【Android】キングダムオーダー【乱世統一S.RPG】【感想】

2021年 R.O.App

7.5 out of 10 stars (7.5 / 10)
スポンサーリンク

概要

本作は7つの国から1つを選択し、大陸統一を目指すシミュレーションゲームで「地域制圧型シミュレーションRPG」と銘打っています。
50以上の土地を争奪し、大陸の制覇を目指していきます。
現在早期アクセスでリリースされています。

英雄の末裔たちによる戦乱

本作の舞台となるのは「エルバレス」と呼ばれる大陸です。
この大陸は100年前まで人間は魔人と呼ばれる種族の支配下にあった様です。一応他の大陸も存在し、人間の国家も存在していた物と思われますが、強力な魔人が支配する土地まで攻め込むだけの軍事力が無かったのかも知れません。
しかし100年前、騎士「オルケイア」たち5人の英雄によって魔人たちは倒されて、聖王と呼ばれるオルケイアや仲間たちがそれぞれ国家を建国し、これが5大国と呼ばれる国家となります。この5大国は100年間お互いの不戦を誓約した『オルケイア盟約』を締結した事で100年間は表立った戦争は無く経過した様です。
そして本作は聖王歴100年、オルケイア盟約が失効した直後から始まります。
聖王オルケイアの末裔が統治する「グランレイヴ王国」と同じく英雄の1人である傭兵ゴルノアの末裔が支配する「ゴルノア帝国」。他の国から見ても宿敵関係にあるこの2国は一触即発状態であるものの、直接国境を接していません。その為2国の間にある「ミスティリア魔法国」や「ファウラン自由連合」は巻き込まれる形になりそうですが、「ミツルギ国」を含めた他の大国も、それぞれ思惑を持って戦乱の時代に臨もうとしていました。

7国の中から選択します。

プレイヤーは5大国含めた7国の中から選択した国家で決められた年数の内に統一する事を目指します。

『オルケイア盟約』失効により戦乱が訪れます。

システム

本作は国取り形式のSLGとなっていますが、一般的な戦略SLGと違う点として、内政や外交といった要素がほぼ存在せず、軍備と侵略に明け暮れるという所です。
戦闘に特化した造りという点ではSEGA『ドラゴンフォース』に近いと言えそうです。
そんな本作は季節毎に内政フェイズと侵略フェイズを繰り返して進行します。また部隊編成や装備といったコマンドは共通コマンドとなっています。

マップ画面。本作は都市や拠点の奪い合いのみに焦点を絞っています。

部隊編成

プレイヤー国は武将と最大5人の兵士からなる部隊を9部隊まで編成出来ます。
兵種は大雑把に歩兵、弓兵、魔法兵がありそれぞれ三すくみとなっていて、武将の特性なども考慮して編成や陣形を決めて行く必要があります。
ただ編成はコスト制となっていて、上限は武将の統率力に依存しています。強力な兵種は当然コストが大きく、武将1人では扱いきれない可能性もあるため、強力な部隊を率いる武将には他の武将を副官として付ける必要があります。
ただ武将や兵士を雇うには自国領内にある都市収入の合計以内に収めなければいけません。先述の通り、本作は内政要素はありませんので都市収入を増やすには都市を敵国から奪っていく事になります。

内政フェイズ

内政フェイズでは武将や装備品を探索したり、徴兵と武将の訓練が行えます。
先述の通り、本作は内政要素はほぼ存在せず、この内政フェイズで行えるコマンドも軍事にカテゴライズされる様な物で、侵略以外のコマンドをひとまとめにして便宜上内政と名付けた様な印象を受けます。
また内政フェイズで命令した武将はその季節の戦争に参加出来ないので注意が必要です。

侵略フェイズ

その名の通り戦を起こすフェイズです。
1回のフェイズで攻め込めるのは1か所のみで、1季で1〜3回、年8回の侵略フェイズがあります。
また侵略とありますが、他国から攻められた場合の防衛も含まれ、これも1回のフェイズを消費します。
ある程度勢力を拡大すると、複数の侵略を受けてなかなか攻められないといった状況も起こります。

戦闘

本作のメインと言え、他国に攻めた場合や攻められた場所に軍を向かわせる事で発生します。
戦闘は基本的にオートで進行し、奥行きのある横スクロール画面となっています。
左側から自軍が、右側から敵軍が出撃してきます。やがて両軍が衝突しますので、前線の状況を見て武将のスキルを使用したり部隊を再出撃したりします。
そうやって敵側の拠点を破壊した方が勝利となります。
基本オートとプレイヤーが介入する要素が少ない分、一旦劣勢になるとなかなか巻き返し難いという印象です。
やはり数で劣っていると厳しい面もありますので、戦闘に臨む際はなるべく兵や部隊を増やしたりクラスアップで戦力増強したい物です。

戦闘画面は両軍の兵士がぶつかり合って前線を押し合います。
ゲームが進むと、大兵力同士がぶつかることが多くなります。

ガチャ

本作は探索コマンドで武将や装備品、徴兵で兵士を見つける事が出来ます。
しかしそれ以外でも、広告を見ることで武将1人、兵士5人、装備品5個のいずれかを選択して発見することが出来ます。
兵士と装備品は必ず獲得出来ますが、武将に関しては発見のみで断られる可能性があります。
それでも序盤は武将を探索に出す余裕もなかったりするので、兵士を必ず増やせると言う点が魅力ではあります。

群像劇

国取りゲームである本作ですが、エルバレス大陸を舞台にした群像劇という側面もあります。
オルケイアの末裔である聖王「エミリア」率いるグランレイヴ王国とゴルノアの末裔である皇帝「ゴルセイア」が支配するゴルノア帝国は祖先同士の確執から宿敵関係にあります。またこの2国は他の大国からも良く思われておりません。グランレイヴは5大国の盟主として振る舞い、大陸の秩序維持を最優先して来たという点。一方の帝国は私怨で軍備最優先し民を省みない暴君という点。こういった点が影響している様です。ただ帝国は私怨と言われていますが、初代皇帝ゴルノアの遺恨が歴代皇帝に継承されてきたのであれば国是と言っても良いのではと思ってしまいます。
他の各国も思惑を持って、君臣挙げて大陸統一を目指して行きます。
各国ともプレイヤー国として勢力拡大して行く際の他、敵国として勢力を衰えさせていく際や滅亡時にイベントが用意されています。
本作の武将は戦死や処刑されるといったことはありませんが、滅亡時のイベントで退場する武将は一部存在します。

他国を滅ぼしていきながら統一を目指します。

戦場を彩る人間関係

それぞれの思惑を持っているのは君主や臣下だけではありません。
ゲーム開始時点では無所属、在野の武将もそれぞれ思惑があり、武将同士でも人間関係があります。それは友人や師弟だったりライバルや怨恨など様々です。そういった関係のある武将同士が戦場で初顔合わせすると会話イベント発生する事も本作の群像劇的な雰囲気を強めています。

戦場でもイベントが発生することがあります。

まとめ

本作は内政や外交といった戦略的要素を極力排し、戦闘に特化して簡略化した印象のシミュレーションゲームです。取っつきやすくなっている反面、戦略シミュレーションとして見ると物足りない印象も受けます。
ただ戦で大陸統一を目指すステラテジー、SRPGとして見ると充分楽しめる作品となっていて、手軽に楽しめる分周回したくなる作りとなっています。このジャンルとしては高いストーリー性や王冠という要素も周回を誘われる作品と言えるでしょう。
先述したガチャ的要素も含め、現状課金要素はありません。
ハマる人はハマる作品と思われます。

一度エンディングを迎えても、他国のストーリーが気になって何度もプレイしたります。