目次
DATA
- タイトル:シャドーハウス
- 放送クール:2021年春
- 話数:13話
- 制作:CloverWorks
- 監督:大橋一輝
- 脚本:大野敏哉、豊田百香、大西雄二、山崎莉乃

この館には秘密がある──
公式サイトより抜粋
断崖に佇む大きな館「シャドーハウス」で貴族の真似事をする、
顔のない一族「シャドー」。
その“顔”としてシャドーに仕える世話係の「生き人形」。
ある日、“シャドー”一族の少女・ケイトのもとに一人の“生き人形”が訪れ、
“影”と“人形”の不思議な日常が始まる。
概要
本作は2018年より週刊ヤングジャンプで連載されているソウマトウ氏による同名マンガをアニメ化した物です。
謎の存在が住まう館を舞台にしたゴシックミステリー
本作はシャドーハウスで、生き人形と呼ばれる存在の少女『エミリコ』が目を覚ますという場面から始まります。名前も最初は付いていませんが、程なく自らの主人であるシャドーの少女『ケイト』によって名付けられます。
ケイトらシャドーと呼ばれる存在は、その名の通り影の様な真っ黒な姿をしていて表情が分からないという事があり、その顔の役割や身の回りなどをするのが生き人形である事は分かって来ます。しかしシャドーとは何かとか生き人形と人間の違いだとか、そもそも館の外に人間はいるのかだとか様々な疑問は湧いてくるものの、序盤から中盤に掛けてはこちらの疑問はお構い無しにストーリーが進んで行きます。
最初は聡明な印象を受けるケイトといかにもなドジっ娘という印象が強いエミリコの主従のみで話が進みますが、エミリコは生き人形たちによる合同の清掃を通じて他の生き人形と交流をしていくなど徐々に話が広がっていきます。
しかしそういった会話の端々で意味深な言葉だったり不穏ととれる雰囲気があったりします。
またその途中にはシャドーが出す煤が集まる事で『こびりつき』と呼ばれる意思を持った存在やさらにその集合体である『亡霊』と呼ばれる存在が現れたりし、生き人形が煤を吸い込む事で錯乱したりするのは館の闇を感じさせます。
謎解き脱出アドベンチャー
中盤から終盤に掛けては、序盤から仄めかされていたお披露目が描かれます。
これはシャドーと生き人形の相性を見るなどといった意味合いがあるそうで、シャドーはお披露目を終えて一人前になるのだとか。
そして一緒にお披露目を行うメンバーのうち、生き人形は皆エミリコが何らかの形で一緒に行動した顔ぶれとなっています。
どうやらこのお披露目は特に決まった形式は無いようで、試験官の裁量に任されると同時にその能力も試される様です。そしていかにも上昇志向が強そうな試験官である特別な生き人形「エドワード」は、シャドーと生き人形を離れ離れにした上で、様々な仕掛けがなされた庭園から主人であるシャドーを助けて制限時間内に脱出しろという課題を出してきます。
生き人形たちは1つだけ道具を与えられ、情報が足り無い地図を頼りに仕掛けを解いたりしながら主人探して行きます。その様子はさながら謎解き脱出アドベンチャーといった様相と言えます。
お披露目参加者たちは競争相手ではあるものの、協力し合ったりしながら救出と脱出を目指しています。ルールとしては制限時間内での救出と脱出が条件ですので、ルール上は全員が達成する事も可能です。しかしお披露目は最低一組の足切りが義務付けられているようで、全員合格は試験官に取って都合が悪い事が分かります。
そしてお披露目は視聴者に取ってはいくつかの衝撃を伴って終幕となります。
シャドー家の闇は深い
お披露目の後、視聴者に対してシャドーと生き人形についての説明がなされます。序盤から最も気になっていた情報がようやく明らかにされる訳ですが、これについては邪悪という感想しか出ませんでした。
シャドーハウスの文字通り上層部がどの様な目的を持っているか、今回は明らかにされませんでしたが、何らかの野心を持っているとは思われます。
アニオリで迎えるラスト
そしてお披露目や説明が終わった後の最終盤ではケイト、エミリコ主従に魔の手が忍び寄ります。ここでもお披露目での同期に当る主従たちが協力して無事危機を乗り越え、一段落といった所で終わっています。意外なキャラが要所で活躍したりするこの最終局面ですが、どうやらアニオリの様です。そのため原作と異なる展開になっている様で、2期は最初から想定していないのではという見方もある様です。一応原作者が作っていたIFプロットがベースになっている様ですが。
登場人物たち
本作の登場人物は多めで、お披露目の同期だけでも熱血漢な「ジョン」と冷静な「ショーン」の主従、明るくお喋りで顔を溺愛している「ルーシー」と寡黙で冷静ながら意思決定が苦手な「ルウ」の主従、貴族然としていてプライドは高いが義理堅い「パトリック」と自信家な「リッキー」の主従、無口な「シャーリー」と内気な「ラム」の主従と4組8人となっています。エミリコと同じ清掃の班員や星付きと呼ばれる責任者的立場だったりと生き人形が登場し、更にその主人であるシャドーもいる訳です。
ただ本作の場合は主従が一対として登場する事が多い為、主従が紐付くため人数の割には覚えやすいという事がありそうです。
そしてシャドーの中にはすす能力と呼ばれる固有の能力に目覚める者もいます。ケイトはすすを介して物を動かしたりといったもので汎用性が高いですが、ジョンは破壊力の高いパンチとなっていてその性格も相まって1人だけバトル漫画の主人公みたいな感があります。
まとめ
本作は大規模な洋館を舞台にしていて、基本的にはゴシックな雰囲気となっています。
しかし序盤は不気味さと不穏な雰囲気が入り混じっていますが、お披露目以降は謎解きやサスペンス的雰囲気が強くなっていく様に感じられました。
えげつない行為をいともたやすくやってのけるシャドー家ですが、その目的すら分からないまま終わってしまいました。
出来れば2期に期待したい所ですが、原作の販促と割り切って制作されている可能性もあり、そうだとすれば期待薄かも知れません。