目次
DATA
- タイトル:チェンソーマン
- 放送クール:2022年秋
- 話数:12話
- 制作:MAPPA
- 監督:中山竜
- 脚本:瀬古浩司
『チェンソーの悪魔』ポチタと共にデビルハンターとして暮らす少年デンジ。
公式サイトより抜粋
親が遺した借金返済のため、貧乏な生活を送る中、
裏切りに遭い殺されてしまう。薄れる意識の中、デンジはポチタと契約し、
悪魔の心臓を持つもの『 チェンソーマン 』として蘇る ─ 。

概要
本作は週刊少年ジャンプにて2018年12月から連載されている人気漫画のアニメ化作品です。
悪魔が蔓延る1997年を舞台に、悪魔に変身する主人公が活躍するダークヒーローの物語となっています。
チェンソーの悪魔と暮す少年
本作は主人公の「デンジ」がチェンソーの悪魔「ポチタ」と一緒に暮らしている場面から始まります。
デンジは親が借金苦で自殺した事が描かれています。そのため親が残した借金を返済するため、ポチタと一緒にヤクザ専属の『デビルハンター』として悪魔退治するために雇われる事で辛うじて生計を立てているというよりも人としてギリギリの生活を送っている様に見えます。
ただ親が自殺した時点で相続放棄していれば、ヤクザに搾取される事は無かったのではとも思ってしまいます。しかし自殺する破目になったという事は、親類がいないか見放されるなどして疎遠になっていたものと思われ、周囲にデンジのために適切な手続きをしようという大人がいなかったものと思われます。さらに時代背景的には暴対法が施行されているはずですが、それなりにヤクザが幅を利かせている様にも見え、既に崩壊したはずのソ連が存在している様に暴対法も存在しない世界観であれば、適切に手続きしたとしても無視される可能性がありそうです。
そんなある日、デンジはヤクザから依頼を受けてとある廃墟に足を踏み入れます。
しかしヤクザはゾンビの悪魔と契約してその手先となっており、デンジはゾンビの悪魔による騙し討ちで敢え無く殺されてしまいます。
死の間際、デンジはポチタに自らの身体を使うよう託そうとしますが、逆にポチタがデンジに自らの心臓を与え、自分の夢を叶える様に伝えて来ました。
こうしてチェンソーの悪魔に変身する能力を得たデンジはゾンビの悪魔を撃破します。
そしてその直後、ゾンビの悪魔を討伐する目的で廃墟へやって来た女性「マキマ」と出会います。
彼女は『公安対魔特異課』を率いており、デンジもその一員として誘われます。それによりデンジはヤクザ雇われから公務員になったのでした。
世界観
本作の舞台となる年代は1997年となっています。背景や乗り物はそれに準じていますが、ソ連が存続しているなど現実と違いがあります。
しかし本作の世界観でもっとも重要なのが『悪魔』の存在と言えます。
悪魔について
本作には悪魔と呼ばれる存在がいて、悪魔退治を生業としている者をデビルハンターと呼んでいるのは先述した通りです。
しかし本作に登場する悪魔は一般的に連想されるデビルやデーモンといった存在とは異なる概念となっていて、特定の物に対する人間の恐怖心が具現化した存在となっています。その対象は蝙蝠や蛭といった生物からトマトの様な食べ物、さらにはゾンビの様な怪物や永遠など概念の様な物までと非常に多彩になっています。また恐怖心が強いほど強力という特徴があるとされている様で、そのため食べ物系は一般的には弱い傾向にある様です。それなら何故そんなに弱いのなら悪魔になるのかという気もしますが。個人的には邪悪な八百万の神かといった印象です。
また人間の死体に悪魔が取り付くと『魔人』と呼ばれる存在になるそうです。もし1話でポチタがデンジに言われた通り、デンジの死体を使っていたらチェンソーの魔人になっていたという事になります。
悪魔に変身する主人公
しかしポチタはそうはせず、自らの心臓をデンジに与える事で復活させました。
そしてチェンソーの悪魔であるポチタの心臓を宿したデンジは胸からチェンソーのスターターが生え、それを引く事でチェンソーの悪魔に変身する事が可能になりました。
主人公が悪魔的な存在に変身するという設定は『デビルマン』を彷彿とさせますし、変身したデンジの姿が頭部と四肢にチェンソーをまとっている事から、戦い方も必然的に相手をチェンソーで斬って血肉を散らせるという残虐な物になります。
ただ悪魔は血を摂取する事で回復する事から、相手をチェンソーで斬ってぶちまけた血を自分で摂取するという戦法はデンジ自ら永久機関と言う程効率的ではある一方で、おおよそ一般的な主人公らしく無い戦い方からダークヒーロー的な立ち位置になると思われます。
作画など
週刊少年ジャンプの人気漫画をアニメ化しているためか、非常に力が入っている様に感じられます。
特に戦闘シーンは良く動いており見応えがあり、最終回における「サムライソード」との再戦はそのスピード感が印象的でした。
ただ先述した通り、デンジが悪魔と戦う際はチェンソーを武器とするため敵の血肉をまき散らかし、場合によっては臓物ぶち撒ける事もあり、微グロ注意といった印象を受けますが、この辺りは視聴者によって基準が分かれそうです。
狙われる心臓
公安特異課はいわば国お抱えのデビルハンター集団の様で、かつて100万人以上を屠ったという銃の悪魔討伐を主目的としている様です。また特異課所属のデビルハンターは悪魔に代償を払って契約する事で悪魔に対抗している様です。毒を以て毒を制すという奴でしょうか。
特異4課に入ったデンジは先輩にあたる青年「早川 アキ」のマンションに、血の魔人「パワー」と一緒に居候する事になります。
早川は「姫野」とバディを組んでいて、デンジはパワーとバディを組むことになります。
パワーは女性の姿をしているものの魔人であり、その人間離れした身体能力と自由奔放な振る舞いにデンジは翻弄される事になります。デンジも奔放ですが、魔人故に人間の常識が通用しないパワーには及びません。
しかしデンジはパワーをペット共々救出する事で信頼を獲得します。
そんな中ある悪魔が現れたホテルに踏み込んだデンジ含めた特異課員たちは悪魔の罠に嵌ってしまいます。悪魔の能力に為す術もない特異課員たちに悪魔はデンジの心臓を要求します。
その後もデンジの心臓を狙って銃の悪魔と契約した女性「沢渡」と刀の悪魔の心臓を宿し、ある理由からデンジを恨んでいる男性サムライソード率いる集団により特異課に襲いかかるのですが、この辺りはなかなか絶望感ある展開で、そこからの終盤が非常に気になる展開であったと言えます。
まとめ
人気漫画のアニメ化作品でしたが、その1期は1クールだったのが意外でした。原作共々人気がある様ですし、原作のストックは余裕ありそうなので2期の制作発表に期待といった所でしょうか。能力や動向に底知れないものを感じるマキマや銃の悪魔との戦いが始まるのか、何故悪魔たちはデンジの心臓を狙うのかという点も気になる所です。
ただ原作ファンでは賛否分かれる面もあった様ですが、アニメ勢としては特に気になる点は感じられず、普通に楽しめた作品と言えます。