当ブログで紹介している漫画は手軽に読める短めの物が主となっています。
そんな漫画の中でも個人的オススメの物を紹介していきます。
目次
ミステリ、サスペンス
final phase
- 作者:朱戸アオ
- 刊行年:2011年
- 巻数:全1巻
本作は実在する殺人的ウイルスが東京湾岸の新興住宅地に蔓延する様子を医療従事者から描いた、医療サスペンス作品です。
主人公たち医療従事者の命がけの努力や感染に怯える住民たちの様子は緊張感があり、昨今の現実で起こっていた事を考えると単なるフィクションでは無いと思わせてくれます。
マンホール
- 作者:筒井哲也
- 刊行年:2015年
- 巻数:全2巻(新装版)
本作は変死事件から始まるバイオホラー作品です。
ある生物を用いて事件を起こす人物に対し、コンビの刑事が挑む内容となっていて、バイオホラーといってもパニック物では無く社会派的色合いが強い作品と言えます。
外天楼
- 作者:石黒 正数
- 刊行年:2011年
- 巻数:全1巻
本作は通称『外天楼』と呼ばれている集合住宅を舞台にした連作短編集のコミックとなっています。
最初に描かれる話は、3人の男子中学生が手を尽くして手に入れたエロ本に関する謎を解く話となっています。
しかし話が進むとそんな出だしから予想も付かない展開となっていきます。
そんな展開ですが、序盤から貼られた伏線を以って終盤に収斂させていく手腕は見事というしかありません。
監禁探偵
- 作者:我孫子武丸/西崎泰正
- 刊行年:2011年
- 巻数:全2巻
本作はサウンドノベル『かまいたちの夜』シリーズの脚本などで知られている推理作家の我孫子武丸氏が原作を手掛けたコミックです。
あるフリーター男性が下着泥棒を働こうとしますが、他殺体を発見する事になります。当然事件に巻き込まれる事を恐れた彼は自宅マンションに逃げ帰りますが、自宅には彼が監禁している少女がいました。
こんなツッコミどころだらけの出だしですが、少女が他者からの情報のみを基に推理を繰り返して行く展開はしっかりした推理ものと言えます。
岸辺露伴は動かない
- 作者:荒木飛呂彦
- 刊行年:第1巻:2013年 第2巻:2018年
- 巻数:全2巻
本作は作者荒木飛呂彦氏の代表作『ジョジョの奇妙な冒険』のうち、第4部『ダイヤモンドは砕けない』のスピンオフ作品である短編集です。
人気シリーズのスピンオフ作品である本作ですが、単独作品としても充分楽しめる作品であると言えます。
単独作品として見た場合、サスペンスホラー的な展開から、主人公である露伴がスタンド能力を駆使して切り抜けたりする点が特殊と言えるかも知れません。
また唯我独尊な性格の露伴と怪異の対決が本短編集の見どころと言えそうです。
ホラー
サユリ
- 作者:押切蓮介
- 刊行年:2010年 – 2011年
- 巻数:全2巻
本作は古いながらも見晴らしの良い一軒家に引っ越してきた家族を襲う恐怖を描いています。
それは家に巣食う怨霊によるもので、その理不尽というしか無い仕打ちによって家族は1人また1人と亡くなって行きます。
そんな恐怖を描いた前半から、主人公たちの反撃を描いた後半。そしてテーマ性を感じる終盤と緩急のある展開が特徴と言えます。
ひとりかごめ
- 作者:雨がっぱ少女群
- 刊行年:2019年
- 巻数:全1巻
本作は実に12もの短編が収められています。傾向としては衝撃的だったり恐怖感が強いという事は無く、不気味さや奇妙な印象を受けるという方向性が主のホラー作品と言えます。また霊的存在が登場する作品は少ないですが、登場する霊はどれも生者を引きずり込もうとする強い悪意を感じました。
地獄星レミナ
- 作者:伊藤潤二
- 刊行年:2005年
- 巻数:全1巻
本作は父親の親バカによって発見された星に、自らの名前を付けられた少女が巻き込まれる騒動を描いています。
主なテーマとしては群衆パニックを描いていると思われますが、元凶であるレミナ星の凶悪さや地表の描写、終盤のスピード感ある展開も印象的です。
不死身のパイセン
- 作者:田口翔太郎
- 刊行年:2018年
- 巻数:全1巻
2人の女子高生が日々帰宅する様子を描いたホラーコメディ作品です。小柄と大柄、臆病と楽観的。色々と正反対な凸凹コンビが帰宅する道すがらには様々な怪異が現れます。
この怪異の造形や現象のみならず、なぜこうも怪異に遭遇するのかという展開も見どころの1つと言えます。
SF
All You Need Is Kill
- 作者:竹内良輔/小畑健
- 刊行年:2014年
- 巻数:全2巻
『ギタイ』と呼ばれる敵に侵略されている未来を描いたSF作品です。
主人公はギタイと戦うための訓練を受けた新兵でしたが、初陣で戦死したかと思えばループ能力を身に付けていました。何度もトレーニングを積み、実戦経験を積んでは死に戻っていく主人公は新兵らしからぬベテラン兵の様な雰囲気を纏って行きます。
果たして主人公が初陣を生還出来る日は来るのか。ループ能力でも無いと生き残れそうに無い、絶望的な戦場も必見と言えます。
惑星をつぐ者
- 作者:戸田尚伸
- 刊行年:2018年
- 巻数:全1巻
人類が宇宙で虐げられている世界を舞台に追う者と追われる者の戦いが描かれています。
物語の中心となっているのは人類ながら高い戦闘力を持つ賞金首という人物です。
果たして彼は何を考えて動いているのかといった事が気になっている内に追跡劇の末を見届けているかも知れません。
ファンタジー
タコピーの原罪
- 作者:タイザン5
- 刊行年:2022年
- 巻数:全2巻
話題作という印象だった本作。
某国民的アニメの猫型ロボットのひみつ道具を思わせるハッピー道具とハッピーという言葉からかけ離れた様な陰鬱な展開が印象的と言えます。中盤を過ぎる辺りまで陰鬱な展開が続きますが、ハッピー星人に導かれたかの様な結末は個人的には爽やかな雰囲気で良いのでは無いかと思います。
廃墟少女
- 作者: 尚月地
- 刊行年:2013年
- 巻数:全1巻
本作は架空の廃墟をテーマにした短編集のファンタジー作品となっています。
そのため廃墟要素は薄いですが、イラストレーターでもある作者尚月地氏の作画は目を瞠るものがあります。
百万畳ラビリンス
- 作者:たかみち
- 刊行年:2015年
- 巻数:全2巻
突然謎の空間に放り込まれた2人の女子大生。
まるで探索型謎解きゲームの様でありながら、広く掴みどころの無い空間を探索していきます。
そして現れるエネミーと協力者。
そうして想像以上にスケールの大きな話へ巻き込まれて行きます。
その他
さよなら絵梨
- 作者:藤本タツキ
- 刊行年:2022年
- 巻数:全1巻
ドキュメンタリー映画撮影をテーマとした本作は、ほとんどのコマが動画撮影用のスマホや映画のスクリーンを介した横長となっています。ヒロインを撮影した映画撮影を行うものの…といった展開ですが、そのコマ割りのために作中での映画と現実の境が曖昧となっています。
主人公のこだわりを除けば、物語は淡々としていますが、その構成から読み返したくなる作品と言えます。
ヘウレーカ
- 作者:岩明均
- 刊行年:2002年
- 巻数:全1巻
本作は古代史の第二次ポエニ戦争におけるシラクサ包囲戦という史実を、シラクサに住む青年の視点から創作を混じえつつも大筋としては史実通りに描かれています。
それなりの人体損壊描写を含みながらも派手な攻城戦などに歴史の壮大さを感じたりしますが、戦争の無情さも感じざるを得ない結末となっています。
亜峠呼世晴短編集
- 作者:亜峠呼世晴
- 刊行年:2019年
- 巻数:全1巻
完結した大ヒット作品『鬼滅の刃』の作者亜峠呼世晴氏の短編集です。
本短編集は鬼滅の原型とされる『過狩り狩り』が世界観、雰囲気ともに頭ひとつ抜けている様に感じました。登場人物などからも『鬼滅』ファンは読まないと損では無いかと思える程です。
また全短編を通して主人公は程度の差あれど暗いバックボーンを持っている様に思えます。
そんな亜峠氏らしい闇を世界観も見どころと言えるかも知れません。