【邦画】もうひとりいる【感想】

2002年 61分

ある都内の廃校。3人の新人アイドルがグラビア撮影を行なっている。
休憩時間、アイドルの瑞貴は、別々の場所でマネージャー井坂の姿を目撃する。
不可解な現象に軽い恐怖を覚える瑞貴。雑誌編集者の滝本は“もうひとりの自分(ドッペルゲンガー)が現われたら、そいつはもうすぐ死ぬ”と言ってみんなを恐がらせる。
その直後、不自然にねじ曲がった井坂の身体が屋上から落ちてきた。廃校内はパニックとなる。
そこへ、ヘアメイクの倉橋や滝本のドッペルゲンガーが出現、それぞれ無惨な姿で死んでいく。
そして、ついに瑞貴たちのドッペルゲンガーまでも現われる…。

Yahoo!映画より抜粋
5 out of 10 stars (5 / 10)
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概要

本作は『呪怨』シリーズで知られる清水崇氏が監修を行い、柴田一成氏が初監督を行ったホラー映画作品です。
ラヴェンナ・ナイトメア・フィルム・フェスティバル観客賞受賞作品とされていますが、詳細は不明です。

廃校でのグラビア撮影現場

本作は冒頭の雑誌記者らしき人物に絡まれる場面の後、廃校にて新人グラビアアイドルの撮影が行われている場面から始まります。どうやら本編は冒頭の一年前に起こった出来事という事の様です。
そしてグラビアアイドルは、いかにも勝手が分からない様子の「上野 瑞貴」、あざとい風の「北条 有香」、撮影時無表情でマネージャーが言うにはクール系で売り出すという「島崎 摩耶」の3人。彼女たちを男性カメラマンの「山崎」が撮影し、ヘアメイクの女性「倉橋」がサポートする形で行われ、雑誌編集者の「滝本」と3人のマネージャー「井坂」がその様子を見ながら談笑していますが、滝本が好き勝手に言うのを井坂が追従しているだけの様に見えます。
当初教室内で撮影していましたが、校庭に移っての撮影が行われます。その様子を見る滝本は当初3人の初々しさを好意的に評価していたはずが、突然素人ばかりだとこき下ろしたりと言動が意味不明に感じられます。新人なのだから素人っぽいのはどうしようも無いと思われますが。
しかし気付けば井坂がいなくなっています。滝本が3人や山崎に尋ねた所、少し前まで離れた位置で滝本と座って見ていたはずの井坂を、撮影している山崎の後ろで立って見ていたと、瑞貴が矛盾した事を言います。
その矛盾から井坂のドッペルゲンガーが現れたとして、滝本は井坂の死亡が確定した様な言い様からドッペルゲンガーの話をした後、井坂を探すため廃校舎内へ入っていきます。
その後3人が着替え終わり、後は解散するだけとなった所で、井坂が上の階から変わり果てた姿になって落ちてきます。

撮影現場を襲う恐怖

それを見て叫び声を3人。そして山崎が携帯を取り出し通報しようとしますが、廃校舎から飛び出して来ていた滝本が無理矢理止めます。通常では考えられない行動で、何を考えているか分からない滝本でもそこまでするだろうかと思ってしまいます。
ただ作中の描写では分かり難いのですが、どうやら滝本は薬物をやっていて、警察が関わる事でバレる事を恐れた様です。井坂がいなくなる前、錠剤らしき物を口に含んで恍惚とした表情していたのがそれだったのかも知れません。
更に通報を妨害したばかりか、瑞貴ら3人を含めた計6人から携帯を取り上げて破壊した上に廃校舎の教室に閉じ込めてしまい次々と罪状を積み重ねて行きます。ただ舞台は廃校ですが、周囲には高層住宅らしき建物が複数見え、悲鳴をあげたりといった騒ぎになっているのに周辺住民は反応無いのかと思ってしまいます。
しばらく滝本が教室前でナイフ持って見張ってましたが、いなくなった隙を付いて倉橋が様子見で室外へ出ますが、間もなく彼女もドッペルゲンガーに屠られてしまいます。
どうやらドッペルゲンガーを見たら死ぬという訳では無く、ドッペルゲンガーに遭遇したら殺されるというのが本作におけるドッペルゲンガーの様です。他人のドッペルゲンガーに遭遇しても想像を絶する変顔を見せ付けられる程度で済みますが、遭遇したのが本人だった場合、呪いか何かといった謎の力で全身の骨をバキバキ折られて惨殺されてしまいます。
倉橋が屠られた事で山崎を先頭にして脱出を図りますが、ドッペルゲンガーが思いの外狡猾に動き、メンバーは疑心暗鬼に駆られたりし、人数を減らしていき次第に追い込まれていきます。
ただ冒頭で生存者がいるのは確定的と思われますが、果たして何人が脱出出来るでしょうか。

ドッペルゲンガー

本作に登場するドッペルゲンガーは一般的に言い伝えられているそれとは多少異なった特徴を持っています。先述したオリジナルを見ると問答無用で殺しにくるという点も大きいですが、ドッペルゲンガーがオリジナルを殺害する時の物を除いてダメージは共有される模様です。
またオリジナルや鏡など同じ顔に向き合うと表情を維持しきれないのか、人間離れした変顔を披露することになります。
しかしそれ以外は見分けが付かないため、別人のドッペルゲンガーに誤導されたメンバーに変わってドッペルゲンガーが混じったりしたりして、瑞貴たちは疑心暗鬼に陥ったりする場面もあります。

まとめ

本作はいわゆるB級ホラー映画として見るとそれなりに楽しめる作品という印象を受けます。
内容もびっくり系では無く、ドッペルゲンガーが披露する顔芸の不気味さ、自分のドッペルゲンガーに会ったら殺されるとか一緒にいる仲間が偽物かも知れないといった緊張感に近い精神的恐怖が中心というのも特徴と言えるかも知れません。
ただ本編の前後に挿入されている場面は余計では無かったかとも思います。冒頭がある事で生存者がいると予め分かってしまうため緊張感が緩和されてしまう点と、ラストは意味が分からないため必要性を感じなかったという点があります。
それを除くとB級ホラーとしてはそれなりに楽しめる作品という印象でした。