2009年 60分
総評: (5 / 10)
目次
運動会
小学校の運動会を撮影した記録映像。体育館の中で元気いっぱい動き回る体操服の子供たちに混ざって、皆と同じ体操着を着た上半身のない子供の姿が…。前年の夏休み、交通事故で死亡した子供がいるというのだが…。
感想
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ある小学校の体育館で行われた、運動会の様子を撮影した映像です。
体育館だとグラウンドに比べて狭いのでは無いかと思ってしまいますが、そういう学校もあるのかも知れません。
そして映像内で児童たちが左右に動き出す辺りで、画面中央付近を体操服姿の下半身だけが走っているのが見えます。
ハッキリ映り込んでいるのですが、他の児童たちの姿に混じっていて分かり難く、ややインパクトに欠ける印象を受けます。
犬の散歩
とある雨の日に撮影された映像。愛犬を連れて散歩をしていた投稿者は、普段は行かない公園に足をのばしたという。すると愛犬が誰もいない空間に向かって突然吠えはじめたという。カメラはその姿を捉えてしまった…。
感想
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投稿者が愛犬の散歩をしている様子を撮った映像です。
タイトルや犬の散歩というシチュエーションがPart12の『夜の散歩』を連想させます。あれはなかなか衝撃的な映像でしたが、この映像は果たしてどうでしょうか。
映像の前に調査パートが入り、投稿者と一緒に撮影現場を見た後、場所を移してインタビューするスタッフ。
主な内容としては
・散歩中ある団地内の公園で休憩していたら愛犬が誰もいない空間に吠え出した。
・そこで携帯を向けたら女性が映り込んでいた。
・初めて訪れた場所なので、その公園の謂われなどは知らない。
・散歩の翌日愛犬が急死した。
愛犬の急死については謎の急死では無く、膵臓が悪かったと診断されたようですので、不幸な偶然とも考えられます。
そしてスタッフが映像を解析した所音声が確認され、それをもとにしたのか分かりませんが、スタッフは周辺で聞き込みを行います。
そしてある女子高生から話を聞きます。
それによれば田舎から来た女性が、子供を育てきれず公園のベンチに置き去りにしたそうです。
棄てられた子供は施設に保護されますが、その事を知らない母親は後悔のあまり自殺したのだそうです。
そして母親は死んでも子供を探して彷徨っているのだそうです。
そして映像が流れます。
吠えている愛犬に声を掛けている投稿者。
その鳴き声の間隙を縫うかの用に「返せ」という音声が入り込んでいます。
愛犬が吠えている場所に携帯を向ける投稿者。すると女性らしき人影が立っているのが映り、投稿者は慌てて携帯を逸しています。
本映像は不気味さを感じる良い映像だと思います。先に挙げた『夜の散歩』と比較した場合、インパクトでは劣るものの不気味さなどでは負けていないと思われます。
あと人影が噂話の母親だと仮定した場合ですが、自分で棄てておいて「返せ」ってどういう事なのかと思ってしまいます。
クラブ・イベント
若者たちが集うクラブ。しかし、暗く幻想的な空間には心霊的なものも集まりやすい。友人が主催したイベントの記録撮影を頼まれた投稿者。その映像の中にクラブには似つかわしくない、軍帽を被った軍人の霊が…!
感想
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あるクラブで行われたイベントの様子を撮った映像です。
投稿者はイベント主催者である友人に依頼され、イベントの記録映像を撮っていたのだそうです。
映像内、イベント後に行なったインタビューの模様が撮っている場面で、画面奥のドアが開いた際に軍帽を被った人影らしき物が映り込んでいます。
ただその人影自体は分かり難いと言う程ではありませんが、なぜか平面的にも見えるため、それと気付きにくい可能性もあります。
このクラブがある場所はかつて旧陸軍の関連施設があり、終戦時に多くの軍人が自決したのだそうです。
不在
大学のゼミの同窓会を撮影した映像。ゼミの教授が急用で参加できなかったため、投稿者は教授に見せるために仲間たちの姿を撮影したという。カメラに向かってメッセージを話す男性の手首から上が消えているのだが…。
感想
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ある大学ゼミの同窓会を撮った映像です。
ゼミの教授が急用で参加出来なかったため、投稿者は卒業したゼミ仲間の様子を撮影したのだそうです。
やがて参加出来なかった教授へのメッセージを送ろうという話になり、最初に話した参加者の右手が消えてしまっています。
消えたと言ってもキレイに消えている訳では無く、右手首が黒くボヤケてしまっている状態で、なんだかなぁと思ってしまいます。
この参加者は卒業後劇団員になっていたそうですが、この数ヶ月後劇団の大通具片付けの際に事故で右手拳を砕く大怪我をしたのだそうです。
どうでも良い事ですが、タイトルは教授を示しているのかと思えば、右手を示しているというよく分からないミスリードになっています。
シリーズ監視カメラ ネットカフェ難民
インターネットカフェを経営しているという投稿者から送られてきた監視カメラの映像。個室の入り口付近に身体が透けた男性の霊らしき姿が確認できる。その個室では、最近薬物による男性の自殺事件があったという…。
感想
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ネットカフェを経営しているという投稿者からの映像です。
タイトルになっているネットカフェ難民という言葉を知らないという方が、どの位いるのか分かりませんので軽く説明しますと、普通のアパートを借りられる程の収入が無いので、安いネットカフェに泊まり続けて生活している人達の事で一時社会問題となりました。
この言葉が生まれて10年以上経ったと思うと感慨深い物があります。
そして映像ですが、ネットカフェ店内を映していて、画面左側に三つの個室が並んでいます。
そのうち中央の個室に、半透明の下半身だけの人影が現れます。
その人影は半透明ながらもハッキリ映っていて分かりやすいですが、インパクトが恐怖感が薄いのが残念な所です。
それは人影が現れた後、立ち尽くしているだけという事もあるかも知れません。
この後人影は5分ほど立ち続けた末に消えたそうです。
またこの個室では男性客が薬物自殺した事が述べられます。将来に悲観したという奴かも知れません。
タクシー
個人タクシーを営んでいるという男性からの投稿。車内には防犯カメラが設置されていたが、ある日、一人の客を田舎の山道まで乗せた際に後部座席の窓ガラスにすがりつく女性の姿をカメラが捉えてしまったという…。
感想
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投稿者は個人タクシーを営んでいる男性で、タクシー強盗が横行している事から不安になって監視カメラを設置したそうです。
ある日一人の男性客を長距離走行して田舎の山道に降ろした帰りだそうですが、わざわざタクシーで長距離移動してまで、山道に行った男性客も気になります。
男性客を降ろした帰り道のタクシー車内を映した映像ですが、リアウインドウに人影が貼り付いたりしているのが見えます。
外は暗いため、詳しくは分からないといった所です。
リプレイで女性らしい人影が縋りついてからずり落ちているらしい事が分かります。
走行中のタクシーに一度は縋りついているのですから、普通の人間で無いのは明らかと言えます。
またこの付近の山林で女性の刺殺死体が発見され、未解決だそうです。
赤い人
投稿者が友人たちとドライブをした際に偶然撮影したデジタルカメラの映像。自宅近くの道路が渋滞し、多くの消防車が出動していたため、何かあったのかと動画を撮ったという。その中に全身が赤い奇妙な人物が…。
感想
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投稿者が友人たちとドライブに出掛けようとした際に、自宅から遠くない道で突然渋滞しだし、不穏な空気を感じた為記録撮影した映像です。
実際は消防車が何台も通っている為、何事かあったと感じたのでしょう。
投稿者は現場も把握したようで、画面上で指差して教えてくれます。
そしてそんな中、歩道を赤い人影が歩いているのですが、映っている時間が非常に短いため、初見では分からないと思われます。
この翌日、現場のアパートで女性がガス自殺した事を知ったのだそうです。
Twenty Seven 前編
第1弾の発売から、ついに十周年を迎える呪いのビデオ。これまで我々取材班にはたくさんのスタッフが参加してきたが、その中にはあまりの恐怖に堪えかねて自ら辞めていったものも少なくない…。現在のスタッフの1人、菊池宣秀は20歳の誕生日を機に、毎年誕生日になると奇妙なビデオテープが送られてくるという。消印は福井県。山奥の廃山荘の映像らしいが、心霊現象などは何も映っていなかったため、これまでシリーズで取り上げられることはなかった。
ある日、製作委員会に1本のビデオテープが投稿される。それは奇妙なことに菊池の元に送られてくる映像と同じものだった。早速我々は投稿者とコンタクトをとり、真相の究明を開始する。しかし取材を進めていた我々は未曾有の恐怖と対峙することになるのだった…!!
Twenty Seven 前編
感想
本作メイン映像の前編に当たります。
リリースされた2009年はほん呪シリーズ開始から10周年という事で、冒頭はそれを振り返る意味もありそうです。
この記事が公開されるのは2020年の年初ですが、書いている時点ではまだ20周年目の2019年です。
「日々過酷な取材の中、休日はほとんど無いと言ってもいい」とブラックな環境である事をおおっぴらにした上で、「製作委員会にはこれまで様々なスタッフが参加してきた」と述べます。まあ10年やっていればそうでしょう。ましてや定着率悪そうな職場ですし。
そして「ある者は事故で再起不能になり」とPart20『チェーンメール』で事故に遭って入院した男性演出補が映ります。再起不能という扱いだったんですね。
その後も「失踪や、自殺を遂げた者」とブラック過ぎる人物紹介や「恐怖のため辞めていった」としてPart24『ダビング』で逃亡した大谷が紹介されます。
途中、藤屋敷も映っていましたが、何か意味があったのでしょうか。
そして現在の製作委員会スタッフたち。
今回は菊池演出補にスポットが宛てられます。
児玉演出が岩澤演出補ばかり前面に出しているため、この頃は地味な印象を受ける菊池ですが、かつては常連の投稿者であったと紹介されます。
何でも二十歳の誕生日から、毎年誕生日の度に奇妙なビデオテープが届き、それを投稿していたのだそうです。
そのテープの差出人は不明ながら、消印は福井との事です。そして山奥の廃屋が映っているだけだが、不快な映像が収められているとの事です。不気味かつ不快という何とも迷惑な誕生日プレゼントですが、意外にもちゃんと郵送されていた模様です。
しかしその映像は特に心霊現象などは起こっていないため、一度も採用されなかったそうです。
菊池は二十歳から二度引越ししているそうですが、それでも毎年誕生日にはビデオテープが送られているそうです。
そして「製作スタッフは自宅にまで奇妙な映像が送られて来るのは日常茶飯事」「そのため特筆すべき事では無いと思われていた」と製作委員会のブラック要素が追加された所で、菊池との会話は一旦終わります。
しかしある日、菊池への誕生日プレゼントとほぼ同じ映像が投稿されて来たのだそうです。
菊池への映像との違いは心霊現象らしき物が映り込んでいるそうですが、スタッフたちは投稿者が菊池に映像を送り続けている人物では無いかと疑念を抱きます。
取り敢えず菊池以外のメンバーで投稿者へのインタビューを行うスタッフ一同。
投稿者は大学院に通う男性学生で、趣味である自主制作映画の撮影テープの一本に全く違う映像が入っていたのだそうです。
新品のテープを使って普通の住宅街で撮影したにも関わらず、その一本はボロボロの建物と黒い女性が映り込んでいたと投稿者は説明します。
インタビューの最後に、児玉が投稿者へ投稿した理由を尋ねますが、「気味悪いので、何か分かるのでは無いかと思った」と割と無難な理由でした。
そして撮影現場である住宅街を訪れますが、投稿者が住んでいるアパート付近の様です。
現場周辺での聞き込み調査などを行うも、特に謂われなどは無いようで、調査は難航するかと思われました。
しかし女性演出補渡邊が付近の電柱に赤いビニールテープらしき物で作られたマークを発見します。
そのマークは「三」を串刺しにした様な形で、渡邊は他の電柱でも見たと言いますが岩澤がたまたまでは無いかと良く分からない反論をしたため、児玉の指示で二手に分かれます。
そして調査が終わってスタッフルームで合流します。岩澤はマークについて近隣住民に聞き込みしたようですが、成果は無かったようです。
渡邊は周辺でマークを探して、10ヶ所ほど地図上に記録していました。
そのマークの場所を地図上で繋いで試行錯誤の結果、地図上に同じマークが出現し、しかもその中心は投稿者のアパートとなっています。
これは明らかに投稿者は何らかの標的となっていると思われ、スタッフも呪術的な物では無いかと推測した所で続きます。
続・Twenty Seven 前編
感想
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Twenty Seven 前編の続きです。
電柱などに付けられた印を投稿者に見てもらおうとしたスタッフ一同ですが、投稿者は待ち合わせ場所に現れず、電話をしてもすぐに切れてしまいます。
投稿者宅へ向かうも反応なく、引き上げようとした所渡邊が投稿者宅の窓が僅かに開いていて、そこから投稿者が見下ろしていたと告げます。
一応その窓が映されますが、人の姿は見えないように思えます。
再度電話しても反応が無いのでやはり出直す事になります。
何時間経ったのか分かりませんが、スタッフは近くの公園かどこかで待機していたのかも知れません。
買い出しに行っていた渡邉が投稿者を駅の方向へ歩いているのを見たと報告します。
二手に分かれて投稿者を探し、やがて岩澤から投稿者を発見したとの報告が届きます。
しかし児玉と渡邊が到着した時には岩澤ひとりで、投稿者に何故調査を止めたのか問いただしたが、投稿者は何か喚き散らして逃げようとしたため揉み合いになった挙げ句、結局逃げられたのだそうです。
どうしてわざわざ刺激するような事をするのかと思ってしまうのは後知恵でしょうか。
投稿者は何やら買い物袋を落として行ったそうですが、その中には数本の包丁が入っており、不穏な雰囲気が増していきます。
普通に考えると、飲食関係でも無いのに包丁だけ何本も買っていくのは危険な気がしますね。
そしてそのまま投稿者宅を再度訪れる一行。
ただカメラを見ると刺激されて過剰反応するかも知れないと、児玉は外で待つことになります。
しかし投稿者の部屋へ向かっていた岩澤と渡邊から、投稿者が死んでいると報告があり児玉が向かうと、部屋には首を吊っている投稿者の姿が映されます。当然ですがモザイクが掛かっていますが。
すぐに警察へ通報したそうですが、通報に際してどのように説明したのか気になる所です。
そして投稿者から送られてきた映像が流れます。
本来は近所の住宅街で撮っていたはずが、山中の廃屋らしき場所が映っています。
朽ちた廊下らしき場所や室内、トイレと思われる場所などが次々と映されていきます。
確認した限り、映像内では10のカットがありますがそのうち最後の2つに心霊現象が起こっているようです。ちなみに一つのカット当りの時間はちょうど10秒と解説されています。
最後は窓の映像に女性らしき顔が映り込んで分かりやすいのですが、その前の廊下らしき場所は分かり難いです。
女性らしき人影が映り込んでいるそうですが、リプレイでも確認出来ませんでした。
映像自体はなかなか不気味な雰囲気があるだけにその点が残念です。
また投稿者から送られてきた映像と菊池に届いていた映像は心霊現象の有無を除いては全く同じだそうです。
まとめ
本作はPart34まで続く10周年記念の長編「Twenty Seven」に大きなウエイトが占められています。
「Twenty Seven」はこれまで解決出来ないと散々言ってきた調査パートでついに犠牲者が出ることになります。より深刻に鳴っているんですが大丈夫なんでしょうか・・・
「Twenty Seven 前編」の映像自体はそれほど恐怖感の強いものではなく、やや不気味と言った程度のものです。
メイン以外の映像はリプレイでも分からないというほどの映像はありませんが、小粒感のある映像が大半で、『犬の散歩』が抜きん出ているものの総合的には平均的と言った所でしょうか。
そんな本作でお薦め出来る映像としては『犬の散歩』『タクシー』辺りかと思います。