【漫画】堕イドル【感想】

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  • タイトル:堕イドル
  • 作者:ガクキリオ(作)/山口アキ(画)
  • 刊行年:2016年~2017年
  • 巻数:全2巻
  • 出版社:講談社
  • レーベル:講談社コミックス
6 out of 10 stars (6 / 10)

アイドルは、無垢で清純でなければならない…。“堕ちたアイドル”には、血の制裁を! アイドル達の生き残りを懸けたデスゲームバトル開演!!
堕ちたアイドルとして集められた、50人の“堕イドル”。生死を懸けたゲーム「堕イドル・オーディション」に強制参加させられる。合否を分ける、その評価基準とは? そもそも堕イドルの定義とは? 疑問だらけの極限状態の中、彼女達の過酷で欺瞞に満ちた戦いが始まる。

講談社コミックプラスより抜粋

概要

本作は講談社から刊行されている月刊誌別冊少年マガジンの2016年9月号から2017年5月号まで連載されました。
アイドルたちがデスゲームに巻き込まれる展開を描いています。

アイドルと青年の出会い

本作は主人公にしてアイドルグループ『DDL』リーダー「銀山 幸」がとある公園で腹を立てた様子で電話している場面から始まります。
どうやらDDLは全国ネットのTV番組に初出演したものの、弱小プロダクション故に人気アイドルや女優「黒羽 うらら」らに尺を奪われて歌唱シーンがカットされてしまうという残念な事になってしまった様です。続けて金と名声が欲しいと零す幸でしたが、その時近くのベンチに座っていた陰のある青年「灰峰」がカツアゲされているのを見て助け舟を出します。
その後幸が灰峰に話しかけますが、灰峰は返答しません。しかしふと何かに思い至ったかの様に声を発したかの様な反応した事で会話をしますが、灰峰がお礼とお詫びとして結構な額の金銭を手渡そうとします。幸は金と名誉が欲しいと言っていましたが、こういった形は気が引けるらしく一度は断ります。
しかし灰峰が言うにはお詫びと言うのは、自分と話すと不幸に見舞われるため、その為だと言います。
実際、読者に対しては灰峰をカツアゲしようとしていた男が歩道橋から転落する場面が描かれているため、これから幸が災難に巻き込まれるのはこの事がきっかけであろう事は予想出来ます。
そして幸が灰峰と話したため災難に見舞われるというのは複数の意味で合っていたと言えます。
一応納得した様子の幸ですが、貰うばかりでは悪いからと灰峰が持っていた雑誌にサインをします。2人はこうして別れますが、直後幸に単独でのオファーが舞い込んでくるのでした。

アイドルたちが巻き込まれるデスゲーム

その1週間後、幸は女性アイドルが多数参加するという無人島のロケに参加するため、船に乗り込んでいましたが、意識を失い、気付けば幸を含めて50人のアイドルたちが謎の組織に攫われていました。
この無人島でのロケというのは組織の罠で、アイドルたちが乗っていた客船は爆破炎上します。今回行われる『堕イドルオーディション』の進行を行う女性「ミザリー」が言うにはアイドルたちは事故で犠牲になったと全世界で報道されると告げます。確かにこれだけのアイドルが一度に犠牲になったと言えば世界的なニュースと言えると思われますが、同時に1人も遺体が発見されないというのは不自然だと指摘されないかと思ってしまいます。
それとも身代わりとして身元の判別が難しいくらいに焼けた遺体を用意しているとでも言うのでしょうか。
そしてアイドルたちはそれぞれ男性とペアで部屋に閉じ込められています。身に覚えがあるのではとミザリーは言いますが、幸のペアは灰峰なため、まるで見に覚えが無いという有様でした。この組織の調査能力ガバガバじゃ無いですか?一応墜ちたアイドルと言う事で男性と関係を持っていると見做されたアイドルが集められている様です。
また幸のナンバーが最後の50というのも期限切れ間近の頭数合わせで、公園でのそれっぽい場面を見つけたから参加対象にしたという感もあります。
そうして始まったオーディションは段階毎に特殊なルールが設けられていますが、ミザリーは重要な箇所はボカして説明したりするため、参加者は時にはルールを考えながらパフォーマンスする必要があります。
そうして第1、第2とアイドルたちが減っていくなか幸と灰峰は突破します。
そして上位者同士のボーナスステージとして一対一のダンスレッスンバトルが行われますが、各自の持ち曲というルールになっています。
そして幸の前には女優であるうららが立ちはだかります。様々な点で幸は不利ながらも、実に本作の半分近くがこのダンスバトルに費やされています。
果たして幸は勝ち残る事が出来るでしょうか。

作画、雰囲気など

作品の性質上、数十人のアイドルが登場します。それらのアイドルたちは可愛らしく描かれているのが主ですが、キレ芸を何度も披露したり、先述したうららの様に、ミステリアスな印象を受けるキャラもいたりと個性も出ています。
しかしそんなアイドルたちが炎上したりとなかなか容赦の無い描写があったりするのが特徴と言えます。

頭脳戦

最初のオーディションと2つ目のレッスンは運営側の意図を見抜いて立ち回る必要があります。
そして先述したダンスバトルではアイドルとパートナーが隔離され、ある特殊なルールで行われますが、アイドル側には詳細なルールを知らされないため、それを掴む所から始まります。ルールの把握が遅れた幸は劣勢になりますが、あるきっかけからルールに気付きます。しかし気付いても特殊過ぎるが故になかなか活かせず劣勢を覆せません。
このダンスバトルはうららたちペアと灰峰の駆け引き、不屈の闘志でダンスを続ける幸と灰峰の能力、うららの奥の手など二転三転する展開で作中最大の見せ場と言えます。

まとめ

ストーリー、作画ともに悪く無いと感じられる本作ですが、残念ながら打ち切りとなっています。
そのため謎の権力、人脈を持っている組織の目的などが不明なままとなってしまっています。
果たしてどの様な目的があってアイドルたちを葬り去る様な所業を行っているのか、作中においてその目的が伺える様な描写はありません。
ただラスト付近で組織の内幕が僅かながら描かれるも、その直後に私達のオーディションはこれからだといった様な潔い打ち切りエンドで終了してしまったのは惜しまれます。