【PS2】此花2 ~届かないレクイエム~【感想】

2002年 SUCCESS
6.5 out of 10 stars (6.5 / 10)

死神伝説の事件から数カ月,桃井恵と橘美亜子は,悲願の新聞部設立に向けて精力的に活動を続けていた。
しかし平穏な日々はそう長くは続かず,恵を追って前の学校から桜田忍が転校。「推理探偵同好会」を創立し,恵たちの新聞部(自称)に勝負を挑んできたのだ。
そんなある日の夜,バスケ部の部室に火災が発生。火は早急に消し止められるが,中には焼死した三年生,南裕一郎の姿があった。
現場は密室。しかも,火の気のあるような場所ではなかったのだが……。
謎めいたメッセージとともに,次々と引き起こされる連続殺人事件。
はたして恵たちは,この難事件を解決し,忍との勝負に勝利できるのだろうか?


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概要

本作は2002年にサクセスからリリースされたADVで、『此花』シリーズニ作目となります。
PS2とDCで出ていますが、当時プレイしたのはPS2版のみとなっています。
システム面で特筆すべき点はありません。
本作の特徴として、シリーズ3人目のメインキャラが登場した事が挙げられます。

ちなみに画像はDC版の物です。

新キャラ

死神伝説事件から数ヵ月後、美亜子と恵は新聞部を認めさせるための活動を行っていましたが、そんな2人の前に1人の転校生、『桜田忍』が現れます。
忍はさも知り合いのような感じで恵に声を掛けてきますが、実際に知り合いで、恵が以前通っていた学校のクラスメートだそうです。
そんな彼女は恵が前作のBESTENDで語った転校の経緯に関わっているのですが、忍自身は恵と決着をつけるために追って来たのだとか。
ここまで追いかけると言うのはストーカーじみた執着心を感じざるを得ません。

事件

偶然にもこの頃、校内ではまたもや事件が起こってしまい、不謹慎にもこの事件の捜査で勝負することになってしまいます。
そしてその事件ですが、バスケ部の部室で一人の生徒が密室状況下で焼死してしまったという物です。
その死体にはネックレスがされていた、と言う事以外には被害者の評判の悪さしか出てきません。最初の被害者が評判悪いのは前作と同様ですが、同級生からも「死んで当然」といった言葉が出てくる辺り徹底しています。
そんな中新たな被害者が現れ、その傍に埋められていた金属片からある見立てへとたどり着くといった感じのストーリーになっています。
こう書くと、ドタバタ劇的雰囲気が強そうですが、それほどでもありません、むしろ話が進むにつれ、深刻さを増していく、といったところでしょう。

メモ

1.部室は後半に調べるチャンスがあるのでその時にきちんと調べれば、トリックが分かります。
2.ある被害者のダイイングメッセージ、これは犯人に直結するヒントです。どう解釈するかで容疑者が変わりますが、それなら容疑者たちの行動をチェックして見ましょう。

ギャルゲー要素

相変わらずと言うべきか推理物としては弱い印象を受けま。これはシリーズの伝統と諦めるしかないでしょう。
ですが、美亜子とのエンディング一択だった前作と変わり、本作からは美亜子か忍のどちらかにたどり着く事になります。
そこに行く着くまでに何度かバッドエンドで死亡したりするかも知れませんが。

メインヒロインは美亜子に違いありませんが、その強引な性格が合わないという方は方は忍エンド目指してみてはいかがでしょうか。
しかし上記の通り、あくまでも美亜子がメインヒロインなので美亜子エンドがベストエンド扱いとなります。ついでに言えば、これも今後シリーズの伝統になります。
また、この作品からは忍のほかに、科学教師の椎名 真由美、刑事の風間 壬和子が登場し、シリーズのレギュラーとなります。
これらにより4作まで続くシリーズの人間関係がほぼ構築されたと言えます。

まとめ

本作は女性キャラが多かった前作と比べて華やかさには欠けます。
しかし推理物としては全体的には良くなっています。特に手がかりが複雑になっていて、一目で分かるといったことはありません。
またキャラクターに関しては、本作ではレギュラーキャラが大幅に増え、先述の通りシリーズの人間関係がほぼ構築されたと言っても良いでしょう。
特にサブヒロインと言える忍は今後も