2011年 60分

目次
クラシックバレエ
稽古場でバレエを練習している女性を記録した映像。練習中に突然、消える照明と途切れる音楽。再び明るくなると稽古場の鏡の中、何者かが女性に近づいている。しかしその姿は鏡の中だけにしか映っていないのだが…。
感想
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差出人などが記載されていない映像ですが、消印から熊本県からの投稿と見られている様です。
投稿されたテープに添えられたメモには、ある病院の廃墟に行った際、そのロッカールームに残されていたテープだと記されていた模様です。
よくも廃墟に残されていた得体の知れないテープを持ち帰って見る気になった物だと思ってしまいます。
そのテープにはクラシックバレエの練習をしている女性が映っていて、鏡には三脚に乗ったカメラが映っている事から、女性が撮った物と見られています。
その練習中に突然照明が消えます。
少し経ち照明が点きますが、戸惑う女性の背後の背後に、鏡の中で同じような服装の女性が接近している様子が短期間だけ映ります。
背後から忍び寄っているのは鏡の中だけなので、かなり気味が悪いと感じる所ではあります。
そして再び暗転し女性の悲鳴が聞こえた後、何故か念仏が流れます。
何故念仏なのかという疑問が出てきそうではありますが、それまで流れていたのがバレエの練習だった事を考えると雰囲気がややかけ離れている感は拭えません。
とは言え、映像全体を通して見ると不気味でインパクトもあると言えます。
ひとりかくれんぼ
ネットで話題のひとりかくれんぼの様子をおさめた映像。室内に置かれていた砂嵐状態のテレビ。投稿者はビデオカメラをテレビの方に向けて儀式を記録しようと試みる。ところがその砂嵐には不可思議な人影のようなものが…。
感想
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冒頭、スタッフルームの様子が映され、投稿映像の中には、一度は採用されなくとも日の目を見るケースもあるといった内容のナレーションが入ります。
投稿者がひとりかくれんぼと呼ばれるネットで当時話題だった降霊術を行った際の映像です。
ひとりかくれんぼを実施する際はTVを砂嵐にするとされ、投稿者もその通り行った様で、また砂嵐に異常が起き安いとの事から、投稿者はカメラを砂嵐に向けていたそうです。
そして映像ですが、砂嵐を映すTVに向けていたカメラが倒れます。
それからカメラを止めようと投稿者が近付いて来た際に、TVに歩く人影が映ります。
投稿者の影かとも思えますが、投稿者がカメラの前で立ち止まっても動いている様子が見て取れますので、違うらしい事が分かります。
分かり難いという程ではありませんが、地味な映像という印象を受けます。
しかし投稿者へのインタビューした後、投稿者宅で取材する予定だったのが、投稿者と音信不通になってしまったそうです。
冒頭のナレーションを鑑みるに、取材出来なかった為一旦お蔵入りになった物と思われます。
しかしその後別の投稿者から同じ映像が投稿されたそうで、こちらの投稿者からもインタビューします。
投稿者によれば以前清掃のバイトしていた時、あるアパートの部屋にあるトイレのタンクに入っていたそうです。しかもビニール袋とテープで何重にもグルグル巻きにされていたそうで、封印でもしていたのかと思ってしまいます。
テープを発見した投稿者ですが、本来なら届け出ないと行けない所をつい持ち帰ってしまったのだとか。
投稿者は映像の最後に人影と人が映っていたが、ある得ない感じだったと話します。
人影はTVに映っていたので分かりますが、人とは?撮影者(最初の投稿者)を指しているのでしょうか。
そしてスタッフが以前同じ内容の映像が投稿されていた事を説明し、部屋の様子について訪ねます。
音信不通になった撮影者について何か分かるかも知れません。
投稿者からの返答は、部屋には人はなく家具などが残されていて死んだか夜逃げしたような感じというものでした。
今回は前者の可能性が高そうです。
そして再度映像が流されますが、直前に映像の長さが異なっていたと説明されます。
そして2本目の映像には続きがあり、カメラを止める撮影者の背後に人影が映り込んでいます。
その人影は結構ハッキリ映っていて、1本目の地味な映像との差で余計にインパクトが大きく感じます。
ただ砂嵐に注視していると気づき難いかも知れません。
ちなみに当然ながら、撮影者が映像を短くして投稿した意図は不明だそうです。
霊域
大学生の投稿者がサークルの合宿で撮影したという映像。はしゃぐ学生の後の宴会場の壁を人の形をした白いものが横切っていく。さらに学生達の座っているテーブルの下には赤い手のようなものが見え隠れするのだが…。
感想
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大学生の投稿者が、サークルの合宿で撮影したという映像です。
詳しく説明はありませんでしたが、合宿所の広間で余興か何かに興じているように見えます。
そして広間の壁に白い人影が横切るのが見え、その後カメラが右に振られる際、テーブルの下に赤い手の様なものが映り込みます。
2つある事象のうち、1つは投稿者が指摘したものでもう1つはスタッフが見付けたのだそうです。
どっちがどっちと名言されていませんが、多分分かり難い赤い手がスタッフの発見と思われます。
ただどちらも地味な印象です。
投稿者が知り合いの占い師に見て貰った所、合宿所がある場所はあの世とこの世が接する場所である霊域なのだそうで、深夜不気味な泣き声を聞いたというメンバーが相次いだそうです。
巨女
友達と温泉にいき宿泊したときの映像。お酒に酔った勢いでボクシングのまねごとをして遊ぶ若者たち。そのワンカットの中、奥の敷居板の上を髪の長い何者かがやってきて不気味な顔を覗かせているのだが…。
感想
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投稿者が仲の良い友人たちで温泉地に旅行に行き、コテージ風のホテルに宿泊したときの映像だそうです。
投稿者たちは酒を飲みつつゲームに興じていたようですが、そのうちボクシングの真似事らしき遊びを始めます。
そうすると画面に僅かなノイズが入った後、画面奥の仕切り壁の上に大きめな女性の顔がスライドして現れます。
存在感あるその顔は不気味でインパクトも充分と言えます。
アメリカの友人
アメリカにいる友人とのビデオチャットの会話を記録した映像。話の途中、床や壁をたたく音が聞こえてくる。だがその音は友人には聞こえていない様子。音が止むと画面は白黒になり友人の首をつかむように腕が現れてくる…。
インタビュー
投稿者インタビュー→映像→調査パートと変則的な構成になっています。
投稿者はアメリカ留学している友人とビデオチャットで会話していて、友人の背後に何か映っているのを目撃したため録画したそうです。
それから会話中に物音が聞こえ、それについて話していた所、手が現れて友人が消えてしまい、そのまま行方不明になったのだそうです。
友人の両親がアメリカに渡るも手掛かりは無かったと話す投稿者に、長田が友人の両親に映像を見せたか訪ねます。
それに対して投稿者は内容が内容なので見せられなかったと返答しますが、質問の意図が少し気になります。
そして映像が紹介されます。
映像感想
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途中から録画された映像だそうですが、よほど長話だったのでしょう。飛び飛びで会話を流します。
物音が聞こえますが、投稿者の話から感じたイメージと違い、単に壁や床を殴っている音に聞こえます。
この音はどうとでもなりますが、投稿者しか聞こえていない様子です。
そして投稿者と友人が音について話していると、不意に映像が白黒になり友人の背後から右肩越しに手が回されると友人と一緒に消えてしまいます。
神隠しの瞬間といった様相の衝撃的な映像です。
調査パート感想
編集スタッフである庄司が友人らと飲んでいる時、その席にいた友人の友人が、アメリカ留学していた知人がいて、人が消える現場に居合わせたという話です。
そこでスタッフは庄司の友人らを経由して取材の約束を取り付けます。
そして当日、その人物の自宅付近にある公園でインタビューを行います。
アメリカ留学していた人物である女性は、シカゴの大学院に留学していて、ある日寮住まいの友人を訪ねたそうです。
友人の部屋で会話していると、上の階からドスンドスンという物音が聞こえ、それから女性の悲鳴と窓ガラスが割れる音が聞こえたので駆けつけると、寮の学生が集まっていて部屋の住人はいなくなっていた様です。
消える現場に居合わせたと言っても、実際に消える現場にいた訳では無いようですね。
もし実際人前で消えていたいたなら、あちらは神隠しも大胆なんだなと妙な感心をする所でした。
話によれば部屋の住人は女性で、窓ガラスの下に人はなく、住人女性はそれ以来行方不明だそうです。
またその寮は数年に一回人が消える事から悪魔が噂されている模様です。
ただ窓ガラスが割れる音が聞こえたという話は気になる所です。
明言されていませんが、実際に割れていたなら拉致の可能性が高いのでは無いでしょうか。
それと悪魔という表現はいかにもアメリカっぽいという印象を受けました。
そして女性から留学していた大学と事件があった寮の名前を聞き出し、後に投稿者に確認した所、投稿者友人が留学していた
大学や寮と同じである事が判明した事などが説明されます。
シリーズ監視カメラ 残像霊
元キャバクラを経営していたという投稿者。当時、店内を監視カメラで記録していたときの映像。コンパニオンがお客を見送るためテーブルから立ち上がる。しかし彼女が去った後も彼女の足だけがテーブルの下に取り残されていた…。
感想
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投稿者は50代男性で、かつて東北地方のある都市でキャバクラを経営していたそうです。
経営難で畳んだというその店で、トラブル防止の為に設置していたという隠しカメラの映像です。
サラリーマン風の男性客2人に女性コンパニオン2人がついて接客している様子が映っています。
右側の男性は大分酔っているのか、眠たそうな様子が見えます。
そして客が退店する時、コンパニオンも見送りの為席を立ちますが、左側に座っていたコンパニオンの足だけがテーブルの下に取り残された様に映っていて、少し経つと引っ込む様に消えます。
何とも奇妙な印象を受けますが、残像が残る現象はその人物にとり憑いている存在が悪意を持っていたずらしているとして、この女性も後に店を辞めその一年後病死したと説明されます。
見た目は地味ですが、意外と悪質だったという事なのかも知れません。
出生祝い
都内に住む中学生の女性から投稿された映像。祝詞を読む神主、そして神前で頭をたれる投稿者の家族。その背後に薄い水色の着物を着た女性が座ろうとしている。その姿は透けておりとても現世に存在しているとは考えられないのだが…。
感想
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都内に住む女子大生から投稿された映像です。
20年以上前に行なった出生祝いの映像だそうですので、投稿者が生まれた時の物かも知れません。
神社拝殿内で神主が祝詞を読んでいる際、その後方に水色の服を着た女性が座ろうとする姿が映り込みます。
女性の姿は透けてはいるものの、ハッキリしていて存在感があります。その為か分かり易いのですが、やや浮いている印象もあります。
パントマイム
友人のパントマイムを行う姿を近くの公園で撮影した映像。パントマイムの途中、ビデオカメラの動画が静止画の状態でフリーズ。しばらくして正常に動き出すと友人の背後に突然、人の形をした白いものが揺れて動いているのだが…。
調査パート感想
都内に住む大学生から投稿された映像です。
投稿者の友人がパントマイムする様子を撮った映像だそうです。
スタッフは投稿者から話を聞きます。
投稿者が言うには友人は大道芸などをしているらしく、そんな友人からパントマイムの映像をアップしたいので、撮影して欲しいと頼まれたそうです。
投稿者は結婚式場で撮影のバイトをしていて、自宅に会社のカメラや三脚といった機材を置いていた為、それを使って近所の公園で撮影する事にしたそうです。会社の機材を勝手に私的利用するのは如何な物かと思ってしまいます。
撮影当日、昼に撮影予定だったのが友人がバイトだったため、夜に公園の明るい場所で撮影を開始したと言います。
しかし途中で白い人影が揺れているのを捉えてしまい、驚いて撮影を止めてしまったとの事です。
投稿者はその事を言えず、カメラの故障という事にして解散したそうですが、その直後から友人と音信不通になったと言います。会社のカメラを壊したと思って怖くなったとかいう可能性も0では無いと思われます。
友人は大学を休校し、電話も解約と連絡手段を断った様です。大学の事務局に実家の連絡先を訪ねた所、個人情報保護を理由に断られてしまったのは仕方無い事でしょう。
そして投稿者は投稿した理由を、映像が広まる事で友人が見たら連絡して欲しいからと語ります。
スタッフが公園の謂わくなどについて知っているか尋ねますが、投稿者は知らない様です。
そして公園へ向かいますが、投稿者は映像の影響で近づきたくないのか、途中まで道案内して帰ってしまいます。
撮影現場である公園に到着しますが、そこは都心の住宅地にありがちな小さめな公園といった印象の場所です。とは言ってもほぼモザイクなので雰囲気でですが。
スタッフが公園に関する調査を行なった所、公園で過去にあった事として10数年にホームレスらしい男性が凍死した1件のみとします。しかし睡眠薬を服用していたらしく自殺の疑いもあると見られている様です。
スタッフはこの件を図書館にあった古い新聞で見付けたそうですが、聞き込みなどの現地調査は行わなかったのでしょうか。聞き込みの様子を軽く流す程度の事もありませんでした。
そしてホームレス男性の件を投稿者に報告するスタッフ。友人に関する事ならともかく、撮影現場で見知らぬホームレス男性が亡くなってたと聞かされても困惑しそうな気がします。
しかしその後、投稿者から連絡があり再度話を聞く事になります。
それによれば、以前友人と予備校講師のバイトで夏の合宿に参加した時に、友人が父親に関する話を聞かせたのだそうです。
何でも友人は幼い頃に父親が女を作って家を出て行ったのだそうです。そして小学校の頃、父親が東京で自殺したと連絡があり母親が引き取りに行ったそうです。
友人の父親は自殺する頃には放浪していてホームレス同然だったそうです。
そこで投稿者は撮影現場で亡くなっていたホームレスというのは、友人の父親では無いかというのは考え過ぎだろうかと伝えます。
そういう可能性ももちろんありますが、それでは話が出来過ぎではという気もします。
そしてスタッフは投稿者の推測を裏付ける為の調査を行なった様ですが、ホームレスのニュースに続報は無かった様で、亡くなったホームレスの名前は警察しか知り得ないだろうとして、映像に移ります。
映像感想
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投稿者の友人がパントマイムしている様子を映しています。
しかし映像は突然フリーズしたように止まります。
映像は止まり、ノイズが入っていますが投稿者と友人の話し声は入っています。
そして程なく映像が再び動き出した時には、カメラ付近に寄っていた友人の斜め後方で白い影が蠢いているのが見えます。
しかし影はハッキリ映っているのですが、真っ白という事もあってイマイチ恐怖感が伝わりにくい印象があります。
まとめ
本作は現時点でシリーズ最長である児玉演出作品最後の巻となっています。
特に何かあるというわけではいう訳ではありませんが、映像的には見応えはあると思います。
またこれといったメインパートが無い代わりに、『アメリカの友人』『パントマイム』に的を絞って尺を割いているという作りになっているのも特徴と言えます。
そんな本作のおすすめですが、『クラシックバレエ』『巨女』『アメリカの友人』と思います。