総評: (6 / 10)
2001年 エンターブレイン
目次
概要とあらすじ
本作はアスキー(現KADOKAWA)の第4回アスキーエンタテインメントソフトウェアコンテスト(Aコン)のグランプリ受賞作品を2001年に商品化したものです。
精神科医のシアンは本業の傍ら、新聞でコラムを書いている人物です。
その人物の元にある晩、ある女性が訪問して来ますが、彼女はドア越しに銃を発砲し、脅すという強引極まりない手段で依頼をしてきます。
その依頼というのは「B.D」という少女の記憶を取り戻させて欲しいというものです。
まもなく事務所の電話が鳴ります。女性に促されて受話器をとると、その向こうからはか細い少女の声が・・・赤い色しか思い出せないという少女。シアンは彼女に言います。
「強くイメージするんだ」
システム、謎解き
ゲームシステムはそれほど難しくありません。少女自身となって彼女の記憶を探るパートと、シアンの事務所を繰り返しプレイすることとなります。
記憶の中は、最初は全く分からないかもしれません。
全くのバラバラで、とにかくきっかけを探すしかない、といったところです。
『記憶』は、少女の記憶の一場面を一つの部屋(空間)として成り立たせています。部屋同士は糸で結ばれていますが、手繰れる糸は最初はかなり限られています。特定の記憶を取り戻すことにより、記憶を手繰ることが可能になる、といったことだろうと思われます。
また体力のようなもので「精神ゲージ」があり、これは「記憶」のいたるところにある「精神障壁」を突破するたびに減っていき、ゼロになるとシアンの事務所に戻ります。
事務所に戻ると、シアンが再び受話器に向かうことにより、記憶の探索を再開できるのですが、記憶の探索が進むにつれ、シアンの周りにも奇妙なことが起こります。
壁や床に変化が現れたり、受話器のコードが切れる、といったことが起こります。シアンの身に一体に何が起こるのでしょうか・・・
グラフィック
グラフィックですが、元が「RPGツクール95」という事もあって、リリース当時でも地味過ぎるレベルでSFCレベルと言っても過言では無い印象を受けました。
しかしこういったゲームの場合、グラフィックそれほど気にはなりません。
ボリューム
プレイ時間、難易度などについてですが、ゲーム自体は難しくありませんので、じっくりプレイすればクリアできる程度のバランスです。
しかしじっくりプレイしたとしても5、6時間ほどでクリアできるでしょう。
何ともいえない小粒感で、もう少しプレイできればよかったかもしれません。
まとめ
上記の通りボリューム的には物足りない本作ですが、エンディングを迎えても1から10まで絵解きをしてくれるわけではありません。
それを不親切と思う人がいるかもしれませんが、それならば全てが明らかになった「記憶」のなかを見て回るのもいいかもしれません。
また、ラストですが、多少反則とでも言うべきか、プレイヤーが認識していた設定をひっくり返しに来ています。その辺りは如何な物かと思わなくもありませんでしたが、記憶内の所々にヒントがあったような気がしますので、個人的にはああいうのもありではないかと思います。
簡単にまとめれば、もう少しボリュームがあればと思わずにはいられません。