【Android】メビウスの心臓【感想】

2020年 gunsturn, Inc

7 out of 10 stars (7 / 10)

過去の自分を殺すためにタイムトラベルをした男を待ち受ける数奇な運命とは……?

GooglePlayより抜粋
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概要

本作はタイムリープを扱ったシンプルなノベルゲームです。クリアまでの所要時間は1時間程度となっています。

タイムリープした主人公に起こった異変

ゲーム開始冒頭、主人公がある人物を刺殺する場面が描かれます。これは今後起こるであろう事態である事を何となく示唆している様に感じました。

本作の主人公「芯」はある理由から過去の自分を殺害しようと計画していました。実際には自らが製作したタイムマシンで過去の自分に戻り自殺すれば事足りると考えていた様です。
しかし過去にタイムリープした主人公は、その身体が昔の自分で無い事に気付きます。
性別すら違うその身体はヒロイン「心琴(みこと)」の物でした。
それならばと主人公は、その身体で過去の自分を殺害しようとその日の行動を思い返して、行動に移します。
しかし主人公の想定していない事が起こるのでした。
果たして主人公は目的を達成出来るのでしょうか。

過去の自分を殺すのが主人公の目的です。
タイムリープしたら女性の身体になっていました。

システム

本作はシステム的には、ストーリーを読み進めて行き、要所で選択肢を選んで行く、オーソドックスなノベルゲームという印象を受けます。ただ詳細は後述しますが、本作は実質一本道の様な造りになっているのが特徴的と言えます。
また既読スキップやログ、オートといったノベルゲームに必要な機能は揃っていて、快適に読み進める事が出来ます。

最初に到達した分岐は一択という変わった造りになっています。

グラフィック、演出

本作はグラフィックなどがほぼ無く、文字のみという割り切った造りのノベルゲームとなっています。

ストーリー進行

ゲームを始めると、初回は選択肢が1択の1箇所だけで、何の成果も無くものの数分でタイトル画面に戻されます。
そして再開すると選択肢が増えていてストーリーを進める事が出来ます。こうしてタイトル画面へ戻る度に増える選択肢を追ってストーリーを進める本作は、先述した通り実質一本道と言えます。
ただこれは本作がタイムリープ物を装ったループ物である事を表している物と思われます。

ループの先

2、3周目辺りで主人公の行動を妨害している者の存在が感じられる様になっています。そしてその為に主人公は目的を達せられずループしていると推測する事が出来ます。
その正体も早い段階で分かりますが、妨害に至った経緯は意外な物で、主人公が目的を達成するのは不可能と思われました。
それでは過去の自分を殺そうとする主人公と過去の主人公を守ろうとする者による、いたちごっこの様な対峙が永遠に続く事になってしまいかねず、当人たちもその事を意識します。
しかしある人物により転機が訪れ、主人公は根本的な目的を達成し、このラストは上手く収まった感があります。
ただその際にある未来から過去を再現しようとする干渉がありますが、未来からの干渉によって再現される時間軸というのは本来あり得る物なのかという疑問も無くはありません。

主人公はループしている事に気づき始めます。

まとめ

本作は映像面では文字のみと言う事や、プレイ時間、ストーリーも一本道と言うことから中編小説を読んだ様な読後感があります。
ストーリーは少し気になる点はあるものの、タイムリープやループを組み合わせながらも、コンパクトに良くまとまっているという印象を受けました。

基本的には読みすすめるだけでループを抜け出せます。