【Android】星の数だけ物語【感想】

2018年 はるさる

6 out of 10 stars (6 / 10)
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概要

本作は現在早期アクセスで公開中のノンフィールドRPGです。
全8章のストーリーで所要時間は5-6時間程度と思われます。
PCフリー版も配布されている様です。

陰謀に巻き込まれていく主人公

主人公「フォルテ」はある村で生まれ育った少女です。彼女は亡き祖父の遺言に従って、やはり祖父の形見である棒術用の棒などを持って旅に出た所、早々と武器以外の荷物を失ってしまい、王都フィーネリアにて魔術師「タウル」と共に、賞金稼ぎ「フレア」の下に居候する事になります。
そしてフォルテがタウルと一緒にフレアの仕事を手伝い、フレアの仕事関係者などと親しくなっていく様子が序盤に描かれます。しかし彼女たちはフィーネリア国内の陰謀に巻き込まれて行きます。その展開は割と王道なストーリーという印象を受けました。

フォルテの荷物が奪われる場面から始まります。
会話劇では掛け合いが展開されます。

システム

本作はノンフィールドタイプRPGとなっていて、戦闘と会話劇を交互に繰り返して進行して行きます。
会話劇は選択肢の類は一切無く、読み進めるのみとなっています。その為読まなくてもゲーム進行に支障は無い為かスキップ機能はあるもののバックログ機能はありません。うっかり読み損ねてしまった時の為にバックログ機能があれば有り難いかとも思いました。
また本作はレベル、装備、通貨などといった概念が無く、ステータス画面すら存在しないという大分割り切った造りになっています。
ただポーション類は最大4種あり、定期的に補充されます。

成長システム

本作は経験値による成長は無く、各キャラのHPとMPは最初から最後まで増える事はありません。
しかし戦闘毎に各キャラへ1ポイントのスキルポイントが与えられ、それを割り振る事で成長する仕組みとなっています。各キャラ毎にスキルツリーが設定されていて、習得可能なスキルやパッシブスキルにポイントを振ってスキルの習得、強化を行っていきます。しかし習得出来ないスキルは内容が確認出来ない為、先を見据えたスキル習得が難しいという印象でした。もちろんポイント振り直しというヌルい機能もありません。

スキルツリーからスキルを習得して成長させます。

戦闘システム

戦闘システムはゲージが溜まったキャラから行動するアクティブタイムバトルの様なシステムとなっています。
戦闘システム自体は割とオーソドックスで、フォルテがタンク、フレアが物理アタッカー、タウルが後衛とパーティメンバーの役割もおおよそ決まっています。
しかしストーリーが進むと敵は強くなっていくのに対し、こちらは能力的にはパッシブスキルによる底上げのみなので、先述の通りHPとMPに至っては成長しない事もあって詰まり掛ける場面もあり得ます。どうしても勝てない場合は難易度を下げれば敵の火力が下がりますので、これを活用する事も必要かも知れません。
この様に戦闘はシンプルながらも歯ごたえある物になっている様に感じられました。

戦闘システムはシンプルな物になっています。

陣形

本作独特のシステムとして陣形があります。
攻撃力上昇の魚鱗の陣、防御力上昇の方円の陣など全6種の陣形を用いる事が出来ます。ただ六芒の陣を3人で組むのは無理があるのではという気もしますが。
陣形は使うことでレベルが上がり効果も上昇して行きます。しかし陣形は戦闘中にしか組めず、戦闘毎に組み直さねばならない上に陣形を組むのも行動扱いな為、やや使い勝手が良くない印象を受けました。

王国を揺るがす事件

先述の通り、本作の展開は村から旅立ったばかりのフォルテがフレアやタウルと行動していく事で、王国内で行われていた陰謀に巻き込まれていくという物です。
そしてそれは王国を揺るがす事態へ発展して行きます。
ただフレアやタウルは元々王宮や敵側の人物と何かしら繋がりがあり、そういった背景は徐々に明かされて行きますが、ある意味巻き込まれるべくして巻き込まれたと言えます。
しかしフォルテは元々は完全な部外者だったのが、素朴な正直者故に巻き込まれてしまった感があります。その為敵側とは因縁めいた物がない為、終盤以降のストーリーでは脇役となってしまいます。一応見せ場もありますが、主人公にも関わらずあまり報われていないと思ってしまいます。他2人は何かしら歴史に名を残しそうですが、フォルテは歴史に埋もれた知られざる英雄という扱いになりそうだとエンディングを見て感じました。

ストーリー進行では一枚絵が挟まれる事もあります。
画像は陰謀に対抗しようという場面です。

まとめ

本作は早期アクセス版という事もあってか、戦闘バランスを中心に荒削りという印象を受けました。
しかしストーリーは短いながら王道的な物で、戦闘の合間に行われる掛け合いなども含めて楽しめました。
個人制作の様ですので、どの程度のペースで進捗するか分かりませんが、正式リリースまでに戦闘バランスやシステム面が整う事を期待したい所です。

エンディング目指して頑張りましょう。