2017年 STUDIO WASABI

「さぁ、嘘つきゲームの時間です」
Google Playより
突如、謎の建物に集められた男女8人。
どうやらこの中にかつて人の命を奪ったことがある「嘘つき」がいるらしい。
ここから脱出する条件はみんなで「嘘つき」を見つけ出すこと。
期限は7日間。
期限内に正解の人物をあばけなければ「嘘つき」以外の参加者の命はない。
全員敵で全員味方の疑心暗鬼がはじまる。
無事、「嘘つき」を見つけ出し、ここから脱出できるだろうか?
そして、この「嘘つきゲーム」の目的は何なのか?
最後全てが明らかになる。
目次
概要
本作は「推理×シナリオ×脱出ゲーム」と銘打っている脱出ADVアプリです。
初クリアに必要な時間は3、4時間程度といった所です。
推理系デスゲーム
とある館と思しき場所に連れ込まれた8人の男女。彼らは「嘘つきゲーム」の為に集められた模様です。しかしその内1人が反抗的な態度を取った為見せしめに消され、7人がゲームの為閉じ込められる事になります。
解放される為には彼ら中にいる殺人鬼を突き止め処刑させなくてはいけません。
そして殺人鬼である事を隠している「嘘つき」を全員処刑すれば解放されるとの事です。
嘘つきゲームは処刑という形で命を掛けるもののゲームであり、様々な手掛かりや仕掛けが主催者によって準備されています。
ゲーム参加者はそれらから証拠を集め、生存を掛けて「嘘つき」を見つけなくてはいけません。


記憶喪失の主人公
本作の主人公は記憶喪失となっています。
しかしこの状況下で記憶が無い事を、他者に対して証明する事が出来ない為、後ろめたい事があるから記憶が無いと言っているのだと疑惑を掛けられる状態となっています。
また主人公自身も自分が過去に殺人を犯していないと確信を持てない状態である為、プレイヤー視点でも主人公は他キャラと同様グレーゾーンと見做す事が出来る為、主人公が探偵的に振る舞う展開と比べスリリングと言えます。
システム
本作は大きく分けて2つのパートがあります。
探索パート
この手の脱出アプリとしてオーソドックスな造りとなっています。
マップから移動する部屋をタップして、室内でもタップで調べたり会話したりで、情報や証拠を集めていきます。
序盤は比較的情報が集まり易いですが、ゲームが進むと人数が減って行くため、会話での情報が減って行き難易度が上がる印象を受けます。
しかし本作はヒント機能がしっかりしていて、ポイント毎に2、3段階のヒントが設定されています。そして広告を見ていく事でほぼ解答が提示されますので、普通にプレイする分にはクリア出来ないという事は無いでしょう。もちろんヒントに頼らない事が望ましい事ですので、そういったプレイでの攻略を目指しても良いでしょう。


会議パート
本作では誰が「嘘つき」か指摘する「嘘つき会議」が開かれ、主人公と主人公が「嘘つき」と目した人物が論戦を行います。
主に論戦での選択肢や証拠の提示を行って、相手を追い詰めて行きます。
ただ本作は入手した証拠のうち、会議で実際に使うのは半分程度となっています。証拠を提示する際はある程度吟味する事が必要になります。
そうやって追い詰めた相手が「嘘つき」と確定すると、某ロンパのおしおきを思わせる処刑が行われます。しかしその半分以上は「そうはならんやろ」と思ってしまいそうな物だったりしますが。


シナリオ
シナリオ面で見ると、本作はこの手のアプリとしては割と良いのでは無いかという印象でした。
序盤はそれっぽいキャラが順当に消えていった印象でしたが、3日目からは一筋縄では行かない雰囲気になって行きます。
残り人数からそろそろゲームが終結するかと予想しても続行だったりとなかなか先が読めなかったりします。

画像は主人公のイメージと思われます。
またこの後もどんどん減っていきます。
また細かい部分も良く作られている様に感じられ、舞台となる館内にある張り紙や置かれた資料もストーリー的には意味がある物だったり、個人的には詰まったスプリンクラーの作動方法も初日に良く話を聞いていれば伏線らしき台詞があったりします。
ただ終盤辺りまで推理する為の情報集め中心で話が進みますが、人数が減りに減った最終盤は謎解き主体での進行になります。
それまでと少し雰囲気が変わりますが、仕方無いと言えます。
エンディング

無事最後まで生存し、最後の謎解きをクリアするとエンディングとなります。
この手のアプリではありがちですが、本作も周回前提の造りになっていて、初クリアはNORMALENDとなっています。それでも主人公やゲーム主催者についての真相は判明しますが、残された謎が存在しそれを解明する為TRUEEND到達を目指す事になります。
NORMALEND達成時にTRUEENDの条件は示されている事もあって、1度クリア出来るのであればTRUEENDに到達するのは容易です。TRUEENDでは残された謎が明かされる他、NORMALENDを見た前提で異なる部分が掘り下げて語られます。
しかし見覚えがある場面からの結末はNORMALENDと比べるとだいぶ後味悪い物に感じられ、色々考えさせられました。


まとめ
開始直後はゲームの造り上ありきたりな物に感じられ、それほど期待していませんでした。
しかしシステム面ではオーソドックスながらもシナリオ面で優れた良作と言えます。
難易度も程よく、脱出物が好きなら遊んで損は無いと思われます。