【ホラービデオ】ホラーハウス Vol.2【感想】

ある地方局の恋愛リアリティ番組の為に撮影した素材。その番組には台本は一切なかった。集められたのは8人の男女。遅れて合流した女性の正体とは・・・。

Amazonより抜粋
スポンサーリンク

DATA

  • タイトル:ホラーハウス Vol.2
  • リリース年:2021年
  • 時間:72分
  • 制作:ライツキューブ
  • 配給:アドバンス
  • 監督:山内大輔
  • 脚本:山内大輔
3.5 out of 10 stars (3.5 / 10)

概要

本作はオリジナルホラービデオ『ホラーハウス』の続きとなっています。

恋愛リアリティ番組の撮影で起こったトラブル

冒頭、前回のあらすじとしてダイジェスト影像と一緒に関係者「K」氏の発言が流れるのですが、その中でロッジ周辺では未解決の失踪事件が何件も起きている事がサラリと述べられています。そんな重大な情報、前回あったかどうか定かではありません。
そして2人減った状況のまま撮影2日目に入ります。
そんな中での朝食時、雅彦はこの状況をドッキリでは無いかと言いますが、一晩中というのはドッキリとしても非常に悪質では無いかと思われます。
そして朝食後、残った5人のメンバーは2人を探しに出ますが、特に当ても無くロッジ付近の山道で呼びかけながら探すのみです。
さらにそんな中で携帯が繋がらなくなっているとロクでも話題が出ます。
そして先ほどはドッキリを疑っていた雅彦が恋愛リアリティ番組どころでは無いのではと言い出します。
そういった中で突然美鈴が叫び声をあげ、見れば足に山蛭がついており、俊雄がそれを取り除いた後、手当のため2人でコテージに戻ります。
3人となった雅彦たちですが、前日カラスの死骸があった場所を訪れてみるも死骸は1つ残らず消え失せています。
そして3人がロッジに引き返そうとした時、なぜか裸の男性らしき人影が映り込んでいます。初見だと何か映っているという程度ですが、リプレイで映り込んでいるのはロッジに戻ったはずの俊雄らしいとK氏が述べています。なぜパンツ一丁で映り込んでいるのか、もしかしてギャグでやっているのかとも思いますが、一応最後まで見ると伏線らしいと思える様にはなっています。
その頃俊雄本人は美鈴によってベッドルームに連れ込まれていました。
一方雅彦たちはロッジまで引き返したが、入り口前で早紀が何者かに抱きつかれ、その人物は力尽きたのかそのまま倒れ込みます。

8人目の参加者

突然現れた人物は消息不明となっていた8人目の参加者である美容師「成田 灯里」ですが、顔などは泥で汚れている様です。
メンバーたちは灯里に食事を与えながら話を聞きますが、声が小さくて聞き取り難く個人的には何日も森を彷徨ったらしいという程度しか把握出来ませんでした。
それからリビングで男性陣による会話が行われます。その中で俊雄は灯里の話をオカルト的に解釈している様です。
それに対し雅彦が童貞いじりした所、その話を振られて浮かれたのか、俊雄は美鈴との事を暴露します。この事でいじられ続けるのも面白く無いと思われますし、何とも難しい所ですが、ボカしても良かったのでは無いかと思われます。
その後美鈴はベッドルームを片付け、そこに灯里を寝かせます。
それから時間が経ち、ダイニングに他のメンバーが集まりますが、俊雄が暴露した影響か男性陣を中心に微妙な空気感となっています。
そんな中、K氏により早紀が番組プロデューサーと愛人関係にある事が説明されます。
また早紀には元々彼氏がおり、愛人関係の事を知った彼氏がリベンジポルノ的に映像をネットにアップしたという事で、その映像が紹介されます。
どうやら撮影場所は件のロッジの様ですが、
映像が終わる直前辺り、隣のベッドに人の顔らしき物が映り込んでいます。ただその映り込み方は以前実際にネットで広まった、AVに女性の顔が映り込んだという物を連想させる物になっています。
またその顔は初日に撮影した写真の後方に映り込んでいた人影の物と酷似している事が示唆されています。

衝撃的な幕切れ

この辺りから事態は急速に悪化していきます。雅彦と美鈴は外へ出かけます。残ったメンバーの灯里を除いた3人はダイニングにいましたが、俊雄がロッジ内にある開かずの間を開けようと試み、謎なキッピング技術を持っていたのか南京錠を開ける事に成功します。室内は他の部屋と大差ありませんが、そこで早紀たちはあるものを見つけます。
一方外へ出ていた雅彦と美鈴は痴話喧嘩の様な会話の流れになっていましたが、前方に影とも人影とも付かない存在を認めます。
そういった流れの中で時折、灯里のカットが意味ありげに挟まれます。
その後1人どこからともなく現れた美鈴を見た早紀が慌てて手当てしようとした所で、影像は終わります。
そうして期日となりディレクターがやってきますが、彼が見たのは恐ろしい光景でした。
しかしようやくホラーらしい展開になってきたと思いきや、既に終盤に入っていてどうするのかと思いきや、過程をすっ飛ばして結末へ持っていくとは思いませんでした。

致命的欠陥

本作はマイクの問題なのか登場人物の声が聞き取りにくいという問題点があります。カメラを持って行動する屋外の場面はさほど気になりませんが、室内の定点カメラによる場面は音声が小さくなり、特に部屋が広くカメラが遠いと思われるリビングでの場面で顕著となります。
それでも他愛のない話が中心だった前回はそれほど気になりませんでしたが、今回の様にホラーっぽい展開となると、話が聞き取りにくいというのは致命的と言えそうです。

まとめ

全体としてみるとなかなかに酷い作品と言えます。
前回はホラー要素がほとんどないまま終わり、今回はホラーっぽくなってきた所で結末に飛んで終わりました。ベッドシーンなり前回の不要なシーンを削るなりすればどうしてあのような結末に至ったのか、多少は描けたのでは無いかと思いますが、そもそも描く気があったのかという気もします。
ホラーモキュメンタリーとしても音声の聞き取り難さが足を引っ張り劣悪というしか無いと思われます。