【ほん呪】ほんとにあった! 呪いのビデオ #38【感想】

2010年 60分

7 out of 10 stars (7 / 10)
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シリーズ監視カメラ 雑居ビルの廊下

古いオフィスビルに設置された監視カメラの映像。ある日の朝、廊下が水浸しになっているという不可解な出来事が起こった。管理人が映像を確認してみると、廊下を誰も歩いていないのに窓には廊下を歩く男の姿が…。

感想

恐怖度:4 out of 10 stars (4.0 / 10)
衝撃度:4 out of 10 stars (4.0 / 10)
不気味度:5 out of 10 stars (5.0 / 10)
奇妙度:5 out of 10 stars (5.0 / 10)
Average:4.5 out of 10 stars (4.5 / 10)

ビル管理会社に勤める投稿者からの映像です。
ある古いオフィスビルで、朝に廊下が水浸しになっている事があったのだそうです。
投稿者は原因を調べるため、前夜の監視カメラ映像を確認した所、原因は突き止められなかった物の奇妙な部分を見付けたと言います。
誰もいない廊下の窓に、スーツ姿の男性が歩く光景が映り込んでいます。
窓とは言え、男性の姿はハッキリ映り込んでいるのが見え、不気味な印象を受けます。
また投稿者が入社する以前に入居していたある会社の社長が、資金繰りに困って首吊り自殺していたのだそうです。
ただ廊下が水浸しになっていた件との因果関係は定かで無い様です。

夜景

デートで夜景スポットに行ったという投稿者のカップル。ベンチに座ってカメラを写していると遠くの方に女性と思われる奇妙な人影が見える。肉眼で見ると消えている。そして急に自分の足首あたりを気にする彼女…。

感想

恐怖度:7 out of 10 stars (7.0 / 10)
衝撃度:8 out of 10 stars (8.0 / 10)
不気味度:6 out of 10 stars (6.0 / 10)
奇妙度:5 out of 10 stars (5.0 / 10)
Average:6.5 out of 10 stars (6.5 / 10)

投稿者カップルがデートで夜景スポットに行った時の映像です。
投稿者たちはその夜景スポットで、ベンチに座って談笑をしていた様です。
そして会話の合間に、投稿者が前方に広がる夜景の方へカメラを向けると、女性らしき人影がハッキリ映り込んでいます。
投稿者も気付いてカメラを逸らしますが、肉眼で確認しようとした模様です。
すると人影はいなくなっていた様です。
気を取り直したかの様に会話を続ける投稿者たちですが、彼女が足元を気にしている様子なのでカメラを下に向けると、ベンチの下から女性らしき顔が出てきてカメラを睨みつけています。
この時投稿者彼女は足首を掴まれる様な感覚があったのだそうです。
最初の女性らしき人影でもそれなりにインパクトがあるのですが、更にインパクトの大きい物が映り込む二段構えの映像となっています。
またこの後調査した結果、夜景スポット周辺では女性が被害者となった様々な事件があることが分かったそうです。この夜景スポット周辺は治安がよろしく無い模様です。
そういった事からこの2つの人影が同一人物かどうか定かで無いと言えそうです。

大学ゼミ

投稿者が所属する大学ゼミの研究発表の様子を記録した映像には、不可解な現象が写っていた。後日、映像の中で研究発表をしていた女学生が、春休みに自分のアパートで首つり死体で発見された…。

感想

恐怖度:5 out of 10 stars (5.0 / 10)
衝撃度:5 out of 10 stars (5.0 / 10)
不気味度:7 out of 10 stars (7.0 / 10)
奇妙度:8 out of 10 stars (8.0 / 10)
Average:6.3 out of 10 stars (6.3 / 10)

投稿者が所属する大学ゼミでの研究発表
の模様を撮影した映像です。
映像では発表を行っていると思われる、女子学生が話しているのが映っています。
しかし突然、映像の上半分が赤く染まり、女子学生の首が頭部が離れて映るという気味が悪い有様となります。
この女子学生は、後の春休み中に自宅アパートで首吊り死体となって発見されたそうです。
遺体は発見が遅れた為か腐敗が進み、ロープで首が千切れ頭部が離れた状態だったそうです。
その為映像はこの事を暗示していたと考える事が出来そうです。

狂死のビデオテープ 暗躍

我々製作委員会に脅迫を繰り返す「心霊博士」と名乗る人物。その後、彼が急遽亡くなりその娘から呼び出しを受ける取材班。娘は、小田という人物が家に尋ねてきて父が集めた心霊映像を渡せと脅迫されたというが…。

調査パート感想

前巻の『続・胎動』から続きとなります。
心霊博士浅野氏の娘を名乗る女性と接触した伊月演出補。
浅野氏の娘を名乗る女性恭子氏によれば浅野氏は元々大学院にいたが、オカルトへ強い関心があり、そちら方面の研究をしようとするも、それは認められず大学院を辞める事になった為、予備校講師の職に付いて独自に研究や心霊映像の収集を行っていたそうです。
しかし予備校講師の職も失った事で精神を病んでしまい命を断った様です。
恭子氏の発言はぼかしていますが、その後のナレーションで自殺と言っています。
また自殺したのは、スタッフルーム前に鳥の死骸が置かれた翌日だそうです。
疑問なのは予備校講師の職を失ってもまた求職活動すれば良さそうなのに、何故精神を病んだり自殺するまでに至ったのでしょうか。
失職そのものより、予備校の生徒にオカルトをケチ付けられた上に、トラブルになって失職に至ったという経緯がショッキングだったという可能性もあるかも知れません。
そして浅野氏が亡くなって数日経つと、小田と名乗る人物が、浅野氏のテープを渡すよう要求してくる様になったそうです。
何の権利があって要求しているのか分かりませんが、小田の要求はしつこく恭子氏の母親がノイローゼになってしまった為、引越す羽目になったと言います。
普通に恐喝で訴えても問題なさそうですが、警察に届け出なかったのでしょうか。
そして恭子氏が言うには、浅野氏は亡くなる前日に、持っていたテープを全て焼き捨ててしまって手元にテープが無いので、小田の要求に応じる為に浅野氏が投稿したテープを渡して欲しいと言います。
結局、恭子氏も製作委員会に要求している訳ですが、伊月は投稿映像は原則譲渡はもちろん返却にも応じていないと返答します。

スタッフルームに戻ったスタッフ一同は、恭子氏にテープを渡すか話し合いますが、児玉が本人では無い遺族への返却には応じられないと述べます。
そもそも本人であっても返却には応じていないのでは、という気もしますが。
しかし返却に応じない代わりに小田へのインタビューを行い話を聞く事で対応する事にします。

そして小田が住むアパート付近までやって来たスタッフ一同。
児玉は長田に対して小田の部屋を訪問するよう指示しますが、長田は躊躇します。
そこで伊月が小田を訪問し、外へ連れてきますが、断片的にしか話が噛み合わないと感想を述べます。
この小田と言う人物は唾だか痰だかを常に手元の缶に吐き出していて、生理的嫌悪感を誘います。
そしてインタビューが始まり、長田がテープを要求している件について質問するも「頭が回らない」「足らない」などと意味不明な事を言い続けます。
これに関しては話をはぐらかそうとする見方もあるようですが、考えすぎと思われます。
児玉が横から質問を挟んだりするも状況は変わらず、その状況を見かねたのか伊月が「ダメじゃ無いですか?」と口を挟むと、小田が反応し「ダメじゃない」と激昂し伊月に唾を飛ばして去って行きます。

その後スタッフルームに戻り、監視カメラの映像を確認した所、前巻でスタッフルームに襲来した人物は小田であろうという妥当な結論が出たようです。
むしろ他に誰がいるのかと思ってしまいます。しかし監視カメラの映像を見返した際に不可解な点に気付きます。

映像感想

恐怖度:1 out of 10 stars (1.0 / 10)
衝撃度:1 out of 10 stars (1.0 / 10)
不気味度:2 out of 10 stars (2.0 / 10)
奇妙度:2 out of 10 stars (2.0 / 10)
Average:1.5 out of 10 stars (1.5 / 10)

前巻で小田らしき人物がスタッフルームに襲来し、板倉演出補を突き倒して去って行くのが問題の場面です。
ドアから立ち去ろうする小田の影が壁に写っていますが、それが不自然に大きく写っていると言うだけの物です。

焼身自殺

公園でバーベキューをしながら仲間の誕生日祝いを記録した映像。背後に誰もいないはずのベンチの下から黒い手のようなものが現れる。手の色から明らかにこの世のものとは思えないのだが…。

感想

恐怖度:1 out of 10 stars (1.0 / 10)
衝撃度:2 out of 10 stars (2.0 / 10)
不気味度:3 out of 10 stars (3.0 / 10)
奇妙度:3 out of 10 stars (3.0 / 10)
Average:2.3 out of 10 stars (2.3 / 10)

投稿者たちが仲間の誕生日を祝うため、公園でバーベキューした時の様子をデジカメで撮影した映像です。
公園でのバーベキューと言う事ですが、一見した所住宅地の中にある公園といった雰囲気の場所で、こんな所でバーベキューするのは迷惑では無いかと思ってしまいます。
そしてそんな中、画面の端に映るベンチの下から黒い手が伸びる様子が見えます。
何でもかつてこの公園でホームレスの焼身自殺があったそうで、タイトルが派手なだけに拍子抜け感もあって、より地味に思えます。

吹奏楽

中学の吹奏楽部の演奏会の様子を記録した映像。業者が撮影し配布されたテープなのだが、その不可思議な映像は投稿者のみのテープに起こった現象だった。それは、女性司会者が壇上から去ろうとしたその時に…。

感想

恐怖度:5 out of 10 stars (5 / 10)
衝撃度:7 out of 10 stars (7 / 10)
不気味度:6 out of 10 stars (6 / 10)
奇妙度:6 out of 10 stars (6 / 10)
Average:6 out of 10 stars (6 / 10)

ある中学校の吹奏楽部が演奏を披露しているのを撮影した映像です。
テープは業者が依頼を受けて撮影、編集を行い生徒や父兄に配られたのだそうです。
娘が吹奏楽部に所属していたという投稿者が、久々に映像を見ていた所不可解な箇所に気付いたそうです。
壇上で司会の女生徒がお辞儀をした際、その背後から人の顔が現れます。
女性のようにも見えるその顔はハッキリ映り込んでいて、なかなかインパクトがあります。
学校から配布されたテープに、こんなのが映り込んでいたら騒ぎになりそうですが、何故か投稿者の所有するテープにのみ映っている様子です。
しかも久しぶりに見て気付いたと言う事なので、後から映像が変化した可能性もあると言う事になります。
そうすると映り込んだ顔は投稿者に何らかの因縁があるのでは無いかという気もしますが、詳細は全く分かってない様です。

黒死女

彼と長野の温泉旅館に泊まった時の映像。朝早く起きてしまった投稿者は、彼の寝顔を撮ったり、ちょっかいを出したりして遊んでいた。そして彼の布団を剥がしたその時、奇妙な黒い顔がこちらを睨んでいた…。

感想

恐怖度:6 out of 10 stars (6 / 10)
衝撃度:6 out of 10 stars (6 / 10)
不気味度:6 out of 10 stars (6 / 10)
奇妙度:6 out of 10 stars (6 / 10)
Average:6 out of 10 stars (6 / 10)

投稿者が彼氏と温泉旅館で宿泊した時に携帯で撮影した映像です。
なかなか起きない彼氏を起こそうと、投稿者が布団を剥がした所、黒い顔が現れて投稿者を睨みつけているのが映り込んでいます。
布団の下から現れるその顔は、不気味でインパクトもあります。
そして気付いた投稿者が少し離れて声を上げています。
彼氏が起きた時には顔は消えていた様ですが、彼は前夜夢見が悪く寝付けなかったそうで、その為起きられ無かったのだとか。
この映像は投稿者が旅館で聞き込みをしたようで、以前あった旅館の経営者女性が経営難で自殺したという話がある様です。

狂死のビデオテープ 続・暗躍

異常な事が二つ起こった。委員会のスタッフルームのドアに“テープ全部と交換”と書かれた謎の文句。さらにスタッフの携帯電話に残された「心霊博士」の娘からの留守録“あなた達がテープを渡してくれないからですよ”…。

調査パート感想

恐怖度:1 out of 10 stars (1.0 / 10)
衝撃度:1 out of 10 stars (1.0 / 10)
不気味度:2 out of 10 stars (2.0 / 10)
奇妙度:2 out of 10 stars (2.0 / 10)
Average:1.5 out of 10 stars (1.5 / 10)

スタッフは心霊博士こと故・浅野氏が職を失う前に同僚だった、予備校講師の協力を得て、かつて浅野氏の授業を受けていた女性から話を聞きます。
話の内容は、どうやら浅野氏が職を失うきっかけとなった日の授業らしく、日本史の授業をしていた際の事だそうです。
授業中オカルト話を雑談しだした浅野氏はその内容を板書までするという、紛らわしい事をした為、途中まで雑談と気付かずノートを取っていた様です。
その内容は戦時中関東地方のある村で、徴兵逃れをした村人がいたが憲兵に捕まり、軍人に拷問され死亡してしまう。
しかしその後拷問をした軍人は気が触れて死亡し、軍人の一族にも不幸が襲ったそうで、関係者は死亡した村人の祟りと噂したという事だそうです。
生徒たちはここで雑談と気付いたそうですが、後に『胎動』の撮影者となる生徒が怒り出し、浅野氏ともみ合いになった様です。
浅野氏の紛らわしいオカルト話が気にいらなかったにしても、もみ合いにまで行くのはやり過ぎでは無いかと思われます。

また浅野氏は授業中に映画『リング』の話をした時、見たら狂い死ぬビデオを持っていると言ったそうです。
このシリーズは本当に『リング』好きですねと言ったところですが、あちらは元祖呪いのビデオなので当然と言えます。

その翌日、スタッフルームのドアに何か書かれていますが「テープ全ブと交カン」と読める文面になっています。
そして恭子氏の携帯から長田の携帯に留守電が入っていて、「あなたたちが・・・テープ渡してくれないからですよ・・・」と録音されていました。
ドアの文面の留守電は関係があると見られますが、だからといっていきなり恭子氏が小田に拉致されたという結論になるものでしょうか。
そしてスタッフが話し合い、長田は留守番し伊月と児玉がビデオを持って指定された場所へ向かう事にしました。

映像感想

今回の取材中、伊月と恭子氏が話している場面で不可解な現象が見られています。
この事象は編集スタッフの大杉氏が気付いたのだそうですが、これまで気付いたスタッフの名前が出るような事はほとんど無かったのに、今回に限り大杉氏の名前が出たのは注目すべき点と言えそうです。
そして映像ですが、伊月と恭子氏が座っているベンチ裏に黒い影が動いているのが分かります。
しかし非常に地味で初見では分かり難いと思われます。

まとめ

本作のメインパートは心霊博士に関する長編の続きとなっています。
浅野氏が話した軍人が狂い死にしたという事件と、軽く話された「見たら狂い死にするビデオ」がタイトルである『狂死のビデオテープ』に繋がりそうな展開です。
しかし女性の拉致という普通に考えて警察沙汰な事態が起こったとしても、それを通報せず自力で何とか解決しようとするのは如何なものかと思ったりもします。

今作は映像の平均的な質は高く個人的には『夜景』『大学ゼミ』がおすすめですが、それ以外でも『吹奏楽』『黒死女』も巻によっては十分おすすめ出来ます。