【アニメ】テレビアニメ「鬼滅の刃」遊郭編【感想】

スポンサーリンク

DATA

  • タイトル:TVアニメ「鬼滅の刃」 遊郭編
  • 放送クール:2021年秋 – 2022年冬
  • 話数:11話
  • 制作:ufotable
  • 監督:外崎春雄
  • 脚本:ufotable
9 out of 10 stars (9 / 10)

概要

本作は2016年から2020年まで吾峠呼世晴氏により週刊少年ジャンプで連載された同名漫画の劇場アニメ版をTVアニメにした物です。原作8巻から11巻に掛けてのストーリーをアニメ化した物で『無限列車編』と合わせて第二期として放送されました。

煉獄の死と新たな任務

本作は『無限列車編』の直後から始まります。鬼殺隊炎柱「煉獄 杏寿郎」の殉職に対し、「竈門 炭次郎」「嘴平 伊之助」は己の力不足を痛感し、「我妻 善逸」は上弦の鬼が現れていたという事に対して恐れ慄く様子を見せます。善逸は杏寿郎対猗窩座の場に居合わせ無かったという事もあるのでしょうが、反応に温度差があるように感じられます。
そしていつの間にか炭治郎達の拠点になっている感がある蝶屋敷に帰還し、療養と鍛錬を行います。ただ炭治郎はその合間に煉獄家を訪れ、杏寿郎の父と弟に会います。兄杏寿郎を慕っていた様子の弟は炭治郎の報告を真摯に受け止めますが、先代炎柱であったはずの父はやさぐれた雰囲気で、炭治郎を『日の呼吸』の使い手であるとしたり、杏寿郎殉職の報告を受けても小馬鹿にした様な態度を見せて炭治郎を怒らせます。後者はともかく、日の呼吸については炭治郎が知りたがっていたヒノカミ神楽と関連している事は間違い無く、重要な情報と言えるでしょう。しかしそんな態度でも炭治郎から杏寿郎の遺言を聞かされると、いくらか感傷的になっている様子も見受けられます。
その後蝶屋敷から隊士「神崎 アオイ」を無理矢理任務に連れ出そうとした音柱「宇髄 天元」に対し、炭治郎たちは代わりに行くと主張し、次なる任務の舞台である、東京は吉原遊廓へ赴く事になります。

華やかな遊郭に潜む鬼

天元によれば、遊郭に潜んでいる鬼を調査する為、3人いる嫁を遊郭に送り込んだものの音信不通になったとの事です。
そしてその天元妻の消息と鬼について調査する為、炭治郎たちは女装して遊郭に潜入する事になりますが、3人とも無理矢理な女装といった様相です。ただ伊之助は素顔が美形という事もあり、しばらくは素顔での活動となります。そして各々女郎屋に潜入して調査を開始しますが、伊之助が鬼の痕跡を見つけた頃、善逸は花魁の姿をした鬼とエンカウントし、警戒された為か捕らえられてしまいます。
その後炭治郎は上弦陸の片割れで花魁として遊郭に居着いていた鬼「堕姫」と遭遇し単独で応戦する事になり、これが長い闘いの始まりとなります。

遊郭での激闘

帯を自在に操る堕姫との戦闘を開始した炭治郎ですが、相手は仮にも上弦、次第に劣勢となっていきます。
そして闘いは遊郭も巻き込み、堕姫の攻撃により一般人への被害も出始めます。
そこで通用するヒノカミ神楽で対抗し、一時的に巻き返すも消耗の激しい技を連発した事で倒れてしまいます。
しかしそこで鬼としての能力を開放し竹筒を噛み砕いた禰豆子が堕姫に襲いかかります。
この禰豆子対堕姫という鬼同士の闘いは中盤最大の見せ場と思われる物になっています。禰豆子は基本足蹴りによる攻撃ばかりで堕姫に比べてリーチは大きく劣るも、圧倒的な回復力でゴリ押して行きます。蹴りを繰り出した足を斬ってもそのまま回復した足で蹴飛ばすという反則気味な回復力で堕姫を追い詰めて行きます。
しかし鬼としての能力を開放した禰豆子は鬼としての本能にも目覚め出し、闘いで消耗して自制が外れたのか、人に襲い掛かろうとした所を辛うじて炭治郎が抑え込みます。
それに次いで妻たちや善逸を救出した天元も合流します。炭治郎が禰豆子を寝かしつけてる間に天元が堕姫と相対しますが、上弦陸の片割れでしか無く、竈門兄妹との戦闘で消耗していた事もあるでしょうが、堕姫は天元の相手になりません。
しかし堕姫の首を斬った直後に上弦陸の片割れで堕姫の兄に当たる鬼「妓夫太郎」が出現した事で、ここからが本番といった様相となります。当然ながら堕姫と比べ兄である妓夫太郎が戦闘能力は格段に上です。
しかも上弦陸の兄妹は一方が生き残っていれば首を斬られても消滅しない事から、天元や炭治郎たちには相手双方の首をほぼ同時に斬らないと行けないというハードル高めな勝利条件を突き付けられてしまいます。
そこで天元と炭治郎が妓夫太郎を、遅れて合流した伊之助と善逸が堕姫と闘うというのが終盤の基本構図となります。そういう訳で伊之助と共に堕姫と相対する善逸はこの戦闘中収拾睡眠状態で、鼻提灯下げたまま闘っています。単純な戦闘のみならず明確な思考を行っている描写もありますので、睡眠時の無意識状態で動いているのとは違う様に見え、実は多重人格で主人格が寝ている時に現れる有能人格なのではと思ってしまいます。いずれにせよ善逸は寝ている方が強いという印象は無限列車編より強まります。
しかし闘いは激しく戦況も目まぐるしく変化します。相手の隙を付いてもう一方に割り込んだりといった状態で、これまでのシリーズでは描かれなかった集団戦が激しく展開されます。しかもそれが圧倒的な作画で描かれる為、息つく暇もありません。
そんな中炭治郎と妓夫太郎は兄としてお互いの兄妹としての境遇に思いを馳せたりします。
やがて伊之助、善逸が一時的に勝利を収めたかと思われましたが、そこから瞬時に逆転され絶望的な状況に陥った所で最終局面に至ります。

まとめ

前作である無限列車編の中心人物が炎柱煉獄杏寿郎なら本作は音柱宇髄天元と言えます。忍びの一族生まれという生い立ちや境遇、派手に生きるというモットーに至るまでが断片的に掘り下げられています。
しかしそれと同じ位に敵役である上弦陸兄妹も掘り下げられていますが、兄妹に関しては最終回に一気に掘り下げられるという事もあり、そちらの方が印象的という風に感じられます。
もっともこの兄妹に関しては、竈門兄妹との対比などといった部分で掘り下げれれていた面もありますが。
また原作がジャンプ漫画という事もあり、『那谷蜘蛛山編』以降は敵の強さがインフレしている印象を受け、それに連れて戦闘も激しく派手な物になっています。
続く『刀鍛冶の里編』ではどの様な闘いが繰り広げられるか期待したい所です。