PCフリー版
2012年 ふみー

Android版
2020年 GOODROID

目次
概要
少女ヴィオラは、森の中にたたずむ謎めいた館へと容赦なく引き寄せられている。そこは痛みと混乱、そして死の場所である。その憎むべき闇と忌まわしい過去を調べよ。君の行く手を阻む謎を解け。そして魔女の家の地獄のような空間から逃げ出そう。
Steamストアページより
本作は元々RPGツクールVXで製作されたフリーのホラーゲームで、謎解きや雰囲気が人気を博し他メディアへも進出しつつあるようです。
また2018年にはツクールMVでリメイクされたバージョンがSteamで販売されています。
そんな本作ですがAndroid版リリースで知りプレイしてみましたが、Android版は操作性に難があって攻略を断念しPCフリー版で攻略しました。
今回はその感想となります。
ホラー死にゲー
本作の主人公は13歳の少女「ヴィオラ」です。
彼女が一人森の中で佇んでいる所からゲームは始まります。
何の説明もなく喋る黒猫が現れて、アドバイスとも何とも分からない発言をしますが、ゲームの雰囲気から何となく本作はそういう物だろうと受け入れてしまいます。
ちなみにこの黒猫はセーブポイントで、ゲーム最終盤までお世話になります。
森から出る手段が無く、主人公は黒猫に見守られ「魔女の家」に入りますが、これはAndroid版プレイヤーに取って地獄の始まりと言えます。

「魔女の家」は家というよりは屋敷や館といった規模の建物で、全5フロアからなります。
本来は家と言っても良い建物が、魔女の力で変容している可能性もあり、実際そういった事を思わせる部分もあります。
そしてその建物は入った直後の部屋で壁で圧殺する事で初見プレイヤーに洗練を喰らわせ、本作が即死ギミックを多数搭載した死にゲーであると気付かせてくれます。
その後も即死ギミックで死にながらトライアンドエラーを繰り返し、即死ギミックを回避しつつ謎解きして進んで行きます。
しかしAndroid版では操作性が大きな壁として立ちはだかります。
操作性など比較

記事冒頭で述べましたが、元々Androidをプレイしてその感想を書く予定でした。
しかし個人的な操作も悪かったのかも知れませんが、Android版の操作性に難がある事は間違いなく、アプリ内プレイ時間は50分足らずながら実際の総プレイ時間は2時間を超え、カウントされる死亡回数は100回を超えたにも関わらず、最後を攻略出来る気配が無かった為、Android版での攻略を断念しました。
それからPCフリー版をDLしてプレイした所、1時間程度で攻略しました。
格段に短時間で攻略出来たのは、謎解き方法を知っていたこともあるでしょうが、操作性が段違いであった事は間違いありません。
今回プレイしたAndroid版とPCフリー版の違いについて、以下に記載します。
Android

Android版の操作はフリックで移動するという物です。通常の操作ではさほど気になりませんが、本作では「熊」に代表されるような、迫って来る敵に捕まれば死亡という場面が多々あります。
そういった場合、敵を室内で撒いてから逃げる事を要求される事もあり、そういう時にスムーズに操作出来ずに引っかかったり、1キャラ分の通路に上手く出られなかったり、指でキャラが隠れて誤操作といった有様で死にまくる事になります。
あと画面が切り替わるとフリックし直さなければならず、最終局面においては画面の切り替えにタイミング合わせてフリックし直さなないと死に直結し、おまけに画面の切り替えも多発します。
PC版より救済措置は多く、広告を見る事で死ぬ直前の場面からリトライする事も出来ます。しかし最終局面の途中からリトライとなると、20秒程度広告を見る→5秒程度で死ぬ→20秒程度の広告を見るといった状況もあり精神力を削られて行きます。

ただ操作性では劣る物の、PCフリー版よりグラフィックは洗練されていて、バイブレーションを用いた演出などといった部分はPC版より優れていると言えます。
PCフリー(ツクールVX)


PCフリー版はRPGツクールVXで製作されていて、後発であるAndroid版と比べてグラフィックは粗削りといった印象です。
またリトライ機能が無く、死ねばセーブポイントからやり直しとなります。
しかし物理キーボードが使える事があって、操作性は段違いと言えます。
その為死亡回数はAndroid版と比べて問題にならない程度に留まり、リトライ出来なくてもさほど気になりませんでした。

ホラーゲームとしての感想
操作性などを抜きにして、純粋にホラーゲームとしての感想です。
本作の展開を簡単に説明すると「魔女の家」という得体の知れない空間からと森から脱出するのが目的と言えます。
恐らく魔女によって変容してしまったと思われる「魔女の家」は想像以上に不気味な空間で、複数のキャラが登場しますが、即死ギミックである敵キャラを除けば姿形が描写されているのは黒猫や花とカエルくらいの物で、それ以外のキャラはどういった姿形か分からないという得体の知れない不気味さがあります。
もっとも上記の姿形が描写されているキャラは、姿形が見えないとゲーム進行に支障があるという面もありそうです。
また不意に赤い物が壁に付着したり、甲冑が歩いたりといった細かい演出も多く、本作の不気味な雰囲気を強くしています。
そんな不気味な館での謎解きという部分は徹底していて、本作では扉の解錠するのに鍵は使わないと作中で明示されています。必ず何かしらの仕掛けを解除しなくてはいけないというわけです。
その反面ストーリー性は弱く感じ、作中の多くないテキストから色々設定があるのは感じられますが、作中で直接の描写はしていません。その為ひたすら謎解きしている印象が無くもありません。
しかしストーリー性が多少薄く感じても、不気味な雰囲気や謎解きといった要素が秀逸な為、ホラーゲームとしては優れていると言えます。

まとめ
本作は短時間で楽しめるホラーゲームとして製作されています。
純粋にホラーゲームとして見ると良作と言えますが、Android版では操作性が障壁となります。
今後操作性について修正がなされる事を期待したい所です。