露天風呂編~【感想】

2019年 G.Gear.inc

7 out of 10 stars (7 / 10)

大学のサークル旅行で訪れた隠れ家的温泉旅館。
俺は女湯をのぞこうとして友達を…
『…私たち、共犯よ。』
…俺は助けようとしたんだ…
なのに“あいつ”は…
―次々と疑いの目を向けられる俺たち。
やっぱり…
ヤツらの”弱み”を握って、黙らせるしかないな

―――警察が来るまであと56時間―――

GooglePlayより
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概要

本作は以前紹介した『犯人は僕です。』とはストーリーの関連は不明ながら続編に当たる作品です。
前作から僅か3ヶ月ほどの間でリリースされていて、基本的な流れは同じですが、いくつか新要素が追加されています。

粗筋ですが、まず舞台はタイトル通り温泉旅館となっています。ある冬に温泉旅館を訪れた某大学写真サークルメンバーたち。
その夜女湯を覗こうとした主人公ですが、他のメンバーに声を掛けられて慌てて転落して、そのメンバーを死傷させてしまいます。
一度は救急車を呼ぼうとした主人公ですが、その場に現れた女性メンバーに止められている間に、怪我をしたメンバーは息を引き取り結果的に見殺した事になってしまいます。
翌朝気付いたメンバーたちが警察に通報するも、例によって道が雪で閉ざされ3日掛かるという様式美な展開となります。主人公は共犯者である女性メンバーと共に他メンバーからの疑いを逸し、事故で処理される事を目指して行く事になります。

本作は女湯を覗こうとする場面から始まります。
主人公は共犯関係となります。

システム

基本的な流れは前作を踏襲しています。
午前、午後の冒頭にて、あるメンバーが主人公や共犯者に疑惑を向けます。
それに対し、裏工作パートで当該メンバーの弱みを握り、会議パートで相手を黙らせるという流れです。

また先述した様に、本作では共犯者の存在があり、それが前作との最大の違いとなっています。
それに伴ってか、いくつかの新要素がありますので、次項で述べます。
ただこれらの新要素もあってか、前作と比べて難易度は少し上がっている印象を受けました。

裏工作パートのシステムは前作をほぼ踏襲しています。

新要素

まず裏工作パートでは共犯者に依頼をする場面があります。
例えば女湯を調べる必要がある場合、当然主人公が自分では調べに行けないので、女性である共犯者に依頼する訳ですが、2人があまり面と向かって密談していると怪しまれる事からメッセージアプリを使ってやり取りします。

共犯者とメッセージアプリで連絡します。

次に会議パートでの新要素ですが、こちらは2点あります。
1点目は会議中に共犯者が口を挟んでくる事があり、それに対して「賛成」「反対」「無視」を選ぶという物で、こちらは通常の選択肢を簡略化した物と捉える事も出来ます。

2点目は「噛みつく」という物があります。
会議中、相手が共犯者を追及する場面があり、相手と共犯者の問答が3回行われますが、その内相手の発言1つに対して噛みついて指摘するという物です。
有名どころでは「逆転裁判」シリーズの「異議あり」や古くは「御神楽少女探偵団」の「推理トリガー」を思わせ、それらを簡略化した物と見る事が出来ます。しかし相手と共犯者が3回ずつ発言し、その内相手の1つに噛みつく訳なので、結局こちらも3択となっています。
ただこちらは見せ方が大分違いますので、一見3択であるとは感じさせない作りとなっています。

会議パート中のかみつきについて。

最後に共通の新機能としてスキップ機能が実装されていますので、リトライや周回も捗るでしょう。

黒幕を探して

本作は前作に続き、周回プレイが前提となっています。
1周目はメンバーの疑惑や追及から逃れるも、苦い結末を迎えるNORMALENDとなり、その際に黒幕の存在が示唆されて、ルートが開放されます。
またルート開放に際して、到達条件も示されますので、黒幕にたどり着くのはそれほど難しくありません。

紆余曲折を経て、黒幕と対峙する主人公と共犯者。頑なに事件への関与を認めようとしない黒幕を下すために主人公たちが取った行動は意外な物でした。

前作とは趣向が異なるTRUEENDは2人の今後が気になる終わりとなっていて、余韻を感じさせる物になっています。

気になった点

本作をプレイしていて、気になっていた点が2点あります。

1点目は細かい事ですが、作中に出てくる時間表記が午前・午後+24時間表記になっている事です。
「午前8時」とかなら違和感ありませんが、「午後15時」とかだとどうしても違和感があります。

罪状について

2点目は根本的な部分となりそうですが、主人公は「殺人」の罪に問われるのかという点です。
法律に詳しくありませんので誤っている部分が
前作の主人公は被害者を突き飛ばしたので、言い逃れするのは難しそうですが、今作では被害者の上に転落して死傷させてしまったため、それだけなら「過失致死傷罪」です。
また見殺しにした件は道交法ではいわゆるひき逃げである「救護義務違反」が加わりますが、刑法でそれに該当する罪状があるのか確認出来ませんでした。
ただググっていたら「被害者が死亡する認識を持ちながら救護せず放置した場合には、殺人罪や殺人未遂罪となることもある」と解説しているサイトがあった為、そういう判例があるのかも知れませんが、司法関係者でないと詳しく分からないのかも知れません。

しかしTRUEENDルートで主人公の言動からすると法律の細かい条文は関係無かったのでは思わせる部分がありましたので、最後までプレイして何となく分かった点と言えます。

まとめ

会議パート開始時の演出など、会議パートは頑張っていた印象です。
この開始時の演出は会議の相手が中央に来ます。

本作は所要時間などは前作とそれほど変わりませんが、新要素や演出など色々強化されています。
またストーリーも最後までプレイすると色々考えさせられる部分もあり、前作とは若干毛色が異なり印象に残る作品であると感じられました。