2023年 Autumn_Pond

目次
概要
本作は本の中に入り込んだ主人公が脱出を目指す、テキストのみの脱出ゲームです。
クリアまでの所要時間は30分未満となっています。
本の中に誘われた主人公
本作は図書館司書として働いている主人公が、勤務中に見覚えのない真っ白な背表紙の本を見つけた事から始まります。
その本を手に取った主人公は意識を失い、目が覚めると見知らぬ図書館らしき場所にいました。大きな柱時計を中心にした閲覧席に多くの蔵書を収めた書棚にコンピューターが置かれた貸出カウンターなどは如何にも図書館といった光景ですが、人の姿は無いようです。しかしある席には読まれていたと思われるライトノベルの書籍が残されていたりします。
そして唯一の出入口らしき扉は当然の様に鍵が掛かっています。
果たしてこの場所から脱出する事が出来るでしょうか。

システム
本作は脱出ゲームですが、一見して同ジャンルの作品と異なる特徴として、テキストのみで構成されているという点があります。
説明やメッセージの類を極力省いたかの様に、ほとんどテキストメッセージが登場しない作品も存在するジャンルですが、本作はその逆を行っていると言えます。
基本となる場面の描写があり、その中で怪しい部分をタップすると詳細な描写に進んだりアイテムを入手したりします。
入手したアイテムはテキストとして欄外に表示され、ドラッグ&ドロップする事で使用します。また少ないですが合成をする場面もあります。
そしてゲームの構成上MAP表示はありませんし、短編であるためかヒント機能もありません。

テキストである事を利用する
全てがテキストで構成されていて、それをタップする事でアイテムとして入手する事が出来るというのは先述した通りです。
しかし本作はその特徴を利用して、実際にその場所に無い物もテキストとして表示されていればアイテムとして入手出来る様になっています。
これは一般的な脱出ゲームには出来ない手法と言えます。しかしその反面、複雑なギミック解除などといった事は行い難いと思われますので、一長一短と言えそうです。

まとめ
ノベルゲームを探そうとして見掛けた本作は、実験作とも言えそうな新感覚の脱出ゲームと言えます。
一般的な脱出ゲームでは重視されないテキストのみで読み進めて行く感覚は確かにノベルゲームの様ではありますが、本作では詳細を調べたりアイテムを入手して使用するといった部分は正しく脱出ゲームと言えます。
さらに本の中にあると思しき図書館という舞台と縦書きのテキストが噛み合っていて、短編小説を読んでいる様な味わいも感じられます。
短時間でクリア出来ますので、興味があればプレイしてみては如何でしょうか。
