【ほん呪】ほんとにあった!呪いのビデオ72【感想】

2017年 約70分

5 out of 10 stars (5 / 10)
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ベランダ

ある小学生が自宅のベランダに野鳥の巣を作り、巣立ちまでを観察した記録映像。ベランダの柵の向こうから、こちらを覗き込む男性と思しき姿が確認できる。この場所はマンションの3階であり、ベランダの向こうには人が立てる場所などないのだという。だとすると、これは一体、何を映し出したというのであろうか…。

感想

投稿者の弟が自宅ベランダに野鳥の素を作り、巣立ちまでを観察した映像だそうです。
小学生である弟は自由研究として野鳥の餌付けに始まり、巣作りまで行うようになっていたとの事で、夏休みの恒例行事となっていた様です。
そして映像では弟が野鳥の巣を観察しようとした際、ベランダから覗き込む様な人影がはっきり映り込んでいるのが確認出来ます。
ただカメラの野鳥の巣を撮るはずの投稿者が、焦点を無駄にさまよっているのが気になりました。

恐怖度:3 out of 10 stars (3.0 / 10)
衝撃度:3 out of 10 stars (3.0 / 10)
不気味度:4 out of 10 stars (4.0 / 10)
奇妙度:3 out of 10 stars (3.0 / 10)
Average:3.3 out of 10 stars (3.3 / 10)

伝説の自主映画

20年ほど前に撮影された大学の映画サークルが制作したホラー映画の映像。木の枝の奥から人の顔のようなものが、こちらを覗き込んでいるように見える。このカットから3つのカットに渡り、同じ場所に顔のようなものが存在する。しかし、その後のカットからはそれが無くなっている…。

感想

20年ほど前、ある大学の映画サークルが制作したホラー映画の映像だそうです。
この映画には長年語り継がれているいわくがあるといい、当時その映画を制作メンバーだった投稿者に話を聞きます。
何でも投稿者は映像にSEを付ける作業に携わっていて、その作業用にカメラに残されていた映像だとの事です。
ただ映像自体は枝葉の中に顔の様に見えるものが映り込んでいるという、初見で判別するのはやや難しい物となっています。
途中で消えているという不可解さはありますが、シミュラクラ程度のもので、当時監督が錯覚と言ったのも納得できる物で、これを煽って上映したら観客から苦情が来たのではと思ってしまいます。

恐怖度:2 out of 10 stars (2 / 10)
衝撃度:1 out of 10 stars (1 / 10)
不気味度:2 out of 10 stars (2 / 10)
奇妙度:3 out of 10 stars (3 / 10)
Average:2 out of 10 stars (2 / 10)

曲がり角

臨場感ある映像が取れると評判のウェアラブルカメラと呼ばれる小型カメラの映像。このカメラで近所をテスト撮影したとき、曲がり角で突然視界に現れた女性とぶつかりそうになる。慌てて振り返ると先ほどの女性の姿はない。角を曲がる瞬間をスロー再生してみると、カーブミラーのポールの部分に女性の後ろ姿が不自然に現れている…。

感想

ウェアラブルカメラで撮影された映像だそうです。投稿者はこのカメラをネットオークションにて破格の値段で入手したため、不具合が無いか試しで撮影していた模様です。
どうやら投稿者は自転車に乗ってカメラを使用している様子です。
そんな撮影中、曲がり角で突然現れた女性らしき人影に驚く投稿者ですが、回避した直後に止まって振り返っても女性の姿は影も形もない。
その後投稿者が帰り、カメラを停止しようとした際、背後に女性らしき人影が映り込んでいます。
これは投稿者に付いて来たという事でしょうか。
その表情は真っ白な顔に虚ろな黒い目となっていてPart23『廃神社』を思わせるインパクトがあります。

恐怖度:6 out of 10 stars (6.0 / 10)
衝撃度:7 out of 10 stars (7.0 / 10)
不気味度:5 out of 10 stars (5.0 / 10)
奇妙度:5 out of 10 stars (5.0 / 10)
Average:5.8 out of 10 stars (5.8 / 10)

おくりもの 前編

これは友人家族が集まり、ホームパーティーをしている様子を映した映像。投稿者は香澄さんという女性で、香澄さんの夫「正伸」さんが、この家の主である磯崎茂さんと会社の仲間であり、5年ほど前から、友人家族含めこのような交流があったのだという。その日は昼頃から磯崎家に集合しみんなで楽しく過ごしていたという…。

調査パート

2016年12月のある休日、投稿者夫の友人、磯崎氏宅で行われたホームパーティーに、夫婦で参加したときの映像だそうです。
この日は昼頃から集合し皆で楽しんでいたそうですが、ある一件によりすべて台無しになったと言います。
そしてスタッフルームで投稿者から話を聞きます。ホームパーティーの最中、ある男性が突然声を荒げている様子が映されていますが、どうやら怒鳴っていたのはパーティの主催者である磯崎氏で、奥さんに対して怒鳴っている様に見えたそうです。
そして映像が紹介された後、投稿者は磯崎氏に何か憑いていたのでは無いかと言います。
どうやら投稿者が夫から聞いた情報では、磯崎氏がここ一ヶ月ほど休職状態との事です。
そこでスタッフは磯崎家を訪問し、投稿者を介して磯崎氏妻に協力を依頼し取材を申し込みます。
そして意外にも磯崎氏が取材に応じたので、川居が取材を行います。磯崎氏が言うには映像が撮られた場面は覚えていないそうですが、家族からそれとなく話は聞いているとの事です。
本当に映像を見る限り、離婚やら逮捕にならず穏便に済んだのが不思議なくらいです。
それから映像を磯崎氏に見てもらいますが、その時の事は思い出せないと言います。心神喪失状態という事でしょうか。
その後川居がその前に何か異常は無かったか確認する様な質問をしている時、磯崎氏妻の電話がなり、通話し始めます。
その時磯崎氏が何やらブツブツ呟きだし不穏な様子に思った途端、突然コップを投げて演出補寒川が頭部に負傷します。
ただ怪我は軽傷といった様子なので、コップが直接ぶつかった訳では無さそうです。いずれにせよ普通なら暴行罪とかで訴える事が可能な事案では無いかと思われます。
それからも磯崎氏は突然妻に殴りかかるなど蛮行が収まりません。
そういった事もあり、ひとまず磯崎家から退散を余儀なくされるスタッフ一同。現状演出補は女性のみなので荒事になると対応は困難と思われます。
それから外で磯崎氏妻に話を聞きます。川居が磯崎氏は何かストレスなど抱えている様な事は無いか聞いた所、職場で部下がいじめを受けていて相談を受けたことがあると言います。
しかし川居はそういった話を聞き、疑問を抱いた様です。磯崎氏が激昂する際にはどちらのケースも妻が携帯を持っていて、磯崎氏は『あいつ』という言葉を口走っています。
そこで『あいつ』という言葉から磯崎氏に人間関係のトラブルがあったのでは無いかと妻に尋ねた所、磯崎氏妻の希望により、川居だけで話を聞くことになります。
結局音声ダダ漏れな訳ですが、内容が心理的に複数人相手では話しにくいとかかも知れません。
それによれば以前パートで働いていた職場の上司から言い寄られ、つきまとわれたりした事があるそうです。そして磯崎氏は携帯などから事を知ってしまい、妻に言い寄る男性の影を感じ嫉妬から激昂しているのでは無いかという推測も可能な様です。
しかしそれだと記憶に無いだとか、映像に映る顔などは説明がつかないのでは無いかと思われます。
そして磯崎氏妻が以前働いていた職場の上司である近藤という男性にも話を聞くことにし、川居たちは近藤を待ち伏せて話を聞きます。
それに対し近藤は、磯崎氏妻とはもう連絡を取っていないし、磯崎氏とも会ったことは無いと言います。しかし磯崎氏妻の携帯には近藤からとされる着信履歴があることを確認していました。そうすると近藤は嘘ついている可能性がありそうです。
更に投稿者夫の紹介で磯崎氏の部下である溝内氏から話を聞きますが、この溝内氏は妻には知り得ない重要な情報を持っていたという所で続きます。

映像感想

ホームパーティー中、磯崎氏は突然声を荒げて怒鳴っていった後、包丁を持って現れます。
そして磯崎氏が妻に襲いかかろうとした時、顔が白い別の顔が貼り付いている様に豹変しています。単純な事象としては初期作Part5『タイムカプセル』の劣化版といった所でしょうか。
更に映像内の顔は基本モザイクと言うこともあって、顔に注意を払い難いという事もあり初見では分かり難い印象を受けました。

恐怖度:3 out of 10 stars (3 / 10)
衝撃度:2 out of 10 stars (2 / 10)
不気味度:3 out of 10 stars (3 / 10)
奇妙度:4 out of 10 stars (4 / 10)
Average:3 out of 10 stars (3 / 10)

存在しない友達

友人と廃ホテルを探索している様子を記録した映像。投稿者の話ではAさんをこの部屋に来るように指示した記憶はなく、何よりこの部屋に最初に入ったのはAさんが倒れているのを発見したときなのだという。そして、Aさんは投稿者がこの部屋に居ないことを確認し、この部屋を去ろうとする…。

投稿者インタビュー

投稿者が友人と廃墟を探索していた時の映像だそうです。投稿者が言うには、廃墟や心霊スポットが好きでそういう場所を友人と2人で回っていたとの事です。
この日訪れた廃墟は広かったため、2人が別々にカメラで撮って分かれて探索したと言います。
ただ友人はこの日以来、廃墟などに行きたがらず怯えている様だそうです。余程こっぴどい目に遭わされたのでしょう。
そして友人が撮った映像が一部流されますが、廃墟の室内には「フロントまで」と書かれた張り紙があることから宿泊施設と思われます。
投稿者は当初、友人と電話で連絡を取り合っていたそうですが、山奥だったこともあってかその後圏外になった模様です。
それから連絡が取れず、廃墟内を探した所友人が倒れているのを発見したと言います。

映像感想

友人が倒れる直前に撮っていた映像だそうです。投稿者と電話で通話しながら探索している様子が見て取れます。
しかし映像内の音声が徐々に乱れている様ですが、友人は気付いて無い模様です。
そしてある部屋に入り何やら不審な様子を感じた友人が振り向くと、見知らぬ人影が現れています。この人影は実体感はありますが、のっぺらぼうな様に見えます。
その直後、のっぺらぼうを目にしたショックからか分かりませんが、友人は倒れ込んでしまった様です。
また映像内の様子を見るに、友人はこの人影らしき存在に誘導されていた様に見えます。
後に投稿者が友人から聞いた所によると、投稿者があの場所に来るように言ったとの事です。
しかし投稿者は圏外だったため友人とそういった会話はしていないと言います。
それでは何者かが投稿者を装って友人を誘導したとでも言うのでしょうか。

映像そのものはそれなりのインパクトはありますが、のっぺらぼうな人影は影も映っているので何かしら実体のある存在では無いのではと思うと恐怖感はやや下がる印象です。

恐怖度:4 out of 10 stars (4.0 / 10)
衝撃度:6 out of 10 stars (6.0 / 10)
不気味度:5 out of 10 stars (5.0 / 10)
奇妙度:6 out of 10 stars (6.0 / 10)
Average:5.3 out of 10 stars (5.3 / 10)

シリーズ監視カメラ 野菜泥棒

ビニールハウスの中に設置された監視カメラの映像。突然、監視カメラが回転しながら落下する。その視点の先に、白く漂う何者かの姿が確認できる。拡大して見てみると、それは手足が細長く、天井にまで届きそうな大きな女性の姿の様にも見えはしないだろうか? そしてそれは暗闇に溶けるように消えてしまった…。

感想

あるビニールハウス内に設置された監視カメラの映像だそうです。
20時過ぎ、黒いフードを被った男性がビニールハウス内に入って来て作物を盗んでいく様子が映されています。
その後未明の2時頃、カメラがセンサーで作動したかと思えば突然落下します。
そして白い服を着た巨大な女性らしき人影が映り込んでいます。この人影はなかなか不気味感姿をしていますが、やがて消えていきます。
ただ事象と野菜泥棒は直接関係無いのではと思ってしまいます。あと映像は警察にも提出済みなのでしょうかといった事も気になる点と言えます。

恐怖度:4 out of 10 stars (4 / 10)
衝撃度:3 out of 10 stars (3 / 10)
不気味度:5 out of 10 stars (5 / 10)
奇妙度:4 out of 10 stars (4 / 10)
Average:4 out of 10 stars (4 / 10)

続・おくりもの 前編

自宅で起こした傷害未遂事件。妻が浮気していると信じて疑わず、部屋でふさぎ込み続けている茂さん。温厚な彼を突き動かしているものの正体は一体なんなのか? そんな中、我々の前に新たな証言者が現れた。それは茂さんの職場仲間の女性が、2016年の秋に事故で亡くなったという話から始まる…。

調査パート

続きです。
磯崎氏の部下である溝内氏が言うには、昨年職場で同僚女性が事故死したとそうです。
なんでもその女性社員は厳しい人物だったそうですが、同性社員にはかなり厳しい指導を行っていたと言います。
そして溝内氏の同期に当たる「悦子」さんという女性社員はイジメというよりパワハラを受けていた模様です。
そのパワハラ女性社員が事故死した後、葬儀からの帰りに社員たちで偲ぶための飲み会を行ったそうです。
しかしその席上で悦子さんが磯崎氏にキスをするという場面があったと言い、その日を境に磯崎氏と悦子さんは仲が良くなった様に見えたと言います。溝内氏は妻子ある上司を心配したのか、磯崎氏に悦子さんとの関係を尋ねた所、『おくりもの』を貰ったと言っていたと言います。ここで一応のタイトル回収と言えます。
また悦子さんは葬儀の後、元気を取り戻した様だったと言いますが、これはパワハラが無くなった為でしょう。しかし彼女は磯崎家のホームパーティーがあった直後に退職していた模様ですが、現時点では関連性は不明といった所です。
その後川居たちが再度磯崎家を訪ねた所、磯崎氏は行方不明になっていて、捜索願いは出しているという事です。

そして演出寺内より磯崎氏の顔が豹変する現象に似た映像が送られてきていたという情報が入ってきます。映像を確認してもらった溝内氏によれば映像に映っているのは悦子さんだとの事です。

映像紹介後、スタッフは悦子さんと磯崎氏が映っている映像の共通点を探します。
そして磯崎氏が豹変する直前同じ様な叫び声を上げている事が分かった模様です。

映像感想

投稿者は駅の待合室に居合わせた変わった女性を興味本位で撮影したそうです。悦子さんらしきその女性は椅子に座って大きめな独り言を発しています。
それから悦子さんらしき女性は「モッカイ ナレ」と叫んだ後、待合室を出ていきます。
個人的には「問題ない」と言っている様にも聞こえました。
その直後ホームで人身事故が発生します。
これは日付から悦子さんにパワハラしていた女性社員が事故死したものだったと判明した様です。
そして事象として待合室から出ていく悦子さんの顔も磯崎氏と同様、一瞬変異していますが、シチュエーションが異なるだけで事象は同じなので点数も同様となります。
ただ女性社員が事故死した現場に、パワハラされていた悦子さんが居合わせていたという事で話の上では大きな意味がある事になりそうです。

恐怖度:3 out of 10 stars (3 / 10)
衝撃度:2 out of 10 stars (2 / 10)
不気味度:3 out of 10 stars (3 / 10)
奇妙度:4 out of 10 stars (4 / 10)
Average:3 out of 10 stars (3 / 10)

まとめ

長編『おくりもの』が始まった本巻。
ただ話は緊張感あるもののまだこれからと言え、映像的には物足りない印象を受けます。
そして映像的に物足りないというのは残念ながら本巻自体にも言える事で、前巻と比べて物足りなく感じました。
そんな本巻でお勧め出来る映像は『曲がり角』と他に挙げれば『存在しない友達』でしょうか。