【Android】音無の井戸 ~33の願い事~【感想】

2016年 G.Gear.inc

5.5 out of 10 stars (5.5 / 10)

和64年8月―
少年はとある村の山奥で、ある不思議な”井戸”を見つけた。
その井戸から楽しそうな声が聞こえた。
「きみの願いはなんだい?」
―少年と井戸の奇妙な日常が始まる・・・

GooglePlayより抜粋
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概要

本作は井戸に願いを叶えてもらって進行するという一風変わったホラーゲームとなっています。

ある夏の田舎を舞台にしたホラーゲーム

主人公である少年は夏休みに、とある田舎にある祖父の家にやって来ました。
この村は序盤だと過疎化が進んでいるという印象を受け、少年と同年代の子供が見当たらない模様です。その為か遊び相手もおらず暇を持て余していた少年ですが、ある日の夕方、子供のものと思われる声を耳にします。
少年がその声がする方へ向かうと、そこには井戸があり、その井戸から声が発せられているのでした。
そして井戸は少年の願いを叶えると言うのでした。
昭和64年の実在しなかった夏、昭和と平成の間にあたる時期が本作の舞台となっています。

主人公である少年は井戸を見つけます。
井戸に願い事を聞いてもらう事で話が進行します。

システム

井戸に願い事をすると求められるアイテムを集めて納品するというのが流れとなっています。アイテムは3品目を各10個か各15という風に要求され、所定の採取場所へ移動して集める事になります。
マップはタップで移動するタイプですし、集める物のリストから採取場所が分かるようになっていたりマップ上にマークも表示される為、迷う事は無いでしょう。採取場所では採取可能なポイントが3ヶ所あり、それぞれ違うアイテムが採取されます。例えば田んぼでも案山子から手袋、藁の三角帽子から藁人形といった具合です。
ただ1つの採取ポイントから一度に採取出来るアイテムは5個までとなっていて、待ち時間が発生してしまいます。この待ち時間は序盤こそ1、2から数分ですが、終盤には20分以上と長めとなります。その場所にある採取ポイントを採り尽くした際に現れる砂時計を1回タップする度に5秒短縮出来ますが、20分以上だと焼け石に水といった感もありますので、大人しくアプリを落として他の事でもした方が賢明と思われます。
またアイテム集めの際は、採取するポイントをタップすればアイテムが出てきますが、このアイテムは判定が見た目より小さく感じられ、タップして拾うのはなかなか煩わしいものとなっています。アイテムを出せるだけ出してから何度かフリックして一気に回収するのが効率的と思われますが、実は拾わなくてもマップ移動すると自動で回収されているという親切設計だったりします。
更に本作はアイテム集めをしている最中など画面が白くなったり反転したりといった怪現象が起こるという演出がなされますが、中には田んぼ付近などに現れるというネット上の都市伝説をモチーフにした物もあります。
それら以外では、2周目からスキップやチャートの確認、チャートからのストーリーの読み返しなどといった機能が開放され、周回がし易くなる様になっています。

マップを移動して、要求されたアイテムを集めに行きます。
特定の場所をタップする事で、その場所に応じたアイテムが出現します。
たまに『怪奇現象』が発生する事があります。

周回する事で明らかになるストーリー

少年は当初、願いを叶えるという井戸を胡散臭いと思っていた様です。もっとも井戸が口を利くというのは胡散臭いというレベルではありませんが。
しかし些細な願いから叶えてもらっているうちに、少年は井戸に依存して行く様になります。その叶えてもらった願いも他者へ代償が行っていたりと不穏な雰囲気を感じさせます。
また井戸に足繁く通う少年自身も村人から避けられる様になって行き・・・といった具合にストーリーが進んで行きます。
そして呪われていると言い伝えられている井戸に呼び寄せられた少年が迎えた末路とは、とでも言いたくなる様な結末を迎えますが、エンディングを迎える事で新たなルートが開放され、3周目ではTRUEENDを到達出来る様になっています。そこまでの願いに関するストーリーで、村や井戸に関する真実が明らかになりますが、井戸そのものはそういった経緯と関係無く元々ある種の呪いが掛かっていて、それが事態を悪化させた一因の様です。ただ周回しても幕間のストーリーは変わらない為、その辺りは違和感を覚えなくもありませんが。
また周回する際、開放された場所は引き継がれますが集めたアイテムは引き継がれません。

1周目などをクリアすると新たなルートが開放されます。

まとめ

本作はアイテムの収集と納品を繰り返して進行させる、一風変わったホラーゲームとなっています。
雰囲気や時々起こる怪奇現象がホラー要素と言えますが、ビックリ要素は総じて少な目といって良いでしょう。
アイテムなどに伏線を盛り込んだストーリーはそれなりに楽しめます。

TRUEEND目指して行きましょう。

時間表記

しかし作中何回も、周回する場合はそれこそ何十回も表示される『午後18時』といった重複した時間表現に歯痒い物を感じてします。この表現だと午前6時とも取れてしまいますので紛らわしいのではとも思われます。個人制作などでは無く企業での制作なのでチェックをしっかりして欲しいとは思いますが、同じ会社のアプリでも目にした表現ですので、根深い物を感じてしまいます。