【成人向けコミック】夜の風紀委員御手洗華子さん【感想】

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DATA

  • タイトル:夜の風紀委員御手洗華子さん
  • 作者:凪妖女
  • 刊行年:2010年
  • 巻数:全1巻
  • 出版社:実業之日本社
  • レーベル:マンサンコミックス
6 out of 10 stars (6 / 10)

夜の学校で、3階トイレの3番目のドアを叩いてごらん…
名前を呼ばれて飛び出すのはいったい…?
真夜中の学園ゆうれいさんたちと、エッチな七不思議を体験しちゃお~!!

Amazonより抜粋

概要

本作は実業之日本社より刊行されていた成人向け月間マンガ誌『comicキャンドール』にて2009年から2010年に掛けて連載されていた作品の単行本となっています。
学園の七不思議を扱った連作短編集の成人向けコミックです。

学校の怪談

トイレの花子さん、テケテケ、夜な夜な動き出す像、段数が変わる階段、etc…
学校にはいわゆる七不思議と呼ばれている物も含めて多くの怪談が存在し、学園物のフィクション作品で様々な形でネタにされています。そんな怪談の数々を独特な形でアダルティーに仕上げたのが本作と言えます。
主人公である高校3年の生徒「赤間 健斗」は風紀委員長を務めています。いわゆる見える体質であるという彼は、夜な夜な校舎3階トイレに住まう亡霊でヒロインでもあるトイレの花子さんこと「御手洗 華子」と夜の見回りを行ったり乳繰り合ったりしています。しかし見える事と物理的に干渉出来るのは別問題ではないかと思いますが。
そんな健斗が華子とともに他の亡霊と交流していくというのが主な流れとなります。

学園七不思議

本作は全体として学園七不思議になぞらえた造りとなっています。第1話の動く像に始まり、1話毎に七不思議の亡霊と出会って乳繰り合ったり交流や怪談の掘り下げがなされたりします。
上述した動く像の後は、鏡の中にいる少女やテケテケ、階段に住む亡霊など七不思議に纏わる亡霊や赤はんてんや髪が伸びる市松人形など七不思議外の存在も登場します。ただこうして見るとこの学校亡霊多すぎないかとも思いますが。
ちなみに今更ですが、本作に登場する主要な亡霊は少女の姿をしているため、もれなく健斗と交わります。風紀委員長が夜の校内で風紀を乱すとはこれ如何にといった所でしょうか。

死と亡霊

しかし後半、中盤から終盤に掛けて、亡霊が新たに追加される事態が発生します。校内で密かに事件が起こっていての事ですが、この件に関しては序盤から少し伏線が張られていたりします。
それに関連して7話目にして、七不思議の中で掘り下げられていなかった、トイレの花子さんこと華子の事が掘り下げられます。華子も亡霊である以上生前があった訳ですが、その最後が割と凄惨なものだった様です。それまで気楽なお色気オカルトなノリだったのが、終盤にシリアスな雰囲気を帯びてきます。
ちなみに華子の他に死因などが掘り下げられている亡霊としては鏡の少女と階段の霊ですが、前者は病死で後者はさらっと流されている上に当人が気にしていないという有様でした。
そういった事もあってか、死があったからこその亡霊であるという自明の事を見落としがちであり、その事に焦点を当てたと見る事も出来るかも知れません。健斗が通う学校に現れるやみ子さんやテケテケも実は悲惨な最後を遂げて化けて出て来ていたのではと思わなくもありません。ただ動く像や市松人形については元々生き物では無い訳ですが、亡者の霊魂が憑いているとでも言うのでしょうか。
そういった事に想いを馳せたりしますが、物語は意外な結末を迎え、七不思議は1つ増えます。まるで5人いる四天王みたいだと思ってしまうようなラストでした。

まとめ

絵柄で何となく電子書籍を購入して読んでみた所、成人コミックでした。
成人コミックのため、内容は半分ほどは性的描写でしたのでどうした物かと思いましたが、一応感想の記事を書いてみた次第です。
ただ性的描写を除いて見ると、ある程度しっかりした話であるという印象を受けましたが、調べた所連載誌自体が性的描写に至るまでの話を重視する傾向にあった様です。
成人向けコミックのため性的描写は多いので、絵柄などが気に入ればといった所でしょうか。