【2022年春アニメ】トモダチゲーム【感想】

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DATA

  • タイトル:トモダチゲーム
  • 放送クール:2022年春
  • 話数:12話
  • 制作:オクルトノボル
  • 監督:小倉宏文
  • 脚本:猪原健太
6 out of 10 stars (6 / 10)

何よりも友情を大切にする高校生・片切 友一は、
仲の良い友人・沢良宜 志法、美笠 天智、四部 誠、心木ゆとりと充実した日々を送っていた。
しかし、とある事件をきっかけに、5人は借金返済ゲームに巻き込まれていく。
「友達を疑わないこと」、それが唯一 “トモダチゲーム” をクリアする方法。
固い友情で結ばれた彼らにとって、それは簡単すぎるゲームのはずだったが――
累計発行部数370万部突破の大人気コミック、待望のアニメ化!
大切な友達を信じるか、裏切るか。
人間の本性が暴かれる、極限の心理ゲーム開幕!

公式サイトより抜粋

概要

本作は原作山口ミコト氏、作画佐藤友生氏によって2014年から別冊少年マガジンにて連載されている漫画を原作としています。
原作漫画は2017年に実写映画2作及び実写ドラマが公開されています。本作放映後の7月より新たな実写ドラマが放映されています。

友情を試すゲームに挑まされる主人公

本作は主人公である高校生「片切 友一」が新聞配達をしつつ友人たちと高校生活を送っている様子を描いている場面から始まります。その友人は頭脳明晰で冷静な雰囲気の「美笠 天智」、政治家の親を持ちお調子者といった雰囲気の「四部 誠」、刑事の親を持ち生真面目な雰囲気の「沢良宜 志法」、大人しく気弱そうな「心木 ゆとり」の4人で、友一は彼らとの付き合いを掛け替えの無い物と感じている様子が見て取れます。
しかし志法が集めていたクラスの修学旅行費合計200万が紛失すると不穏な雰囲気が漂います。普通ならばなぜそんな大金を生徒が集めて管理していたのかという疑問が出てくる所ではないかと思われます。
そして夜に志法からと名乗るメッセージに呼び出された友一が向かうと、そこには他の4人もおり彼らは友一に呼び出されたと言います。当然身に覚えが無い友一が戸惑っていると何者かが現れ、友一たちは一網打尽に拉致されてしまいます。
その後友一たちは謎空間で目が覚め、そこに現れた少年を模しながらも不気味な造形をしたマスコット「マナブくん」が現れ、一人当たり400万、計2000万の借金を帳消しにする為のゲーム『トモダチゲーム』に挑戦してもらうと宣告されます。どうやら5人の内誰かが自らの借金を帳消しにするために200万で申し込んだとの事です。この200万の出処も瞬く間に察しがついてしまいますが、そもそも高校生で2000万もの借金こしらえるなどというのは尋常では無いというしか無く、普通ならばそれを友人使って帳消しにしようとするならば見放す所では無いかと思われます。
しかし友人を除く面々は友達なら助け合おうなどとのたまい乗り気なため、友一もゲームに参加するのでした。

足引っ張り合いのギスギスゲーム

色々細かいルールがある上でゲームを行う本作。第一ゲームの『コックリさんゲーム』は○か✕で答えられる問題文に対し、全員が正解だと思う方向に10円玉へ力を込めるとその方向に動き、1人でも反対側へ力を込めると10円玉は少数派側に行ってしまうという謎の技術が用いられたゲームになっています。
しかし小学1年レベルの問題文に対して10円玉がたて続けて不正解に行くという足の引っ張り合いといった様相になります。
それは仲間同士で足を引っ張り合い、特定の1人を犠牲にしようという動きであると見た友一はルール違反を犯してまで第一ゲームクリアに導きます。
しかし第二ゲーム『陰口スゴロク』はゲーム名からしてロクでも代物である事は予想出来ます。そしてゲーム名の通り仲間同士で陰口を暴露し合うという救いようも無さそうな光景が展開されます。多額の借金が掛かっている状況下で陰口に対して目の色を変えるが如きの反応するというのはどうなのかと思ってしまいます。
しかしかなりグダグダに見えた状況で、友人たちをゲームに巻き込んだ張本人に目星をつけた友一は、相手を罠にかけて炙り出す事に成功します。
その後友一と天智の2人で挑む第三ゲーム『友情かくれんぼ』はこれまでと違って仲間内で争うのでは無く、別グループとの対戦形式となっていて友達を信じる事が勝利に繋がるゲーム設計の様です。
これに対し友一は相手が友人で無いのを良いことに割とえげつない手段で辛くも勝利を収めます。この第三ゲームが行われる中盤以降は、これまでと違ってギスギスしていない分見やすく感じられました。

運営

本作は序盤からゲーム運営側の様子も映されています。
ただ見たところ学生服の女子で構成されている様で、どのような目的でこの様なゲームを運営しているのかは謎といった印象です。
一応モニターに映るゲーム参加者を見て楽しんだり、さらに顧客に向けて配信している様な描写もありますので、それで収益を得ているとかかも知れません。
しかしゲーム参加者が外部に洩らした場合、知った人物を消したりしている様なので、運営にはさらに大きな権力を持った上位の存在がいるのかも知れません。

作画、演出など

作画に関して個人的には特筆すべき点は無いように感じられました。特段崩れるといった事も無く終始安定していた印象です。
ただ演出面では作品の性質上、説明の場面や文字情報などが多くなりがちで、さらにルールが複雑な第二ゲームはどれだけ説明しても視聴者が完全に把握するのは困難であるためか状況確認の場面も多く間延びしていた印象です。
その他文字情報という点では人物説明や相関図など時間的に読ませる気が無さそうな場面があったのも気になりました。

まとめ

本作は主人公友一が友人らとトモダチゲームに巻き込まれる場面から始まります。学生には多額といっていい金額を借金として分割された主人公たちの奮闘といえる訳ですが、やはり主人公友一の底知れない面が印象的です。特に第三ゲーム後の最終盤におけるイレギュラーな相手との対決などはその最たるものと言えそうです。
また本作はアニメ1期では殆ど謎だらけのままで、さらには天智とゆとりが第四ゲーム『友罪裁判』に挑む場面で終わってしまっています。スタッフからすれば2期を制作したいためにこの様な切り方をしたと思われ、実際に原作ストックは十分ある様です。
ただ反響が想定より芳しく無いとか版元がアニメより実写ドラマを優先しているといった事があれば、なかなか2期制作が決まらずぶった切りアニメといった扱いになってしまうのでは無いかと思っていました。