2013年 25分

「ここがどこなのか、という問いにはお答えできません」
アニメミライ公式サイトより
「これよりお二人にはゲームをして頂きます」
「ゲームは命をかけて行なって頂きます」
「そして、ゲームが終わるまで当店から出ることはできません」
強制的にルールを課せられた男二人。
やがて剥き出しになっていく人間の本性。
デスゲームの果てに待ち受けるものは?
目次
概要
本作は2013年に「アニメミライ2013」の1作として公開された作品です。
全部で25分と短く、登場キャラも4名の作品ですが、2015年には同一世界観で「デス・パレード」としてTVアニメ化されています。
謎のBARに迷いこんだ客
本作に登場するキャラは男性、老人、女性、バーテンダーの4人です。
舞台となるBAR「クイーンデキム」に老人がやって来る所から始まります。
店員の女性に案内されたカウンターでは、バーテンダーと先客である男性がいます。
2人の客が少し飲んだ所で、バーテンダーがこの店を経緯を尋ねますが、2人とも自宅にいたはずで、どうやって訪れたか記憶が無い様です。
ここでこの店が普通のバーで無い事が何となく察せられます。
間もなくバーテンダーから「命を掛けたゲーム」をしてもらうと宣告され、それについてのルールを何点か説明されます。
その中で店から出る事は出来ず、ゲーム終了をもって出る事が出来ると説明されます。
客のうち、男性は慌てて脱出を図りますが、結局断念します。エレベーターが動作せず、階段などを発見出来なかったというだけですが、2人の客が異空間へ迷いこんだかのような印象を受けます。
そしてルーレットを回した結果、ゲームはビリヤードのエイトボールと決まります。
命を掛けたゲーム
状況を呑み込めないままビリヤードで対決する事になった2人の客。
台上のボールには臓器がデザインされ、脈動しているようにも見えますが、バーテンダーが言うには雰囲気を盛り上げる為の演出との事です。
「命を掛けたゲーム」というフレーズから、負けたら命を奪われる、いわゆるデスゲームが連想され、男性客も明らかにそう捉えています。そもそもタイトルに「デス」と入っていますので、連想しない方が少数派と言えるでしょう。
ビリヤードには多少覚えがあった様で、自信満々でゲームに臨んだ男性ですが、老人が見た目によらず手練で、男性は劣勢となります。
更にボールを落とされて行くにつれ、身体に異常を感じたらしい男性は追い詰められ、死への恐怖からか暴走します。
果たしてゲームの行方は、そして客2人の運命はどうなるのかと気になる展開と言えます。
アクションシーン
後半は男性が暴走した事による、主にキューを使った格闘シーンがあります。
このシーンもなかなか見応えがある印象ですが、前後に挟まれる双方の記憶が走馬灯の様に駆け巡る場面があり、緊張感を与えます。
このバトルも老人優勢で進み、この老人は何者かと思わざるを得ません。もっとも走馬灯の場面で多少は推測出来ますが。
その後格闘が終わり、ゲームの勝敗に直結します。
まとめ
僅か25分で完結する為か、全体的に無駄が無く緊張感ある展開という印象でした。
男性と老人についての結末は尺の都合かどうか詳細も含めて気になる部分ではあります。
本作を視聴し終えて、最初に浮かんだ感想は「世にも奇妙な物語」にありそうと言うものでした。
ああいったテイストが好きなら、短時間ながら楽しめると思います。