【邦画】テケテケ【感想】

2009年 70分

5.5 out of 10 stars (5.5 / 10)

ある日、可奈(大島優子)のクラスメートの綾花が下半身のない死体で見つかる。学校でも下半身のない女性が相手の足を奪う“テケテケ”の話題で持ち切りで、可奈も一度は襲われるが奇跡的に逃げ切ることができた。彼女が図書館で調べものをしていると、大学で心理学を専攻し都市伝説の卒論を書いている理絵(山崎真実)と話が弾み……。

Yahoo!映画より抜粋
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概要

本作は「この都市伝説に、逃げ場はない!」をキャッチコピーとし都市伝説『テケテケ』を扱ったホラー映画です。
監督はほん呪の『THE MOVIE』『THE MOVIE2』『Ver.X』シリーズの3、4などを手掛け、後には『戦慄怪奇ファイル コワすぎ!』シリーズを手掛けることになる白石晃士氏。
そして当時AKB48に所属していた大島優子さんが主演を務めています。

都市伝説をモチーフにしたホラー

タイトル、先述の通り、本作で扱っているのはテケテケと呼ばれる亡霊が登場する都市伝説です。
このテケテケについては学校の怪談や七不思議で採り入れられたりしてますので、児童や学生だった頃に聞いた事がある方も多いかも知れません。下半身が無く肘で這ったり浮遊したりして、テケテケという音と共に高速で対象を追ってくるという物です。
ちなみに管理人がかつて聞いたテケテケは肘移動タイプでしたので、そちらが一般的かと思っていましたが、本作では浮遊タイプが採用されています。

テケテケによる犠牲者と日常風景

冒頭、バスを降りて徒歩で帰宅していた女性が線路を跨ぐ陸橋上でテケテケに遭遇し追われる事になります。走って逃げた後隠れてやり過ごそうとするも適わず、女性は血飛沫上げて屠られてしまいます。この時点ではテケテケの姿を見る事は出来ません。
そして場面は変わり、主人公である女子高生『大橋 可奈』は友人の『関口 綾香』から『内海 圭太』との仲を取り持って欲しいと頼まれます。可奈は1週間の昼食という条件を提示された為かこれを了承し、圭太に打診した所、圭太もあっさりとこれを了承します。可奈はこれを意外に感じたのか会った事も無いのに大丈夫かと心配しますが、これはある程度的を射ていたと言えます。ただ話を持ち掛けた当人がいう事かとも思いますが。
その翌日、3人で昼食をします。どうやら綾香と圭太は一緒に下校したものの、その時の話題は専ら可奈の事だったそうで、いくら共通の友人とはいってもそれは如何な物かと言わざるを得ません。無難に天気の話題でもしておけば良かったのでは無いでしょうか。天気の話題から何故か可奈の話題になったのならどうしようもありませんが。
その後圭太が可奈の提案を了承したのは可奈に貸しにする為だった事が判明したり、冒頭の物と思われる事件やテケテケの話をしたりします。
そして可奈は綾香と一緒に下校するも綾香は可奈と圭太の会話が多かったのが気に入らなかった様子です。圭太と下校しても可奈の話題程度でしか会話出来なかった人が取る態度かと思わなくもありません。しかし可奈と綾香はその時ケンカ別れをし、それが今生の別れとなってしまったのでした。

跋扈するテケテケ

可奈とケンカ別れした綾香は、1人線路を跨ぐ陸橋上を歩きながら反省していました。
しかしその時、一陣の風が吹き、物音に振り返るとそこには僅かに掛かった靄の中に胴体を浮遊させたテケテケの姿がありました。演出や姿はなかなか不気味ですが、個人的には自分がかつて聞いたテケテケと微妙に違うとも思ってしまいました。ただこれは地面を這って肘で移動するタイプだと見た目が映えないということがありそうな気がします。
そして逃げようとした綾香ですが、躓いてしまい秒殺で屠られてしまいました。
翌日、凶報を聞いて悲しみに暮れる様子の可奈ですが、警察の事情聴取を受ける事となります。もっとも本作ではこの後警察の出番はありませんが。
その後下校しながら現場を訪れて花を手向けた可奈ですが、その時一陣の風が吹き抜け、テケテケという音を耳にします。その正体に気付いた可奈は必死に振り向かない様にしますが、特技か怨念が為せる業かペテン的手法で可奈は振り向かされ、テケテケの姿を目にし結局追いかけられる事となります。
それでも躓いたりせずダッシュに成功した可奈。しかし少なくとも女子の脚力でテケテケを振り切るのは困難と言えます。
その時圭太の自転車と遭遇した為、その後に乗ります。それでも凄まじい勢いでテケテケが追ってくる為、可奈は圭太を急かして結果自転車は転倒しますが、テケテケを巻くことには成功した様です。しかし圭太は入院となりストーリーからフェードアウトします。

調査とその末路

可奈は友人を無残に屠った者を知った訳ですが、それを警察に伝えた所で取り合って貰えるはずもありません。
しかも本作に於けるテケテケの都市伝説は、テケテケから逃げ切っても3日後に確実に命を落とすのだそうです。確実に屠れるのにそれまでは見逃す事があるというのでしょうか。
そこでテケテケの正体を知る為か、まずは図書館に向かい、そこで従姉妹で大学生の『平山 理絵』と会います。ちょうどと言うべきかテケテケについて調べていた理絵に同行してある教授の元を訪れてテケテケの発祥地を聞き、元となったとされる人物を知る人も教えて貰います。
どうやら本作のモチーフになったテケテケはオリジナルの方では無く、『カシマさん』も混じっている様です。いずれにせよテケテケの正体が『カシマ レイコ』と知った2人はその慰霊碑へ向かおうとするもいくつかのトラブルによりなかなか進みません。
そして可奈と理絵が奮闘した末に物語は意外な結末を迎えます。最終盤にテケテケが現れる場面はやや理不尽とも感じられました。

まとめ

尺は短めながら、発端から調査に結末といかにもJホラーと言える構成になっている印象を受けました。伏線も貼られていてストーリーは思いの外しっかりしている印象を受けました。
しかし肝心のホラーとしては不気味さはあるものの、死亡シーンが迫力に欠けるなど恐怖感は薄いように感じられました。