2021年 motsuhouse
気の知れた友人との、オンライン飲み会。
GooglePlay より引用
楽しく談笑する友人。
その背後には、ナイフを持った人物が潜んでいた。
それに気づいたあなたは…
友人を救出するために、どんな行動を選択するのか?
そして、救われるのは誰か。

概要
本作は複数エンディングのノベルゲームです。
クリアまでの所要時間は1時間以内となっています。
オンライン飲み会での出来事
感染症が世界的に蔓延しつつあった頃、人とのなるべく距離を取る、なるべく接触しないせずオンラインでといった取り組みがなされました。
そういった取り組みの中にweb会議システムを用いたリモートワークやビデオ会議などがあり、そういった取り組みは定着しつつある物もあります。
そんなweb会議などビデオ通話の活用法として、直接顔を合わす事が出来なかったりする相手とビデオ通話で飲みながら談笑するオンライン飲み会があります。
主人公の「小宮」は昔からの友人である「村田」と週末前にオンライン飲み会をするのが習慣となっていました。社会人となり距離が離れてしまった友人との談笑を楽しんでいた主人公ですが、村田が手洗いへと離席した際、webカメラが設置されたPC前に包丁を手にした女性が現れたかと思えば、不審な動きをした後、室内の押入れに入ってしまいます。
やがて村田が戻ってきますが、彼の背後にある押入れには包丁を持った女性が潜んでるという状況です。主人公はこの状況を打開する事が出来るでしょうか。


システム
本作はテキストを読み進め、時折現れる選択肢を選んでいくという比較的オーソドックスなノベルゲームとなっています。
基本的な機能としてはバックログ機能とスキップは実装されていますが、オート機能はありません。またスキップは押し続ける事で高速で進むという少し変わった形になっています。気になった点としては主人公以外、主に村田の台詞などが紫色の文字になっている点でしょうか。背景が黒色なので紫だと読み難いと感じる事もありました。主人公の台詞や独白が白色なのでそれと区別する為と思われますが、黄色や水色、黄緑といった明るい色なら印象が違ったかも知れません。
独特のシステムとしてはゲーム開始して2つ程の選択肢を通過し、主人公が村田の安全を確保しようとした際の選択肢が『話題』と『アクション』に分類され、別のアイコンから選択する形になっている事が上げられます。特定の話題を振って村田が離席する様仕向けるか、直接的な行動をもって村田に危機を知らせるかといった所になります。
またこれらの選択肢は特定のルートを通過する事でキーワードを閃くという形で追加され、次回以降の周回でも引き続き持ち越されます。こちらは如何にも周回前提のシステムといった印象を受けました。
また特定のポイントからやり直す機能もありますが、1周辺りが短い本作では活かされてない様に感じられました。


周回して友人を救え
先述した通り本作は周回前提の造りとなっています。エンディング数はBADが7でNORMALとTRUEで計9通りとなっていますが、閃きの関係上NORMALかTRUEに到達するにはBADをコンプする位の勢いで周回する必要があります。ただBADENDで村田が何度も殺傷され、たまに流れ弾の如く主人公が殺害されたりする中でも情報が入って来ます。村田の彼女に関する話や行方不明になった女性といった情報から何が起こっているのか考察していく事が可能と言えます。1周辺りのプレイ時間は短く、スキップも使用すると数分と掛からない為、考察しながら周回してTrueENDを目指して欲しい所です。

まとめ
本作のストーリー自体は非常にコンパクトな物となっています。しかし周回する事で友人を救い真相に到達するには多少の時間を要します。システム面ではやや足りない感がありましたが、本作のボリューム的にはこれで充分だったのかも知れません。
またエンディングに関して、友人を救うNormalENDと更に真相に到達するTrueENDの双方ともいくらか後味の悪さが残ると言うのが印象的でした。
