2017年 約65分

目次
山道
マウンテンバイクで山道を走行する様子を、ヘルメットのひたい部分に小型カメラを装着して撮影された映像。投稿者は山奥の町から山道を抜けていく道中で、突然バランスを崩し顔面を強打、両足を打撲するという事故に見舞われる。痛みもがいているその瞬間、前方から四つん這いで地を這う様にして何者かが近づいてくる…。
感想
投稿者がヘルメットにカメラを仕込み、マウンテンバイクで山道を走行する様子を撮影した映像だそうです。
当初は山間の集落を走っていましたが、山道は細くなり、人ひとりが通れる程度と思える細い道を進んで行きます。
しかし山道で投稿者が転倒してしまい、映像には黒い人影が這っている様な動きで接近している様子が映り込みます。
投稿者はその様子が見えているのか、叫びながら起き上がろうとします。あの様な物が接近しているのが見えていたら恐怖を覚えるのは当然でしょうが。
その人影は一度は見えなくなりますが、その後再度接近している様子が映り込みます。
この山道で転倒したというシチュエーションや接近する人影がハッキリ見えている事から多少はインパクトある映像と言えます。
恐怖度: | ![]() |
衝撃度: | ![]() |
不気味度: | ![]() |
奇妙度: | ![]() |
Average: | ![]() |
積載車
これはインターネット上に配信するために撮影された映像。投稿者は車の運転業務を生業にしており、長距離運転中の居眠りを防止する為、この配信活動を始めた。投稿者が撮影を終えようとカメラに手を伸ばす。すると、隣に突如何者かの姿が現れる。その顔はところどころ傷で歪み、投稿者をジッと見つめている様にも見える…。
感想
積載車のドライバーをしている投稿者は、運転業務中の居眠りを防止するため、ネット配信をしていたのだそうです。配信で居眠り防止というのはカメラに向かって語る事で眠気対策という事でしょうか。
そして乗用車を積載車に積み込みますが、積載する乗用車はボロボロで廃車になったものと思われます。投稿者はそんな乗用車を載せた積載車を運転している様子を配信します。
やがて目的地に着いたのか、投稿者が配信を終えようとした際、投稿者の隣に人影が映り込み、投稿者は慌てた様子となります。
投稿者の手がカメラを覆った直後に現れるという点は気になりますが、それなりのインパクトは感じられます。
恐怖度: | ![]() |
衝撃度: | ![]() |
不気味度: | ![]() |
奇妙度: | ![]() |
Average: | ![]() |
ドッキリ
とあるCS放送用に収録されたバラエティ番組の収録映像。某タレントに対してドッキリを仕掛けようとするが、ある事情でお蔵入りになってしまったという。番組スタッフが、打ち合わせの部屋にラップ現象や、女性のうめき声、照明を明滅させる等の演出をする中、幽霊役の女性の背後に黒い人影のようなものが確認出来る…。
感想
投稿されたのはあるバラエティ番組の収録映像ですが、ある事情でお蔵入りになった映像だそうです。
その番組は衛生放送用の番組だそうで、投稿者はそのADを務めていたのだそうです。
投稿者によれば映像はタレント「佐野マリア」さんにドッキリを仕掛けた時のものだと言います。このご時世でもまだドッキリなんてやっている物なのかと少し意外に感じました。
そのドッキリとは幽霊を用いた物だったそうですが、映像を確認した所マズいという判断になった模様です。
そして映像ですが、佐野さんが控室らしき場所にいる所、番組が仕込んだラップ音やうめき声、照明の明滅が起こります。そして画面下部には番組の演出ですといった内容のテロップが表示されています。
それから本命である幽霊扮した番組スタッフが現れますが、その際に壁に人の影が映り込みます。シリーズ最初期であるPart2の『自主映画に映った男の影』に似た物を感じますが、一室で完結しているこちらの映像が分かりやすいと言えます。しかしやや地味という印象は拭えません。
恐怖度: | ![]() |
衝撃度: | ![]() |
不気味度: | ![]() |
奇妙度: | ![]() |
Average: | ![]() |
おくりもの 後編
普段大人しい人が突如として何かに取り憑かれた様に激高し、顔が不気味に変化するという怪現象。一人目、二人目、三人目の行方不明者…謎に満ち満ちた呪いの連鎖。我々スタッフは行方不明者のパソコンから動画ファイルを発見。そこには一人の少女の姿があった。彼女の顔も同じように気味悪く変化するのだった…。
調査パート感想
由美さんの事件から10日経った頃、寒川がスタッフルームに出勤して来ます。
そこで寒川に話を聞いた所、由美さんに押し倒された時、口移しされ意識が遠のいたと言います。そしてその後に嘔吐した際、虫が混じっていたのだそうです。
それから福田が寒川に、由美さんの吐瀉物にも虫が混じっていた事を説明します。
これらの事から考えると、寒川は由美さんに押し倒された際、虫を口移しされたと思われます。
その傍らで吐瀉物に混じっていた虫を調査して貰った所、寄生蜂と呼ばれる蜂の幼虫という事が判明します。寄生蜂は通常人体には寄生せず、体内に入り込んでもすぐに死んでしまうといった情報がwikipediaのページなどが映し出された状態で説明されます。
それから以前に茂氏の部下である溝内氏から、悦子さんが茂氏にキスをしたことがあったという証言が思い返されます。
それはこの時幼虫が口移しされたという事を示しているのかも知れません。これが『おくりもの』正体なのでしょうか。
また寒川は夢の中で「母体は貰った」と何度も言われたといい、これは何者かによる身体の乗っ取りを示唆している可能性がありそうです。しかし大力が寒川に関しては幼虫を吐き出した事で助かったのでは無いかと言います。
一方、磯崎家への取材は一区切りついたとして控えていた様ですが、ある取材中寒川が気になる発言をします。
それは磯崎家に設置したカメラの映像内で由美さんが薫さんに対し、「お母さんじゃない」と発言していたという事です。その時の映像が流れますが、2人が口論した流れでその発言があったことが分かります。
しかし寒川が襲われた一件から、磯崎家への取材がし難い状況になっていた模様です。きっかけは薫さんと近藤氏の発言が食い違っていた事を確認した事だそうです。
状況から舞木が独断でその件に触れたと思われますが、これは本来スタッフ間で打ち合わせして意思疎通をしてから慎重に行うべきで、独断で確認をしたというのは軽率の誹りは免れないと思われます。当然薫さんは怒り、川居や他のスタッフにも飛び火します。
そして薫さんは取材に応じてから何も良いことが無いと愚痴りだします。
この点については、実際取材して解決することはほとんど無いので一理あると思われます。
上述した寒川の発言を受けて、福田は相談すると言います。しかし取材拒否されている状況でさらにこんな事確認しようとすれば事態が悪化するだけではと思わざるを得ません。
そして薫さんに謝罪も含めて改めて取材を申し込んだ様ですが、当然受け入れて貰えなかったとの事です。
一方川居たちは悦子さんが保存していた動画に映っていた少女とかつて同級生だったという少女、Kさんから話を聞く事に成功します。
なんでも動画に映っていた少女はRさんというそうで、イジメを苦にして2011年に団地から飛び降り自殺をしたのだそうです。Rさんは集団からイジメを受けていたそうですが、映像をイジメていた相手の携帯に送りつけていったと言います。
しかし撮影した本人が自殺を遂げたのに、誰が動画を送ったのかという疑問があります。
また送られてきた自殺動画を見た児童たちが倒れたり叫びだしたりしてパニック状態となり、その様子を撮影している人もいたと言います。そしてKさんからパニック状態を撮影した映像を借り受けたそうです。しかしKさんはなぜこの映像を持っていたんでしょうか。
映像感想
教室や廊下でパニック状態になって泣き叫んでいる児童たちが映されています。
そして撮影者が階段から下を見下ろそうとした時、階上の踊り場から見下ろすように立つ少女らしき人影が映り込んでいるのが見て取れます。
その人影はハッキリ映り込んでいて、自殺した際のRさんのものと同じ様に見えます。
恐怖度: | ![]() |
衝撃度: | ![]() |
不気味度: | ![]() |
奇妙度: | ![]() |
Average: | ![]() |
シリーズ監視カメラ 二階の和室
これはインターネット上にある、とあるサイト内において、以前無断で配信されていた監視カメラの映像。時刻は夕方。電気の点いていない暗い中、ふすまに人形のような黒い影が現れる。どこかからの光の干渉をうけているものだろうか? それは常に不可解な動きと形に変化して、最後は煙に包まれるように消えてしまった…。
感想
投稿されたのはネット上のあるサイトにて無断で配信されていた監視カメラの映像だそうです。
このサイトは監視カメラの電波を拾って配信しているそうで、その中でも投稿者が気になっていた監視カメラだそうです。
それは民家の和室に据えられた物の様です。
映像では和室の襖に影が映り込み、変化する様子や、その後霧散する様子が映されています。
また別の映像では襖では無く、カメラの前で黒い影が蠢いている様子が映されています。
それの様子は見落とし様がない程にハッキリ映っていますが、インパクトがあるというよりは不気味に感じられるといった所でしょうか。
映像紹介後、サイトにはカメラの位置情報も記録されており、googlemapで見れるようになっていることに気付きます。
そこで中部地方のある住宅街のある住宅を訪ねたスタッフは住人から話を聞くのでした。
恐怖度: | ![]() |
衝撃度: | ![]() |
不気味度: | ![]() |
奇妙度: | ![]() |
Average: | ![]() |
カメラ機能
投稿者が友達と再会した時、携帯電話のカメラ機能で撮影した映像。カメラの前にオレンジ色の光が写っている。他の動画ファイルにも同じようなオレンジの光が写っているものがあった。カメラに語りかけるAさんの背後にまたもオレンジの光が写っているのが確認できる。よく見てみると、それは人の顔のようにも見える…。
感想
投稿者女性が友人と再会した際、ライブフォトというスマホの機能を用いて撮影した映像だそうです。ライブフォトはシャッターを押した前後計3秒程度を音声含め動画として撮影する機能です。
投稿者は上京して友人と再会し、地元にいる友人向けのメッセージとして撮影したと言います。
紹介される映像は2点で、最初は投稿者が友人と並んで撮った映像に、オレンジ色の光が映り込むという物で、同様の映像がいくつもあったと言います。これだけなら昔良く紹介された心霊写真を彷彿とさせる程度で恐怖感などはありませんでした。
しかしカフェのテラス席らしき場所にいる友人の背後にオレンジ色の光が映り込む映像が紹介されます。
その光は何かの形をしている様にに見えますが、リプレイで光に人の顔が映り込んでいる事が分かり、若干の恐怖感を覚えました。
恐怖度: | ![]() |
衝撃度: | ![]() |
不気味度: | ![]() |
奇妙度: | ![]() |
Average: | ![]() |
続・おくりもの 後編
Kさんの証言から判明した謎の少女Rさんの正体。彼女が死をもってこの世に残した怨みの動画。それはクラスメイトが集団パニックを起こす結果となった。現在、磯崎由美ちゃんも虐めを苦に部屋に引きこもったままである。そして虐めていた同級生にRさんの動画を送った謎の人物とは一体誰なのか…。
調査パート
前編の続きです。
Kさんがいうには薫さんはRさんの母親に似ているそうです。その薫さんらしき女性はRさんが自殺する前年から継母として一緒に住んでいたと言います。
その後春からRさんに奇行が見え始め、イジメの対象となり自殺するに至ったという事の様です。突然奇行が見え始めたという事は継母が何らかの影響を与えていた可能性はあるのかも知れません。
そして由美さんが発した言葉から、由美さんも実子では無い可能性があります。
しかしKさんからRさん継母の写真を入手することは出来ませんでした。
この件について確認したいという思いから、川居たちは連絡が取れないまま磯崎家に向かいます。磯崎家は不在の様に見えますが、川居がドアノブに手を掛けると開いてしまいました。
そして川居たちはそのまま上がり込みます。不法侵入では無いかと思われますが、前回寒川がやっているので今更感もあります。照明がついておらず暗い家の中を探しましたが、薫さんと由美さんは見つからず、この日以来、薫さんと由美さんは姿を消してそうです。
その後投稿者からの情報で、薫さんは由美さんとも継母であった事が判明したとの事です。
なんでも薫さんは2015年夏頃から磯崎家に住み始めたといいます。
そしてこれまでの情報から薫さんの履歴をまとめ、まるで寄生蜂が宿主に卵を忍ばせるかの様に他人の家族に侵入している様に見えるとの見解が述べられます。普通ならばこういった場合財産目的とかになりそうですが、果たしてどうなんでしょうか。
それから川居たちは投稿者の夫から茂氏実家の連絡先を聞き、茂氏の両親に接触します。
その後茂氏の父親と待ち合わせをしますが、茂氏父と一緒に由美さんも現れます。なんでも茂氏の実家に薫さんから由美さんを迎えに来てほしいと連絡があったそうです。
そして茂氏父は薫さんの存在自体知らなかったと言います。茂氏は再婚のことなどは実家に知らせていなかったのでしょうか。
また川居が由美さんから聞いた話では、誰かの声がして、勝手に体が動いている様に感じられたと言います。
そういった説明がなされる間、由美さんが川居と話したり、寒川と遊ぶ様子が映されます。
こうして誰が何の目的でおくりものを広めようとしたか分からず終いで、スタッフたちから疑惑の対象となった薫さんも操られていた可能性すらあります。
しかし薫さんの消息が途絶えた事で、真相を確かめる術は失われたと述べられます。
ただ由美さんが祖父のもとで平穏に過ごしている事を確認し、スタッフはこの件から離れられるかと思われたのだそうです。
しかしある投稿者映像が送られてきたとされ、映像が紹介されます。
映像
どこかの教室内で撮影されたと思われる映像です。
その映像内のある席に座っている男子児童の顔が変化しているのが見て取れます。
またこの映像にはある続きがありますが、何らかの事象が起こっている訳ではありませんので、ここでは述べません。
恐怖度: | ![]() |
衝撃度: | ![]() |
不気味度: | ![]() |
奇妙度: | ![]() |
Average: | ![]() |
おくりもの 考察と感想
多くの謎を残し、矛盾もありますがひとまず完結したといった印象です。展開はおくりものが人から人へと伝わっていく気味が悪いものでした。中編までは悦子さん→茂氏→由美さんと移された物かと思われましたが、薫さんが今回の元凶だったとすると話は変わって来ます。
まず気になったのは、悦子さんがどういった経緯でRさんの映像を入手したかという点です。中編時点では悦子さんがおくりものと関連して入手したものかと思っていましたが、おくりものの元凶が薫さんとなると、おくりものは茂氏から悦子さんへ伝わったと見ることも出来ますので、映像の入手経路が宙に浮いてしまいます。
それにRさんの映像をイジメていた集団へ送ったのは誰かという問題もあります。
こちらはRさんが送信の準備をしてあって、実際に送信したのは同居していた薫さんかも知れません。ただオカルト的解釈でRさんの怨念が送ったと捉える事も出来そうですが、個人的には賛同しかねる所です。しかしオカルト的解釈でも映像はいずれ薫さんが発見した事でしょう。
この事からRさんの映像は薫さんにも渡っていたと考えられるため、薫さんが映像とおくりものを悦子さんに伝えたと考えれば矛盾は無くなります。
ただあくまで矛盾しないだけで、エピソード内で薫さんと悦子さんの直接的な接点が見られない以上、筋が通らない様に感じられます。
その他エピソード面では悦子さんや茂氏が例によって消息不明となりましたが、由美さんが助かるという長編には珍しく救いのある結末だったのが印象的でした。
ただ映像面ではエピソード内で紹介される映像6点のうち実に5点が同じ事象というのが残念に感じられました。おくりものが伝わっていくというエピソードの性質上そうなってしまったと思われますが、それでも納得しかねる所ではあります。
そして個人的に、ほん呪は映像がメインでそれに関するエピソードはオマケ程度にしか捉えていないため、総じていえば同じ事象の映像ばかり出てくるやや残念な長編といった所です。
まとめ
長編『おくりもの』完結となった本巻です。
ただ長編については上記の感想となっています。
そんな長編が映像面では相変わらず微妙でしたが、総合的には平均的といった所でしょうか。
オススメの映像としては『カメラ機能』『シリーズ監視カメラ 二階の和室』辺りかと思われます。