【2022年アニメ】SPY×FAMILY【感想】

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DATA

  • タイトル:SPY×FAMILY
  • 放送クール:2022年春、秋
  • 話数:25話
  • 制作:WIT STUDIO、CloverWorks
  • 監督:古橋一浩
  • 脚本:河口友美、山崎莉乃、谷村大四郎、加藤穂乃伽、久尾歩

人はみな 誰にも見せぬ自分を 持っている――
世界各国が水面下で熾烈な情報戦を繰り広げていた時代。
東国オスタニアと西国ウェスタリスは、十数年間にわたる冷戦状態にあった。
西国の情報局対東課〈WISEワイズ〉所属である凄腕スパイの〈黄昏たそがれ〉は、東西平和を脅かす危険人物、東国の国家統一党総裁ドノバン・デズモンドの動向を探るため、ある極秘任務を課せられる。
その名も、オペレーション〈梟〉。
内容は、“一週間以内に家族を作り、デズモンドの息子が通う名門校の懇親会に潜入せよ”。
〈黄昏〉は、精神科医ロイド・フォージャーに扮し、家族を作ることに。
だが、彼が出会った娘・アーニャは心を読むことができる超能力者、妻・ヨルは殺し屋だった!
3人の利害が一致したことで、お互いの正体を隠しながら共に暮らすこととなる。
ハプニング連続の仮初めの家族に、
世界の平和は託された――。

公式サイトより抜粋
7.5 out of 10 stars (7.5 / 10)

概要

本作は週刊少年ジャンプにて2019年9月から遠藤達哉氏によって連載されている人気漫画のアニメ化作品です。アニメ1期は2022年春と秋の分割2クールで放映されました。
敏腕スパイ、殺し屋、超能力者が素性を隠して家族として暮らす様子を描いたホームコメディとなっています。

敏腕スパイに与えられた任務

本作はウェスタリス(以下西国)の諜報機関『WISE』に属するスパイ「黄昏」に突然家庭を持つようにという指示がなされる場面から始まります。
あまりに唐突と感じられますが、どうやら西国とかつて戦争を繰り広げるも、現在は和平状態の隣国、オスタニア(以下東国)と再度緊張状態になりつつあるため、東国の実力者「ドノバン・デズモンド」に接触する必要があるとの事です。
そしてそのためには表舞台には滅多に出て来ないデズモンドが顔を出すという、東国の名門『イーデン校』の懇親会に参加しなくてはならず、その要件を満たす第一歩として黄昏に仮初の家族を作って子供をイーデン校に入学させる様にという指令でした。
このデズモンドとの接触を目的にした一連のミッションを『オペレーション ストリクス』として発動され、黄昏は東国に潜入する事になります。
この任務は非常に遠回りな印象を受けますが、相手に接触する機会が非常に限られていて、さらに目的が継続的な対話という事でこの様になった模様です。

スパイ活動のために作られた家族

そこで東国にて精神科医「ロイド・フォージャー」として諜報活動を活動した黄昏は、イーデン校に入学させる子供を探して孤児院を訪れます。
しかし読心能力を持つエスパー「アーニャ」に目を付けられます。東国の研究所で生まれた彼女は黄昏がスパイだから面白そうといった雰囲気で、黄昏に取り入って養女となります。しかし読心能力によるカンニングが上手く行かなければ、素の学力はポンコツといった様相を呈していて入試などで苦戦する事になりますが。
ただ2次試験的な面接においては父母同伴である事が条件であるため、黄昏は急遽母親役が必要となります。しかし折しも東国内ではスパイ狩りが行われていて、女性スパイも不足しているのだそうです。スパイ認定されて逮捕されたらどうなるのかと考えるのは恐ろしい部分もありそうです。
そこで自ら母親役を探す事になった黄昏ですが、市役所勤務の「ヨル・ブライア」とめぐりあいます。しかし彼女は東国の暗殺組織に所属する暗殺者「いばら姫」という裏の顔があり、それを能力で知ったアーニャが例によって面白そうだからと誘導したという面もあります。
そうしてロイドとその娘アーニャと後妻で継母のヨルという設定のフォージャー家が成り立ちました。
そうして無事イーデン校に入学し、デズモンドの次男「ダミアン・デズモンド」や軍事企業CEOの娘「ベッキー・ブラックベル」らと同じクラスになったアーニャは学校生活が始まった事でオペレーションストリクスは最初の段階をクリアしたのでした。

世界観、雰囲気など

本作の世界観は欧州らしき地域に東国、西国という設定から冷戦期の東西ドイツを連想させるものになっています。
それに携帯電話なども無く、所々古めかしさを感じる雰囲気は冷戦期がモデルと考えると納得行きます。
そんな世界観でスパイをテーマとしつつも、全体的にコミカルな雰囲気ではありますが、暗殺や拷問まがいの尋問などテーマに沿った殺伐とした面も垣間見えたりします。
また変装を得意とし、頭脳や身体能力も高いなどスパイとして優秀なロイドこと黄昏、暗殺対象を護衛もろとも正面から叩き潰すなど人間離れした身体能力を持つヨル、そしてその超能力で父役と母役がお互い隠している裏の顔を知っているアーニャの3人による仮初めの家族が生活する日常が中心に描かれ、ドタバタ日常コメディにスパイや超能力などといった要素を加えた様なエピソードが多く描かれる事となります。

家族への想いと日常

黄昏は当初、フォージャー家を任務を成功させるための駒と見ている様子が見て取れましたが、イーデン校の面接で憂さ晴らしで意地の悪い質問ばかりする面接官に対して怒りを表すなど変化が出て来ます。ただアーニャを引き取って間もない頃に誘拐された時は危険を冒して救出してますが、それは子供を犠牲にする訳には行かないという判断なので別と言えます。
そんな面接をクリアした後2クール目に入るとフォージャー家の新メンバーとして予知能力を持つ犬の「ボンド」が加わります。もっとも予知が出来ても犬であるため、伝える手段は限られていて専らアーニャが活用する事になります。
ボンド加入後はフォージャー家の日常やアーニャの学校生活が中心となりますが、両クールを通して日常描写の中で、ヨルの弟で東国の秘密警察に属していて重度のシスコンである「ユーリ・ブライア」や黄昏に強い憧れを抱いている女性同僚スパイ「夜帷(とばり)」などといった癖の強い人物が登場し、フォージャー家に影響を与える形でストーリーが進んで行きます。

オペレーションストリクスの達成は遠い

その一方で黄昏の主目的であるオペレーションストリクスの進捗は非常に鈍く、懇親会への参加資格を得るのに『星(ステラ)』と呼ばれる勲章が8つ必要ですが、先はあまりに遠すぎます。
そこで黄昏はアーニャがデズモンドの息子であるダミアンと交友関係を持つことでデズモンドと対話する機会を得るというプランBも検討しますが、こちらも感触は宜しく無いという印象を受けます。
ただ状況自体は変わらないものの、ラスト付近では思わぬ進展もあります。

まとめ

本作は素性を隠している仮初の家族が織りなすドタバタ日常ホームコメディといった印象です。
日常中心である事と、オペレーションストリクスの進捗具合から何期かに渡って放映されるものと思われます。
今年は2期と劇場版も決まっていますので、今後の展開に期待したい所です。