【呪怨】とは「つよい怨みを抱いて死んだモノの呪い。
Amazonより抜粋
それは、死んだモノが生前に接していた場所に蓄積され“業”となり、その呪いに触れたモノは命を失い、新たなる呪いが生まれる。」……呪われた家から溢れ出す、九の連続した死。
DATA
- タイトル:呪怨 ビデオオリジナル
- リリース年:2000年
- 時間:70分
- 制作:東映ビデオ
- 配給:東映ビデオ
- 監督:清水崇
- 脚本:清水崇

概要
本作は清水崇監督による『呪怨』シリーズ1作目となる作品で、劇場では未公開のオリジナルビデオ作品として2000年にリリースされた作品です。
全6章からなるオムニバス形式の作品となっています。
呪怨シリーズ1作目の作品
本作は小学校教師「小林 俊介」が教え子である「佐伯 俊雄」宅を訪れる場面から始まります。俊介は俊雄が登校してこないため、様子を見に来た様です。また俊介は俊雄の母親が大学で同期だった「佐伯 伽椰子」である事を把握していました。
そして佐伯家を訪れた俊介ですが、家屋脇にて猫の墓が無造作に作られていたりと開始早々に不気味な雰囲気を醸し出しています。
それから浴室に俊雄がいるのを確かめた俊介は家に上がり親が姿を現すのを待ちますが、なかなか現れません。
そのためか妻に遅くなる旨の電話をし終わった時、寝ていると思っていた俊雄の様子が豹変し猫の鳴き声を上げるのでした。
一家を襲う惨劇
その次は村上家という家庭の様子が描かれます。村上家の娘とその家庭教師の様子が映され、村上家母が外出する時に見られる家の外観で、村上家の建物が佐伯家と同じ物である事が分かります。そのため村上家は佐伯家の後に住んだ住人であろうという事から、この一家に謂れなき災いが降り掛かるであろう事は予想出来ますが、この時点ではこの建物にその様な呪いが掛かっているのか迄は分かりません。
ただ村上家の人物やそれに関わったと思われる人物が無惨に屠られて行くのを見ていくのみとなります。建物から離れた学校にいようが俊雄らしき怪異が現れた後に屠られてしまう模様です。
ちなみにこの時点では屠っていく怪異の正体は明らかにされていません。
呪いの始まり
村上家壊滅の様子が描かれた後、時間は戻り再び俊雄と俊夫の様子が描かれます。
一見何事も無いかの様にクレヨンで絵を描いているのを見ていた俊介ですが、ふとした事から伽椰子の日記を読み、さらに伽椰子が既に殺害されていた事を知ります。
そこで俊夫を連れて外へ出ようとした所で、俊介の携帯に「佐伯 剛夫」から電話が掛かって来ます。そして被害妄想に取り憑かれた猟奇殺人者である剛夫は俊介に色々告げます。俊介は衝撃的な話を聞かされ呆然自失となります。この発想や行動の禍々しさは流石呪いの元凶を作った人物と言えるかも知れません。
それから何とか玄関まで辿り着いた俊介ですが、ようやく全貌を現した怨霊、伽椰子に追い詰められて終了となります。
こうして伽椰子、剛夫ら佐伯によって小林家と村上家がほぼ屠られてしまいます。
もっとも元凶である剛夫も伽椰子の怨霊に屠られる様子が描かれますが。
その後は続編への繋ぎと言えるエピソードとして村上家の後に家屋を不動産会社社長「鈴木 達也」とその妹「鈴木 響子」が建物を見に行く場面が描かれています。響子は見える性質らしいため家屋を見せようとした様です。また達也は響子に対してお祓いなんて大袈裟だと言っていましたが、その判断は誤りであったと思われます。
最後は響子が建物に次の犠牲者が入居した事を知って様子を見に行くものの、ただならぬ気配を感じ取っているらしい様子を映して終わっています。
まとめ
『リング』シリーズに並ぶJホラーの金字塔と言えるシリーズの1作目です。
視点を変えてオムニバスの様な形式になっているのが特徴的で、本作においては村上家を襲った呪いの凄まじさを見せる事で佐伯家の末路を予感させる展開になっています。
そしてリングシリーズの貞子と対決させられる事もある、本シリーズの怨霊伽椰子ですが、1作目においてはラスト付近で満を持して全貌を現すという点も貞子と同様ですとなっています。ただ本作における伽椰子は貞子と比べてグロさを感じる造形という印象でした。
もっとも俊介の前に現れた時点では、殺害されてからそれほど日にちが経っていないという事もありそうですが。
本作の総合的な感想としては色々な意味で序章である事を感じさせる作品といった印象でした。