【漫画】短い巻数でオススメの漫画【まとめ】

当ブログで紹介している漫画は手軽に読める短めの物が主となっています。
そんな漫画の中でも個人的オススメの物を紹介していきます。

スポンサーリンク

ミステリ、サスペンス

final phase

  • 作者:朱戸アオ
  • 刊行年:2011年
  • 巻数:全1巻
総評:7/10点 本作は東京湾岸地区を舞台に人間vsウイルスの戦いを描いた医療サスペンス漫画です。 作者の朱戸氏は医療的、科学的知識に基づいた医療サスペンス漫画を得意としている様です。 そして本作は2020年から世界で起こっているパンデミックにおける日本国内の状況を暗示するかの様な内容にもなっています。

本作は実在する殺人的ウイルスが東京湾岸の新興住宅地に蔓延する様子を医療従事者から描いた、医療サスペンス作品です。
主人公たち医療従事者の命がけの努力や感染に怯える住民たちの様子は緊張感があり、昨今の現実で起こっていた事を考えると単なるフィクションでは無いと思わせてくれます。

マンホール

  • 作者:筒井哲也
  • 刊行年:2015年
  • 巻数:全2巻(新装版)
総評:7/10点 本作は寄生虫を扱った事件をテーマにしたバイオホラー作品で、2004年から2006年に掛けてヤングガンガンで連載されました。後に新装版としてヤングジャンプコミックスとして刊行されています。 バイオホラーといってもパニック物では無く社会派的色合いが強い作品と言えます。

本作は変死事件から始まるバイオホラー作品です。
ある生物を用いて事件を起こす人物に対し、コンビの刑事が挑む内容となっていて、バイオホラーといってもパニック物では無く社会派的色合いが強い作品と言えます。

外天楼

  • 作者:石黒 正数
  • 刊行年:2011年
  • 巻数:全1巻
総評:8/10点 序盤と終盤で大分印象が変わる作品と言えます。 本作はミステリ小説誌である「メフィスト」で連載していたそうです。それを考えると1話や2話といった意外なシチュエーションから推理に持って行く展開や、これまでの話を収斂していく終盤はなるほどと思わせます。

本作は通称『外天楼』と呼ばれている集合住宅を舞台にした連作短編集のコミックとなっています。
最初に描かれる話は、3人の男子中学生が手を尽くして手に入れたエロ本に関する謎を解く話となっています。
しかし話が進むとそんな出だしから予想も付かない展開となっていきます。
そんな展開ですが、序盤から貼られた伏線を以って終盤に収斂させていく手腕は見事というしかありません。

監禁探偵

  • 作者:我孫子武丸/西崎泰正
  • 刊行年:2011年
  • 巻数:全2巻
総評:7/10点 本作はサウンドノベル『かまいたちの夜』シリーズの脚本などで知られている推理作家の我孫子武丸氏が原作を手掛けたコミックです。2013年には実写映画化もされ、2019年には原作者である我孫子氏がノベライズしています。 本作は1巻と2巻で異なる事件の話となっていて、どちらも作品としては楽しめます。 ただミステリとして見た場合は1巻の方が二転三転する推理やそれに伴って明らかになる人間関係の変化などといった点を楽しめました。

本作はサウンドノベル『かまいたちの夜』シリーズの脚本などで知られている推理作家の我孫子武丸氏が原作を手掛けたコミックです。
あるフリーター男性が下着泥棒を働こうとしますが、他殺体を発見する事になります。当然事件に巻き込まれる事を恐れた彼は自宅マンションに逃げ帰りますが、自宅には彼が監禁している少女がいました。
こんなツッコミどころだらけの出だしですが、少女が他者からの情報のみを基に推理を繰り返して行く展開はしっかりした推理ものと言えます。

岸辺露伴は動かない

  • 作者:荒木飛呂彦
  • 刊行年:第1巻:2013年 第2巻:2018年
  • 巻数:全2巻
総評:7.5/10点 本作は作者荒木飛呂彦氏の代表作『ジョジョの奇妙な冒険』第4部『ダイヤモンドは砕けない』のスピンオフ作品である短編集です。 2017年から2020年にかけて、「富豪村」「六壁坂」「懺悔室」「ザ・ラン」の四編がOVA化され、2020年年末には本作から「富豪村」「D・N・A」の二編がTVドラマ化されてNHKにて放送されています。

本作は作者荒木飛呂彦氏の代表作『ジョジョの奇妙な冒険』のうち、第4部『ダイヤモンドは砕けない』のスピンオフ作品である短編集です。
人気シリーズのスピンオフ作品である本作ですが、単独作品としても充分楽しめる作品であると言えます。
単独作品として見た場合、サスペンスホラー的な展開から、主人公である露伴がスタンド能力を駆使して切り抜けたりする点が特殊と言えるかも知れません。
また唯我独尊な性格の露伴と怪異の対決が本短編集の見どころと言えそうです。

ホラー

サユリ

  • 作者:押切蓮介
  • 刊行年:2010年 – 2011年
  • 巻数:全2巻
総評:7.5/10点 本作は幻冬舎コミックスの月間マンガ誌『コミックバーズ』にて2010年3月号から2011年5月号まで連載されていたホラー漫画です。 マイホームを手に入れた平凡な家族を襲う理不尽な悲劇を描いています。

本作は古いながらも見晴らしの良い一軒家に引っ越してきた家族を襲う恐怖を描いています。
それは家に巣食う怨霊によるもので、その理不尽というしか無い仕打ちによって家族は1人また1人と亡くなって行きます。
そんな恐怖を描いた前半から、主人公たちの反撃を描いた後半。そしてテーマ性を感じる終盤と緩急のある展開が特徴と言えます。

ひとりかごめ

  • 作者:雨がっぱ少女群
  • 刊行年:2019年
  • 巻数:全1巻
総評:7/10点 本作は漫画家、雨がっぱ少女群氏のホラー短編集で実に12もの短編が収められています。 見した所ではホラーと思わないような絵柄が目を惹き、多くの短編は可愛らしい少女が中心として描かれています。

本作は実に12もの短編が収められています。傾向としては衝撃的だったり恐怖感が強いという事は無く、不気味さや奇妙な印象を受けるという方向性が主のホラー作品と言えます。また霊的存在が登場する作品は少ないですが、登場する霊はどれも生者を引きずり込もうとする強い悪意を感じました。

地獄星レミナ

  • 作者:伊藤潤二
  • 刊行年:2005年
  • 巻数:全1巻
総評:7/10点 本作は『週刊ビッグコミックスピリッツ増刊 Casual』にて2004年から2005年に掛けて連載された作品です。 本作は『週刊ビッグコミックスピリッツ増刊 Casual』にて2004年から2005年に掛けて連載された作品です。 2021年7月、本作の英語版『Remina』が米国のアイズナー賞にて最優秀アジア作品賞とBest Writer / Artist部門をダブル受賞しました。後者は『伊藤潤二短編集 BEST OF BEST』と同時受賞となっています。

本作は父親の親バカによって発見された星に、自らの名前を付けられた少女が巻き込まれる騒動を描いています。
主なテーマとしては群衆パニックを描いていると思われますが、元凶であるレミナ星の凶悪さや地表の描写、終盤のスピード感ある展開も印象的です。

不死身のパイセン

  • 作者:田口翔太郎
  • 刊行年:2018年
  • 巻数:全1巻
総評:7/10点 本作は小学館のWebコミック連載サイト『裏サンデー』及び漫画アプリ『マンガワン』にて2018年に連載されました。

2人の女子高生が日々帰宅する様子を描いたホラーコメディ作品です。小柄と大柄、臆病と楽観的。色々と正反対な凸凹コンビが帰宅する道すがらには様々な怪異が現れます。
この怪異の造形や現象のみならず、なぜこうも怪異に遭遇するのかという展開も見どころの1つと言えます。

SF

All You Need Is Kill

  • 作者:竹内良輔/小畑健
  • 刊行年:2014年
  • 巻数:全2巻
総評:7/10点 本作は桜坂洋氏による同名のライトノベルを「ヒカルの碁」や「DEATH NOTE」で知られる小畑健氏がコミカライズした物です。 2014年にはハリウッド映画化している事でも知られています。 本作はループ物ですが、人類が敵対する存在と戦うSF物としても楽しめます。 ループでもしないと生き残るのが困難な絶望的な戦闘も必見と言えます。

『ギタイ』と呼ばれる敵に侵略されている未来を描いたSF作品です。
主人公はギタイと戦うための訓練を受けた新兵でしたが、初陣で戦死したかと思えばループ能力を身に付けていました。何度もトレーニングを積み、実戦経験を積んでは死に戻っていく主人公は新兵らしからぬベテラン兵の様な雰囲気を纏って行きます。
果たして主人公が初陣を生還出来る日は来るのか。ループ能力でも無いと生き残れそうに無い、絶望的な戦場も必見と言えます。

惑星をつぐ者

  • 作者:戸田尚伸
  • 刊行年:2018年
  • 巻数:全1巻
総評:7/10点 本作は1995年、週刊少年ジャンプで41号~49号とごく短期間連載された作品です。 作者戸田尚伸氏の初連載作品で、宇宙での追跡劇を描いたSF作品です。 近年、版元を変更して電子書籍化されています。

人類が宇宙で虐げられている世界を舞台に追う者と追われる者の戦いが描かれています。
物語の中心となっているのは人類ながら高い戦闘力を持つ賞金首という人物です。
果たして彼は何を考えて動いているのかといった事が気になっている内に追跡劇の末を見届けているかも知れません。

ファンタジー

タコピーの原罪

  • 作者:タイザン5
  • 刊行年:2022年
  • 巻数:全2巻
総評:7.5/10点 本作は集英社のWebコミック連載サイト及び漫画アプリ『少年ジャンプ+』にて2021年12月から2022年3月に掛けて連載されました。 作者であるタイザン5氏の初連載作品ですが、話題作というのが本作の印象です。

話題作という印象だった本作。
某国民的アニメの猫型ロボットのひみつ道具を思わせるハッピー道具とハッピーという言葉からかけ離れた様な陰鬱な展開が印象的と言えます。中盤を過ぎる辺りまで陰鬱な展開が続きますが、ハッピー星人に導かれたかの様な結末は個人的には爽やかな雰囲気で良いのでは無いかと思います。

廃墟少女

  • 作者: 尚月地
  • 刊行年:2013年
  • 巻数:全1巻
総評:7/10点 本作はイラストレーターとしても活動している作者によるオムニバス作品で、少女マンガ誌「ARIA」にて2010年から2012年に掛けて不定期に掲載された「廃墟迷宮シリーズ」と呼ばれる一連の作品をコミックス化したものとなっています。 ただ廃墟要素は薄めとなっていて、リアリティよりも背景としての美しさが優先されて描かれているファンタジー作品という風に感じられます。

本作は架空の廃墟をテーマにした短編集のファンタジー作品となっています。
そのため廃墟要素は薄いですが、イラストレーターでもある作者尚月地氏の作画は目を瞠るものがあります。

百万畳ラビリンス

  • 作者:たかみち
  • 刊行年:2015年
  • 巻数:全2巻
総評:7/10点 本作は月刊誌『ヤングコミック』に2013年から2015年に掛けて連載された作品です。 2人の女子大生が迷宮じみた特殊な空間を探索して脱出を目指すというADVや脱出ゲームを思わせるシチュエーションのファンタジー作品となっています。

突然謎の空間に放り込まれた2人の女子大生。
まるで探索型謎解きゲームの様でありながら、広く掴みどころの無い空間を探索していきます。
そして現れるエネミーと協力者。
そうして想像以上にスケールの大きな話へ巻き込まれて行きます。

その他

さよなら絵梨

  • 作者:藤本タツキ
  • 刊行年:2022年
  • 巻数:全1巻
総評:7/10点 本作は集英社のWebコミック連載サイト及び漫画アプリ『少年ジャンプ+』にて2022年4月に読み切りとして掲載された作品です。 作者である藤本タツキ氏は週刊少年ジャンプで連載された『チェンソーマン』で知られる人気漫画家です。

ドキュメンタリー映画撮影をテーマとした本作は、ほとんどのコマが動画撮影用のスマホや映画のスクリーンを介した横長となっています。ヒロインを撮影した映画撮影を行うものの…といった展開ですが、そのコマ割りのために作中での映画と現実の境が曖昧となっています。
主人公のこだわりを除けば、物語は淡々としていますが、その構成から読み返したくなる作品と言えます。

ヘウレーカ

  • 作者:岩明均
  • 刊行年:2002年
  • 巻数:全1巻
総評:7.5/10点 本作は『寄生獣』や『ヒストリエ』で知られる岩明均氏が隔月刊誌『ヤングアニマル増刊Arasi』にて2001年4月から2002年2月にかけて連載した作品で、第二次ポエニ戦争のシラクサ包囲戦という史実を扱っており、創作を混じえつつも大筋としては史実通りに収まる展開となっています。

本作は古代史の第二次ポエニ戦争におけるシラクサ包囲戦という史実を、シラクサに住む青年の視点から創作を混じえつつも大筋としては史実通りに描かれています。
それなりの人体損壊描写を含みながらも派手な攻城戦などに歴史の壮大さを感じたりしますが、戦争の無情さも感じざるを得ない結末となっています。

亜峠呼世晴短編集

  • 作者:亜峠呼世晴
  • 刊行年:2019年
  • 巻数:全1巻
総評:7.5/10点 本短編集は大ヒット作『鬼滅の刃』を生み出した亜峠呼世晴氏が2013年に第70回JUMPトレジャー新人漫画賞佳作を受賞し、『鬼滅の刃』の原型となった『過狩り狩り』。 それに加え連載開始前の2014年から2015年に掛けて週刊少年ジャンプで読み切り掲載した3作を掲載しています。 その中で『鬼滅の刃』の原型である『過狩り狩り』が世界観、雰囲気ともに頭ひとつ抜けている様に感じました。

完結した大ヒット作品『鬼滅の刃』の作者亜峠呼世晴氏の短編集です。
本短編集は鬼滅の原型とされる『過狩り狩り』が世界観、雰囲気ともに頭ひとつ抜けている様に感じました。登場人物などからも『鬼滅』ファンは読まないと損では無いかと思える程です。
また全短編を通して主人公は程度の差あれど暗いバックボーンを持っている様に思えます。
そんな亜峠氏らしい闇を世界観も見どころと言えるかも知れません。