【Android】死神探偵少女 ~ 推理サスペンスアドベンチャー【感想】

2018年 cretia studio

7 out of 10 stars (7 / 10)

「この5人の高校生たちの中に死神がいる」
死神の凶行を乗り越えた先に行われる投票ゲーム。
このデスゲームに勝たなければ、”死神の館”から脱出することはできない。
記憶を失った主人公に襲いかかる、絶体絶命のピンチ。
論理と証拠で無実を証明せよ!

GooglePlayより
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概要

「推理サスペンスアドベンチャー」と銘打った本作は「脱出探偵少女」の続編ですが、ストーリーとしては前日譚と言える物になっています。
クリアまでの所要時間は約4、5時間程度となっています。

総評:6.5/10点 本作はサブタイトル通り「脱出推理ノベル」と銘打った脱出ADVアプリです。 クリアまでの所要時間は4時間程度と思われます。
前作の紹介記事です。

犯人当てデスゲーム

冒頭、主人公の少女が目を覚ます場面から始まります。
目覚めた部屋に見覚えが無い所か、主人公は記憶を失った状態となっています。
更には同じ室内には別の少女が倒れているのを発見しますが、後に死亡が確認されます。
そして同じ建物に閉じ込められていた人物たちやある一室の記録映像、更には前作に引き続き登場のNo.9などから、主人公たちは近隣の高校生が所属しているネットサークル怪奇研のメンバーで、例によってデスゲームの為に拉致監禁された事が判明します。それによると怪奇研メンバーの中に毒薬で犯行を行う「死神」がいて、その死神を2回の投票で決定する投票ゲームであるとの事です。最終的に死神とされた人物は居残りとして建物に残されるそうですが、デスゲームである以上どうなるか言うまでもないという気がします。
もちろんの事ですが、居残りされるのは実際に主催と結託して犯行に及んだかどうかは関係ありません。
また前作のゲーム参加者が寄せ集めだったのに対し、今回は既存のサークルメンバーを参加させるといった辺り趣向を変えた印象を受けます。仮に助かってもサークル内の人間関係は変わってしまうか、閉鎖も有り得そうです。

気が付いたら見知らぬ部屋。
この手のアプリではありがちな導入ではあります。
本作の主人公。

最初から追い込まれている主人公

主人公は死神が所持していた薬品によって、記憶を消されてしまいます。
更には先述の通りメンバーの1人が遺体となっていた部屋で倒れていた事から居残り最有力候補と見なされます。
その後調査を行うも、一回目の投票では一人負けと言える結果になってしまいます。
この様な状態から主人公が疑いを晴らして逆転出来るかという点が気になる所と言えます。

主人公は記憶を無くしています。

投票で選ばれると
有無言わさず罰として居残りです。

システム

本作は前作にあった脱出パートは無くなっています。
調査パートと議論、推理のパートが主になっています。

調査パート

MAP上で部屋を移動し、室内をタップして調べていく、脱出ゲームなどではオーソドックスなタイプです。
調べて証拠品を集めて行きますが、全て集めると強制的に次のパートへ進行します。
また5つある個室の内、調査出来るのは2つだけなど探索可能な場所は少なく、調査中にフラグでイベントが進行する事も殆ど無く、探索可能な場所が終盤に1つ追加される程度で、非常に淡白な印象を受けます。

マップを移動して調査する
オーソドックスなタイプです。

調査パートで調べられる場所はそれほどありません。

議論、推理パート

全ての調査を終えると、No.9によって議論の間と呼ばれる部屋に召集され、投票する為の議論が行われます。
その議論において、他の参加者は言うまでもなく主人公に容疑を向けてきますので、反論可能な発言に対して証拠品を提示する事で対応します。前作同様ライフが3つ与えられていますので、少しのミスは問題ありません。
そうやって容疑を晴らした後で、ようやく主人公が反撃を開始し、事件の流れを推理して行きます。選択肢を選んだり証拠品を提示して推理を進めて行きます。
この辺りは議論パートと明確に分かれている訳ではありませんが、本作が「推理サスペンス」と銘打っている以上、推理パートとして分けた方が妥当かも知れません。

相手の発言に対して証拠を突きつけていきます。
前作同様、自問自答スタイルの推理もあります。

ストーリーについて

システム的には前作と比べて簡略化された本作ですが、その分ストーリーに力を入れた様に感じられます。
前作同様、主催と結託している「死神」の動機は復讐と言えますが、本作はより一層重いものとなっています。「その罪、その罰、誰が受ける?」というのが本作のキャッチコピーですが、その通り犯人やその動機となった「罪」を明らかにした上で、「罰」を受けるべきは誰かといった話が展開される最終盤やラストは救いようの無い雰囲気となっています。この手のアプリで多い、「犠牲はあったが犯人は罰されたし何とか助かった」といかない結末のため、好みが分かれるかも知れません。
本作では最終盤で分岐して3つのENDが用意されていますが、どれも救われない雰囲気な辺り徹底していると言えます。ただ3つの内前作に繋がるEND3がBESTEND扱いとなっている様です。

推理物として

前作と比べて、推理物としての歯応えは増している印象を受けました。
ゲーム参加者たちはネットサークルメンバーという事もあって中盤あたりまではハンドルネームとなっていて、犯人がそれに関してトリックを仕込んでいる事とある一点が事件を複雑にしています。そういった要因に気付くまではなかなか悩まされました。
推理が状況証拠の積み重ねで言い逃れようの無い決定的な証拠が無いのは少し残念ですが、その辺りはゲームの進行上仕方無いのかも知れません。

物証やメモが証拠として残されます。

死神を指名できるでしょうか。

まとめ

本作は前作と比べると、脱出パートを切ってストーリー面を強化した造りとなっています。
ただ前作が脱出パートで全参加者を掘り下げたのに対して、本作のストーリーは焦点を絞っていたり余り救いが無かったりといった点で好みが分かれそうです。
また序盤はNo.9しか前作との繋がりが見えませんが、中盤には前作プレイ済であればストーリー上の繋がりが分かる様になっています。
前作同様、話を続きを仄めかす様なラストになっていますので、続編を期待したい所です。
また物語開始以前に主人公が解決したという事件が有料追加ストーリーとしてありますので、興味のある方は購入して見ても良いかも知れません。

END3がBESTというより1と2がBADという印象です。