【Android】ツギハダレ? ―死へのカウントダウン―【感想】

2019年 Najicore

5.5 out of 10 stars (5.5 / 10)

死体に刻まれた数字は、全滅へのカウントダウン。
全滅か、解決か。
このミステリーの結末は、あなたが握っている。

GooglePlayより抜粋
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概要

本作は孤島で起こる連続殺人事件を扱った推理ノベルゲームです。

孤島で起こる連続殺人

大学生である主人公「陣島 信士」が所属しているミステリー研究会は、信士の誕生日祝いも兼ねて4泊5日で孤島の別荘へ出掛けます。あるメンバーの父親が所有しているというその別荘は、島1つを丸々別荘地にした物です。
ある計画をもっての宿泊でしたが、2日目の朝にメンバーの1人が遺体となって発見されますが、その手には7の数字が記されていました。「オーサー」と名乗る犯人によって1人また1人と屠られていくミステリー研究会メンバー。
これらから分かるように、本作は孤島ものと呼ばれるクローズドサークルな推理物となっています。
果たして信士は幼馴染である「夏原 初菜」らと共に惨劇から脱出出来るでしょうか。

主人公信士の誕生祝いを兼ねた宿泊が行われますが・・・
宿泊先である孤島の別荘で惨劇が起こります。

システム

システム的にはオーソドックスなノベルゲームである本作。Count20から始まりストーリーが進むとcountが減っていくという形で章立てされています。ストーリーを読み進めると、時々選択肢が現れますが、BADENDになるかストーリーへの影響は無いといった所で基本的には分岐の無いストーリーとなっています。
機能的には物足りなく感じられる点があります。まず既読スキップ機能は無く、自動+早送りでスキップする事は出来ますが、既読スキップではない為、エンディング回収などの際に未読の文章も飛ばしてしまうといった事があります。
またバックログ機能自体は実装されていますが、メッセージ10個分しか遡れないなど機能的には甘いと感じられる部分があります。
ただ1周目のプレイを終えた後は、指定した章からや回収したエンディングを読み直す事が可能になる為、上記の機能的に物足りない部分に関してはある程度フォロー出来ていると言えなくもありません。

Count20からカウントダウンされて話は進みます。

周回して真のエンディングを目指す

本作はEND.0〜8まで9つのエンディングが用意されています。1がNORMALEND、2がGOODEND、0及び3〜7がBADEND、そして8がTRUEENDとなっています。
しかしTRUEENDに関しては恐らく他ENDを全て回収と、周回前提となっている上に各ENDに関してもノーヒントな為、攻略サイトなどに頼る事になるのでは無いかと思われます。そもそもGOODENDからしてNORMALEND回収が条件と思われます。
本作のエンディングはGOODやNORMALもほぼ一本道から最終局面での分岐となる為結果的には死屍累々たる有様となってしまいます。
しかしTRUEENDは初日夜、最初の犠牲者が出る前からの分岐となります。
そこからのエンディングは推理物としてはどうかという部分もありますが、物語の締めくくりに相応しいと思える物になっています。

推理ゲームとして

今更改めて記す必要も無いかと思われますが、本作は孤島での連続殺人を扱った推理物のゲームです。
このシチュエーション自体は手垢塗れになるほど使い古された物ではありますが、それだけに同様の設定を用いた推理小説や漫画などを思い浮かべて楽しめる部分もあるかと思われます。
個人的にはミステリー研究会が孤島で事件の犠牲になるという設定から『十角館の殺人』を思い浮かべてましたし、END.0などはミステリーの古典的名作である『そして誰もいなくなった』を連想しました。

事件は次第に混迷の度合いを増していきます。

最大の問題点

そういった事もあり、本作も誰が怪しいかなど考えながら読み進めましたが、最終局面での推理、特にダイイングメッセージに関する部分がプレイヤーに解かせる気が無いのではと思わせる程の物で、個人的に本作の評価を下げさせる要因となっています。
メッセージ自体は前後の文脈やそれまでの伏線から解読の仕方そのものは何となく分かるのですが、メッセージのテキスト自体が親切では無い上に、メッセージ自体を解読しても「それが何を意味するのか」という点が非常に困難と言えます。一応伏線はあるのですが、「あれ伏線だったの?」という感想で、これが文庫本とかだったら一度文字通り放り投げてたかも知れません。ぶん投げないだけマシとも言えますが。とは言え10数分は無い知恵絞って考えましたが、結局断念して正解表示を使わざるを得ませんでした。
一応犯人に見付かっても・・・となるとこの位になるかも知れませんが、やり過ぎでは無いかと思いました。ちなみに犯人はダイイングメッセージに対して手を打たなかった訳では無く、残した側が上手だったという形になっている点については好印象でした。

推理はもう少し考えやすい様にして欲しかったと思います。

まとめ

色々惜しい作品というのが正直な感想です。
初回プレイは1時間強〜2時間程度になる本作ですが、TRUEEND到達まではもう少し要するかと思われます。
機能面ではいくらか甘い部分はありながらも別の機能でフォロー出来ています。
しかし最大の問題点は肝心な推理面、特にダイイングメッセージに関する部分が本作の個人的感想に大きな悪影響を与えています。
作品自体の雰囲気は悪くありませんし、TRUEENDは好印象です。
それだけに推理部分をもう少し誘導する様な形に出来なかったかと思ってしまいました。

TRUERND目指して行きましょう。