2012年 65分
総評: (6.5 / 10)
目次
シリーズ監視カメラ 漂流する写真
投稿者の自宅内を撮影した監視カメラの映像。半年前に引っ越してきたというマンションの台所側から、いつも誰かの視線を感じるのだという。設置したカメラの映像を見てみると雑誌が勝手に落ち、不可解な女性が映っていたのだが…。
感想
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投稿者が自宅キッチンに設置したという監視カメラの映像で、映像には一枚の写真が添えられていたそうです。
何故自宅内に監視カメラかと思ってしまいますが、投稿者は新築の家具付きマンションに入居したものの、異変があった為監視カメラを設置した様です。
その異変というのはキッチンから視線を感じたり、キッチンの物が移動したり床に落ちたりといった事が相次いだ為の様です。
映像ですが、キッチンカウンターの上に置いてあった雑誌が床にずり落ちた後、カウンターの裏側から女性らしき人影がカメラの方へ近付いて来ます。
その人影は半透明ながらも動きが分かる程度にハッキリ映り込んでいます。
カウンターをすり抜けてカメラ前付近までやって来た人影は、画面左側に置かれた食器棚の方へ向きを変えて消えていきます。
そこで投稿者が食器棚を調べた所、裏から一枚の写真が出てきたので同封したそうです。
その写真は神社の境内で撮られたと思しき白黒写真で、大きな石灯篭の前に女性が立っています。
パッと見て、女性の顔をボカシているのかと思いましたが、どうやら女性の頭部が消えて映っている様で、心霊写真と見られます。
この後スタッフがマンションの管理会社や施工に関わった会社に対して調査するも成果は無かったという報告があります。
映像と同等に、新築マンションに謎の心霊写真が紛れ込んだというエピソードの不気味さが印象的と言えます。
クラクション
恋人と夜景の見える場所へドライブに行ったときの映像。夜景を楽しんで駐車場に戻ると突然、投稿者の車のクラクションが鳴り響く。二人は動揺しながらも車に近づくと車の下に男とおぼしき頭部が覗いているのだが…。
感想
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投稿者は彼女と一緒に、ネットで見つけた夜景スポットにデートに訪れたそうです。
夜景を楽しんで帰ろうと、駐車場まで戻ってきた投稿者カップルはどこからともなく鳴ったクラクションの音を聞きます。
クラクションがどこで鳴ったのか疑問に感じている様子の投稿者カップルですが、それほど気にしてない様子の投稿者が車の前に立ってカメラを下ろすと、車の下から顔が現れます。
その顔は逆さに映っているため一見分かり難くですが、子供の顔らしい事が分かります。
またこの駐車場では過去に子供が轢かれて亡くなるという事故が起こっているそうです。
タロット占い
バイト先の友人達との飲み会の席で撮った携帯映像。タロット占いに凝っているという友人に占ってもらったのだが、三枚目のカードをめくるとふいに赤い光のようなものが画面を覆うのだった。そのカードには鎌を持った死神が描かれているのだが…。
感想
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投稿者女性がバイト先の友人たちと、部屋で飲んでいるらしい様子を携帯で撮影した映像です。
友人の一人がタロット占いを出来るとの事で、別の友人が占って貰っていた様です。
しかしその占いの中、炎の様な物が数回映り込み、啓かれたカードで死神のカードが出てきた辺りで顔の形を取って消えていきます。
炎が映り込んでいる内は地味な印象ですが、最後の顔はいくらかインパクトがあります。
またこの時占って貰っていた友人は、後に駅のホームから転落し、電車に轢かれて亡くなったそうです。
ビジネスホテル
カップルが東京観光で訪れたときに泊まったホテルの一室での映像。浴室の方を映したとき、閉じていたはずのドアが開き光りがもれている。浴室の電気を消し部屋に戻ると、恋人の背後には裸の半透明の女性が立っている…。
感想
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地方在住の投稿者が彼女と一緒に東京観光した際に撮影した映像だそうで、宿泊したビジネスホテルの室内での映像です。
ベッドで寝そべってガイドブックを見ている彼女と予定について会話している投稿者ですが、不意にトイレのドアが薄っすらと開いていて明かりが漏れ出ているのに気付きます。
投稿者はそれは見て、やや慎重な様子でトイレのドアを開け放ちますが、その途端室内の照明が落ちます。
投稿者がベッドにいる彼女を見ると、その隣に薄っすらとした女性らしき人影が映り込んでいます。
その人影は全裸にも見えますが、気付いた投稿者がカメラを放り出して逃げ出してしまった為、映っている時間は短いと言えます。
そして彼女も投稿者を追って出て行った為、無人となった室内に残されたカメラに女性の含み笑いと思しき音声が収められます。
人影といい音声といい、やや不気味な印象を受けますが、何故ビジネスホテルに全裸の女性なのかとか投稿者は彼女を置いて逃げた事がバレたりしなかったかとか、そう言った疑問も出てきたりする映像です。
ホームレスの遺品
ボランティアでホームレスの支援活動をしているという投稿者が、凍死した老人の遺品のビデオから見つけた映像。家族と思われる者たちがうつる映像のはざまに、突然砂嵐のようなノイズが起き巨大な顔と不気味な声が映し出されているのだが…。
感想
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投稿者はホームレス支援を行っている人物だそうです。この前年の冬、投稿者が受け持つ地区に住んでいた70代のホームレス男性が凍死したのだそうです。
投稿者がそのホームレスの遺品を整理していた際に見つけたテープに収められていた、短い映像はホームレス男性が撮ったと思われる家庭内や子供たちの映像となっていて、ホームレス男性がかつて撮った物と思われます。
しかし映像の最後に、顔らしき物が映り込むと、小声で「許さない」という音声が入ります。
ここまでは少し分かり難いかも知れませんが、その後ノイズが入り、それに混じって多数の目が映り込み、その箇所は一目で分かる物となっています。
ホームレス男性はかつて事業に失敗し、家族と無理心中を図るも自分だけ生き残り、務めを果たした後はホームレスになったのだそうです。
ホームレス男性の転落と悲哀を感じさせる映像と言えなくもないと言う印象でした。
生き人形遊び
投稿者が生き人形遊びという降霊術を行ったときの映像。深夜12時、向かい合わせにした二枚の鏡の真中に日本人形とロウソクを置いて呪文を唱える。 後日見直した映像には、鏡の中に日本人形を覗き込む少女の顔が映り込んでいるのだが…。
感想
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投稿者が「生き人形遊び」と呼ばれる降霊術を行なった時の映像だそうです。
ネットで「ひとりかくれんぼ」より怖い遊びとして見つけ、怖い事が起こる事を期待して、カメラを回したのだそうです。
映像内では投稿者が生き人形遊びをしている場面が映されていますが、その手順は何かの動画で見た「ひとりかくれんぼ」とそっくりという印象でした。もっとも降霊術には興味ありませんのでうろ覚えですが。
そして儀式の最後付近で、人形が鏡に映るようにした状態で撮影し、ロウソクの火を吹き消す直前、鏡に人形を覗き込む様に少女らしき顔が映り込みます。
顔が映っているのは短時間ですが、ハッキリしているので分かり易いと言えます。ただ端正な顔立ちでハッキリしているため、恐怖感は少なめという印象を受けます。
映り込んでいる少女は様子から人形と関連がありそうですが、映り込んでいるのに気付いた投稿者は、人形を神社でお焚き上げして貰ったのだとか。
それなら最初から「生き人形遊び」なんてやらなければ良かったのではと思わずにいられません。
また投稿者はネットオークションで人形を購入したそうですが、スタッフが調べた所、人形の発送元は現存しない場所だったそうです。
嫉妬
投稿者の母親が隠し撮りした定点カメラの映像。母親と男が言い争う姿が記録された映像には、中学生女子の手紙が添えられていた。同級生をイジメていると誤解されている彼女の家に、頻繁に乗り込んでくるその父親のビデオを撮って母親は証拠を残そうとしたのだ…。
感想
本作メインの前編に当たります。
まず冒頭で映像が投稿者宅のリビングを隠し撮りした定点カメラの物と、撮影したのが投稿者の母親である事が述べられます。
そして投稿映像に手紙が添えられていた事もあってか、投稿者から話を聞きます。
女子中学生である投稿者は急死してしまった母親の遺品を整理していた際、母親が使っていたクローゼットからビデオカメラが出て来て、その中に映像が収められたテープが入っていた様です。
中学生で親を亡くしてしまうというのは、今後色々と大変では無いかと思ってしまいます。
映像は母親が男性と話している物で、投稿者が言うには男性は投稿者の同級生に当たる前園(仮名)の父親だそうです。
その前園は不登校になってしまい、それ以来父親がやって来ては不登校の原因についてイジメなどと言いがかりを付けていた様です。
母親が否定しても聞く耳持たず、他の同級生宅に対しても同様な事をしていたそうです。
当事者の証言や根拠も無しにやっていたのであれば、前園父の八つ当たりと言う他無いでしょう。
そしてそんな前園父を訴える為の証拠として映像を撮ったのでは無いかと投稿者は言います。映像が撮られたのは母親が急死する2日前だったそうで、投稿者が言うにはその夜母親は様子がおかしく、夕飯作りながら「いなくなればいい」などと呟いていたのだそうです。
それから投稿者とスタッフのやり取りで、前園は小学の頃優等生だったが、中学に入った頃から急に暗くなりやがて不登校になった。投稿者は前園をイジメた事は無く、前園がイジメられている所を見たことが無いといった事が分かります。
そして父親から話を聞こうと前園宅を訪れた岩澤と川居ですが、生憎留守の様でした。
そこで用件を手紙として書き置きする事にしますが、岩澤は手紙をドアの隙間に挟みます。何故そんな風にと思わずにはいられません。住人の帰宅前に落ちたりしないんんでしょうか。
しかし見ればこの建物の部屋はドアポストがない様子です。それなら集合ポストに入れていった方が良いのではと思います。
そんな手紙でしたが無事住人に渡ったようで、前園の姉と名乗る人物からスタッフルームに連絡があったそうです。一度会って話をしたいそうで、岩澤は何故父親では無く姉かと怪訝に感じている様でしたが、会う事にします。
数日後岩澤たちは前園姉と会って話を聞きます。
妹とは3歳違いの高校2年という前園姉は、本来人に話すべき事では無いと前置きした上で妹や家庭内について話し出します。
(以下より投稿者同級生の前園本人は「前園妹」と表記します。)
前園姉が言うには妹は勉強が得意だったため、有名私立中学に受験するも失敗してから様子がおかしくなったのだそうです。
鬱状態で一日中部屋に引きこもり、深夜に暴れだす事もあるのだとか。
その為家庭は崩壊状態で、父親は妹を助けようと同級生のイジメを疑ったのだそうです。
突然疑われた方は迷惑と言う他ありません。
そして岩澤も実際にはイジメなんて無かったと指摘し、父親の思い込みでは無いかと続けます。
更に鬱と言う事だが治療はしているのか尋ねた所、前園姉は当初は病院の精神科に通っていたが、良くならない為通院を止めて、今は自宅付近にある宗教施設に通っていると答えます。その施設の人物が言うには妹には動物霊が憑いているので除霊しないといけないとの事だそうですが、胡散臭いと言えます。
岩澤も鬱なら宗教施設に通っても意味無いのでは、普通に通院した方が良いのではと指摘すると、前園姉も父親にそう言ったが取り合って貰えなかったとの事です。
岩澤は最後に妹や父親に会って話す事は出来ないかと尋ねますが、前園姉は妹は無理、父親には伝えておくとの返答を得てインタビュー終了となりますが、その直後に数日後父親と会うのは難しいという連絡があったという無情なナレーションが流れます。
それからスタッフは宗教施設について調べますが、WEBサイトには除霊についての記載が無く、電話で問い合わせても除霊は行っていないとの回答だった様です。
そこで施設周辺で聞き込みを行った所、おおっぴらにはしていないが実際には除霊目的で施設を訪れる人は多いと言います。
何でも手足を縛ったりするそうですが、夜になると施設から女性らしき叫び声が聞こえたが、最近は昼夜問わず聞こえるようになったと言います。それは本当に単なる除霊目的なのかという疑問もありますが、女性の叫び声が昼夜問わず聞こえるなどというのは既に警察に通報してないと行けないような事案では無いでしょうか。
スタッフは事件と宗教施設は関連を疑いだします。
しかしその矢先思いがけない事態に直面したという所で続きます。
続・嫉妬
投稿映像に現れた不気味な顔。さらに撮影直後に襲った投稿者の母親の死。我々、取材班はそれらの調査の過程で同級生の姉から話を聞く。中学受験に失敗した同級生はうつ病となり、現在とある宗教施設で除霊を受けているというのだが…。
調査パート感想
本作のメインである『嫉妬』の続きです。
宗教施設を調査しようとしていた岩澤たち。
しかし投稿者から前園妹が亡くなったとの連絡が入ります。
どうやら前園妹は宗教施設から路上に飛び出した所、車に撥ねられたそうです。
この時点では事故か自殺と見られて捜査が行われていた様ですが、後にスタッフが知った所によれば、事故として処理されていた模様です。
そしてスタッフが再度施設周辺で聞き込みを行なった所、前園妹は意味不明な事を喚きながら路上に飛び出した所を撥ねられたそうで、この事から前園妹は錯乱状態であったと推測します。
調査と並行して前園姉と連絡を取ろうとしますが、繋がらない状態が続きます。
そんな中投稿者の紹介で、前園妹の友人だった少女から話を聞く事になります。
何でも前園妹と小学の頃は親友だったそうですが、中学に上がる際に引越した為、前園家の近況などを知らなかった様です。
その友人が言うには、小学校を卒業する少し前に前園妹から相談を受けたのだそうで、その半年ほど前から「受験に落ちろ」といった内容で差出人不明の手紙が届いていたそうです。その手紙は印字された物で、誰が書いたのか分からなかったのだそうです。もっとも手書きするにせよ筆跡は変えてくると思われますが。
そしてその手紙の影響もあったのかも知れませんが、受験に失敗した後は手紙は届かなくなったそうです。
その後姉のノートパソコンを借りていた所、パソコン内に同じ文面のファイルが保存されているのを発見してそうです。その為妹は姉が差出人と考え、更に姉が怖くなり口も利けなくなったのも当然と言えます。
普通に考えれば、妹に手紙を送っていたのは姉でほぼ間違いなさそうですが、姉は何故ファイルを消さなかったのでしょうか。妹以外に見つかっても何の事か分からず、妹に見つかっても問題無いとでも考えていたのでしょうか。
スタッフは姉が妹へ手紙を送ったのは嫉妬心からと考え、映像に映り込んだのも姉の嫉妬の念であったと考えます。
妹の精神が病むまで追い詰めるも、両親は妹の介護に掛かりきりとなってしまい、姉は更に嫉妬を募らせる悪循環に陥っていたと考え、更に投稿者の母が急死したのは前園姉の生霊に取り憑かれた為とも考えている様です。投稿者母が亡くなる前に呟いていたという「いなくなればいい」という言葉も妹に向けられた物では無かったかとも考え、辻褄は合っている様にも思えますが、生霊って憑依とかするんでしょうか。
そして相変わらず前園姉と連絡がつかない状態が続いていた為、再度前園家を訪れる岩澤と川居。
今度は在宅で、前園父が出てきます。
岩澤は前園姉から妹の件で話を聞いていたとぼかして事情を説明し、会わせて欲しいと頼むも当然断られます。
普通の親なら年頃の娘に、良く分からない男性が訪ねて来ても、訝しく思いはしても会わせようとはならないと思われます。そしてしつこく食い下がる岩澤に対し、娘とどういう関係かと訪ねてきます。これもまた父親からすれば当然とも言える台詞ですが、当人が八つ当たりみたいな理由で他人様の家に上がり込む傍迷惑な人物なので説得力に欠ける印象です。
そして前園父は川居が持つカメラに気付くと、近付いて叩き落とし、ドアを閉ざしてしまいます。しかし娘が取材対象なら、まずは川居に応対させた方がもう少し何とかなったのでは無いかという気がします。
いずれにせよ前園家の戸は閉ざされ、この後も連絡取れる事は無く、数週間後に訪問した時は引越した後だったと述べられ、映像が紹介されます。
映像感想
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投稿者宅のリビングで言い争っている投稿者母と前園父。
この時投稿者母が娘が前園妹をイジメていたと言うのですかといった質問をした際、前園父が「多分な!」とキッパリ言い切ったのは笑ってしまいました。「多分」で迷惑被ってはたまった物ではありません。相手次第ではふざけるなとか返してエスカレートしそうです。
それから投稿者母が何故かカメラの前に立ちつつ訴える事を仄めかします。
そして母親がカメラ前から移動すると同時に、前園父の肩越しに前園姉の物と見られる顔が現れます。遠めに映っていますので、この時点では「この程度か」という感想です。
顔はゆっくりとカメラの方へ向きます。
その直後ノイズが走り、カメラに接近して覗き込む様にアップで映り込みます。
アップで覗かれるとかなりのインパクトです。
恐らく今回の場合、隠し撮りで来ているか確認する意味があったのかも知れません。しかしカメラの前に立った事で「相手」に気付かせてしまったと考える事が出来そうです。
まとめ
本巻も前巻に引き続き概ね平均的で、良い意味で安定している印象でした。
ただ前巻との違いは色々な意味でメインが抜きん出ていたという点でしょうか。
スタッフに目を向けると、菊池が登場せず代わりに長田が登場していたのが印象的でした。
そんな本作でのお薦めは何と言ってもメイン映像である『続・嫉妬』でしょう。
次いでは『クラクション』でしょうか。『漂流する写真』のエピソードはかなり気味悪いですが、映像としてみると本作の中では平均程度かとも思われます。