2013年 Unframe, Inc.

突然降り出した雨。
GooglePlayより
あなたは行きつけのバーで雨宿りをする。
あなた以外に客の姿は無く、マスターの暇つぶしに付きあう事に…。
概要
本作は全6+2話からなるホラーノベルゲームです。
一通りプレイするだけなら2、3時間程度と思われます。
オムニバス形式
本作は主人公がBARのマスターから怖い話を聞かされるという設定のオムニバス形式となっています。

全8編のうち、6編はマスターによる前置きや締めがあってやや落ち着いた雰囲気があります。
残り2編は追加シナリオ扱いなのか、本編のみとなっています。
そんな全8編の話で成りますが、それぞれの話は完全に独立していて、好きな話を選んで読み進める事が出来ます。

一つの話は短編と言うしかない長さですが、再プレイがしやすいとも言え、どの話をどのようにプレイするかはプレイヤーの自由となっています。
何なら初手でエンディングを見て、「エンディングだぞ、泣けよ」を体験する事も出来ます。
システム
本作は基本的にはオーソドックスなノベルゲームですが、一般的なノベルゲームとは異なる点があります。
はじめから
本作をプレイする時は基本「はじめから」です。
初回はもちろん、2回目以降も「はじめから」となっています。
一応SAVE&Loadはありますが、プレイ中の話を中断する時に使う物で、一回のプレイ時間が短い本作において使う機会は多くありません。
分かり難いですが、一応「はじめから」でも到達したENDの状況は保存されますので、「はじめから」でプレイするのが基本と思われますが、結局分かり難いと言えます。
Skip機能
本作はSkipやLogなどノベルゲームに最低限欲しい機能は揃っています。
しかしSkip機能については使い難い点がありますが、まずSkipは「一度読んだ箇所をSkipする」機能であるという前提で説明します。
本作のSkipが使い難いというは、本作の「はじめから」が読んだ箇所を保存しないという点です。
「はじめから」なのだから当然とも言えますが、先述したように本作は一度アプリを閉じるとほぼそれしか選択肢が無く、エンディング到達状況も保存されます。
しかし読んだ箇所までは保存されませんので、Skip機能は使い難いなっています。
ただ当然ですが、アプリを落ちさずに読み返す際には問題無くSkipを堪能出来ます。
チャート
本作は選択肢や分岐があるノベルゲームです。
こういったタイプのゲームだと選択肢や分岐からエンディングへの流れを表した攻略チャートが攻略情報として存在します。
しかし本作では広告を見る事で各話ごとのチャートを閲覧する事が可能となっています。
エンディングについては到達エンディングタイトルが表示されますので、未到達エンディングへの選択肢が分かる仕様です。

各話短評
一通りプレイしましたので、各話の感想を簡単に記します。
ただ『変わったバイト』と『嵐のxxx』はやや込みいっていて、それ以上の印象を受けなかったので割愛します。
暗い森
並びとしては先頭に位置している本ストーリーは、語り手が少年の頃夏休みに祖父の家に行った時の出来事という怪談としては定番の話ですので、導入としては良いのでは無いかと思われます。
分岐はありますが、話の設定は一貫している印象を受けました。
廃屋の女
廃屋の写真を撮りに行った語り手がひどい目に会う話です。
選択肢で廃屋内でひどい目に遭うか帰宅後ひどい目に遭うか分岐します。
どちらにしろひどい目に遭いますが、謂わくありの廃屋であることを考えると仕方ないかも知れません。
ビデオテープ
ビデオテープ絡みの怪談と聞くと、某呪いのビデオを思い浮かべてしまいます。
ただこの話は分岐によって視点人物が変わったり、原因がテープなのかプレイヤーなのかハッキリしません。
色々雑な印象を受ける話ではありますが、怪談とはそういう物では無いかとも思ってしまいます。
霧の谷
色々な意味で人間が怖い的な話という印象でした。
語り手はとんだ災難というレベルではありません。
出席番号29
マスターの語りがある話としては最後になります。
しかしその割には何だか微妙という印象です。
展開自体は割とありきたりで、分岐にもよるのかも知れませんが、ブラックジョーク的なノリをしたいのかと思うような妙なテンションな存在が出てくるのが何だかなあという印象でした。
悪い夢
最初の選択肢で大きく2つのルートに分かれます。
初回では悪夢を見た以外何も起こらないルートだったのが印象的でした。
まとめ
好きな話を選んで好きなようにプレイするホラー系ノベルゲームです。
エンディングは最初から開放されていますし、多分トゥルーエンディングも無く達成率も無く分岐も公開しているなど話を読ませる事に特化している印象を受けます。
そうなると話が合うかどうかという点になりますが、そこは短編集的なオムニバス形式なので話の幅は広いので気になった話があればプレイしてみるのもありかも知れません。
