【PS1】KONOHANA:TrueReport【感想】

2001年 SUCCESS

6 out of 10 stars (6 / 10)

春休みも終わろうとする桜舞う季節――。
僕は、此花学園に転校した。
この学園で、僕は残り二年間の高校生活を静かに過ごすはずだったのだが、
そのささやかな望みは、脆くも崩れ去った。
――始業式を前にして起こった、教師殺害事件。
橘美亜子という女の子に無理矢理捜査に協力させられた僕は、
やがて学園を覆う不吉な黒い影に巻き込まれていくことになる。
魅入られた者の元へ届けられる、死の予告状。
学園に伝わる、死神伝説――。
次々と起きる連続殺人は、本当に死神の仕業なのか?
その真相は果たして……。

公式サイトより
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概要

本作は2001年にサクセスからリリースされたADVで、『此花シリーズ』一作目となります。
PSとDCで出ていますが、当時プレイしたのはPS版のみとなっています。
全体的に低価格なシリーズでしたがキャラクターデザインをmoo氏が担当していて、氏のファンは手を出したのではないでしょうか。

ストーリー

話のほうですが、私立此花学園に転向してきた主人公『桃井恵』はヒロイン『橘美亜子』の着替えを見てしまったことから、そのことをネタに彼女に巻き込まれます。巻き込まれるというのは彼女の無茶に(美亜子と恵しかいない新聞部を正式な部活にする)ということです。
さて、その頃此花学園の体育教師が何者かに殺害されます。遺体の傍には「0」と書かれたメモが落ちていました、これは学園に伝わる「死神伝説」に見立てられたようです。
一方かねてからの念願である新聞部設立を、この事件を機に果たしてしまおうと、美亜子は事件に首を突っ込みます。聞き込みから得られる情報からして被害者は生徒から嫌われていた様子です。
やがて二人は、被害者が顧問をしていた水泳部に目をつけて聞き込み調査などを行います。
そうしている内に二人の元にも、「死神伝説」の通りのメモが届き、どうなるのかというのが粗筋です。

システム

システム面では特筆すべき点はありません。
普通に選択肢を選んで行く、オーソドックスなノベルゲーム形式のADVです。
低価格という事もありボリュームは値段相応といった所ですが、クオリティとしては悪くありません。

難易度はさほど高くありませんが、こういったゲームの常として選択肢一つ間違えると主人公やヒロインが死亡するBADENDを迎える事になります。死ななくても未解決といった終わりもあるでしょうが、BADには違いありません。BADENDになってもヒントが出ますので、何度かやり直せばGOODENDにたどり着くのは簡単でしょう。ただ、恵の転校がらみの話が出てくるBESTENDはいくらか努力が必要になるかと思われます。

推理物として

全般的に見れば、推理物としては物足りないという他ありません。犯人も選択肢で選ぶわけですが、非常に分かり易いため正しいルートを辿っていれば迷う事は無いでしょう。

とりあえずメモを2点
1.美亜子に押し付けられる宿題は、後々の話に関係します。ここは「英文」のほうを選んでおけば、トリックを見破れます。
2.終盤にもうひとつのトリックがあります、(グッドの場合)最後の死者が出る直前に古典的なトリックがあります。それを自分で見ていて分かれば、犯人は一発で分かります。

まとめ

やはりヒロインの美亜子がキャラクターとしてはややインパクトがあります。強引な性格と行動力で主人公の恵を振り回して、事件解決への突破口を切り開いていきます。もっとも本人は事件を解決するのには向いていないようですが。
また主に女子水泳部を舞台としていて、絵的には華やかな部分も多いはずなのですが、シナリオのためか全体的にはシリアスな暗い雰囲気の印象です。
それよりも解決した際は犯人の動機というか最初の犠牲者が鬼畜だったため、胸くそ悪い印象も受けました。
ジャンルとしては推理物ですが、それよりはキャラクターのやり取りを主体にしたゲームと言え、今後もそういった方向で作られていきます。
そんな本シリーズはこの後もレギュラーキャラを増やしながら4作まで続いていきます。