【邦画】都市霊伝説 心霊工場【感想】

心霊現象の目撃談が絶えない廃工場を取材していたホラー映画監督のトヨカワが失踪した。真紀はメモリーに残された映像を観て愕然となる。ホラーサークルを率いる恵梨のもとに出版社から廃工場取材の依頼が舞い込んでくる。恵梨たちが行った事を知った俊郎は救出の為に廃工場に急行する。

Amazonより抜粋
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DATA

  • タイトル:都市霊伝説 心霊工場
  • リリース年:2010年
  • 時間:77 分
  • 制作:ムービープラネット
  • 配給:ムービープラネット
  • 監督:小沼雄一
  • 脚本:小沼雄一
3.5 out of 10 stars (3.5 / 10)

概要

本作は『都市霊伝説』と冠した4作品からなるシリーズの一つとなっています。
曰く付きの廃工場で起こる惨劇を描いています。

曰く付きの廃工場

本作はオカルト雑誌『アトランティア』編集部で企画の打ち合わせが行われる場面から始まります。その中で近場の廃工場を取材する流れとなっていましたが、新人の女性編集者「峰岸」がネットでは噂になるもののメディアには取り上げられていない『シノヤマ』廃工場を取材したいと提案しますが、編集部員の半分ほどは渋い顔をします。
後で峰岸が編集長から聞いた話では、シノヤマ廃工場は曰くがあり、数年前取材にいった女性編集者「小野 美香」が行方不明になったのだそうです。廃墟に行って行方不明となると事件性を疑うべきで女性なら尚更と思われますが、警察が捜査したとかそういった話はありません。
また峰岸は彼女が現在使っているデスクは小野が使っていた事や、隣席である女性編集者「内田」が小野と同期だった事などを聞かされます。
その後、ある喫茶店で談笑しているオカルトサークルの会長「恵梨」の元に、シノヤマ廃工場について取材したいと連絡がありました。謝礼が出ると聞いた恵梨は話を受け、喫茶店店主の姉が止めるのを聞かずメンバーとともにシノヤマ廃工場に向かうのですが、視聴者視点では死亡フラグでありサークルメンバーに惨劇が起こるであろうと容易に予想出来る展開と言えます。
またアトランティア編集部の内田もシノヤマ廃工場を下見すると編集部に連絡し、現地に向かっていました。

オカルトサークルを襲う惨劇

サークルメンバーはシノヤマ廃工場前に到着しますが、廃工場敷地の門は当然門扉が閉ざされていました。恵梨たちは少しの間躊躇する様子を見せますが、門扉もさほど厳重な物で無く胸程度の高さだった事もあり1人が門扉を乗り越えたのを皮切りに続々と廃工場へ侵入します。
そうして廃工場内に侵入したサークルメンバーですが、程なく謎の人影がドア越しに怒鳴ったのを切っ掛けに廃工場の奥へ追い立てられます。
そこから外へ抜け出そうとしたのですが、メンバー内でイチャついてる男女がいるのに苛ついたらしい1人が先行した所、何者かに引き摺られて行き行方不明となってしまいます。
一目で通常では考えられないような事態が発生したため、可能かどうかは別として姿が見えなくなっていたのであれば全員でまとまって脱出してから助けを求めるというのがベストでは無かったかと思いますが、メンバーの中にはシレッと脱出を図ろうとする者がいた上に恵梨は残ったメンバーにも捜索を継続させた事から、1人になった所を突かれて次々と引き摺られて行きます。
ちなみに携帯は見えざる力が働いているのか通じない模様です。
そしてオカルトサークル副会長「俊郎」は恵梨の姉に依頼されて一緒に廃工場へ向かいます。
一方、アトランティア編集部の峰岸と男性編集部員「杉山」は映画監督「トヨカワ」から送られてきた映像とビデオ、さらに小野が残していった物と思しき手紙を見ることで小野失踪の真相に迫りつつありました。
そうは言っても何か調査をした訳では無く、手掛かりが勝手に転がり込んで来ただけですが。
そうしている内に俊郎と恵梨の姉は廃工場に到着し最終局面となります。
果たして恵梨たちの安否は如何にといった所でしょうか。

ホラーとして

端的に言えば恐怖感は薄いと言えます。
例えばサークルメンバーたちは次々と引き摺られて行ってますが、その末路を示唆する様な描写が無いため、恐怖感を削がれている面があります。
これが流血描写だとか身体のごく一部でも千切れて残っているとか肉体的描写に限らず無事では済まない描写があれば恐怖感は幾分か煽られるかも知れません。
またサークルメンバー引きずって怪異は姿を見せず、終盤に現れる怪異と同一とは思われるもハッキリしない辺りも興を削がれている感があります。
更に冒頭でシノヤマ廃工場に侵入していたトヨカワ監督が普通に生還していたと思われ、映像や戦利品を送りつけていたりと恐怖感を薄れさせる様々な演出が施されています。
ただラストは人によっては少し気持ち悪いかも知れません。

まとめ

タイトルに心霊と付けていながら物理攻撃も入って来る、ホラーとサスペンスを合わせて4で割った様な内容の映画です。
ホラーとして見ると脚本からして破綻している様に見えますが、先述した様に恐怖感を薄れさせる様々な演出が施されているため、ホラーが苦手な方でも流し見出来るのはある意味親切かも知れません。