【Android】和階堂真の事件簿 – 処刑人の楔【感想】

2020年 EKKE

7.5 out of 10 stars (7.5 / 10)

「連続して起きた謎の首なし死体の真相は?」
ポイント&クリック形式のミステリーアドベンチャー
美しいドット絵に彩られた事件の謎をあなたは解決できるか?

GooglePlayより
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概要

本作は8bit風のレトロなグラフィックが特徴の横スクロール推理ADVです。
クリアまでの所要時間は1時間強といった所で、気軽に遊べる作品と言えます。

過去の殺人事件

本作は元刑事である「和階堂」が過去に捜査した事件を孫に聞かせる所から始まります。

孫への話して聞かせます。


この事件は1983年に発生した事件で81年から82年に掛けて起こった2件の連続殺人事件と関連がある。つまり3件目の連続殺人と見られての捜査となります。
和階堂警部が捜査する舞台となる1983年はファミコンが発売された年でもあります。制作者がドンピシャを狙っていたかどうかは定かでありませんが、ファミコン風なグラフィックにマッチした設定と言えるかも知れません。

1983年が舞台となります。
首を切り落とされて逆さ吊りと凄惨な事件です。

システム

本作は主に聞き込みを行う情報収集と情報を整理する推理パートに分かれています。
事件に関する新情報があると、メモという形で蓄積されていきます。
このメモをパート毎に設定された数を集めていくのが情報収集となります。
キャラクターに話しかけて行くだけでメモを集められる訳では無く、手持ちのメモから一つを選んでセットする事で、そのメモに関する質問をする事を出来る様になります。
そのキャラが対応していないメモをセットしても空振りとなる為、それらしいメモをとっかえひっかえセットする様は8bit時代のADVにありがちだったコマンド総当りを思わせます。
ただキャラに対して「立ち去る」を選択して会話状態から抜けないとメモのセットが出来ないのはテンポが悪い様に感じられました。

情報をメモとして取得します。
向きがおかしいのは演出上仕方ないかも知れません。
メモは詳細を見ることも出来ます。

メモを全て集めると推理パートに移行します。推理パートは和階堂警部の自問自答を思わせる形となっていて、4つほどの設問に対し、回答となるメモを選択します。
正解と異なるメモを選択したら一応ミス扱いの様ですが、広告見せられた後、何事も無かったかのように直前の質問に戻りますので、数十秒のロスを除けばノーペナルティと言えます。

推理パートを攻略するとメモが整理され、次なる聞き込み場所へと向かう事になります。

推理パートは柱のような物体に自問自答します。
情報が集まると聞き込み先が開放されます。

刑事ドラマの様な感覚

本作は刑事が捜査するとは言ってもサスペンス劇場というよりは「はぐれ刑事純情派」の様な感覚で進んで行きますが、和階堂警部が安浦刑事の様に一人で淡々と聞き込みを行っているからかも知れません。
もっとも始まりは斬首された逆さ吊り死体という猟奇的な物ですし、序盤から新興宗教団体の影が見え隠れするなど事件自体はセンセーショナルな物と言えます。

しかし和階堂警部は「殺害現場」に始まり、BAR、ホテルなどと舞台を移して聞き込みを続け、やがて崖へとたどり着きます。
何やら突然サスペンス劇場の雰囲気が漂ってきたような印象を受けます。

ただ崖の上で明かされる真実はなかなかインパクトがある様に感じられました。

昭和は雰囲気は感じられます。
最後は崖と、サスペンス劇場か二時間ドラマかといった所です。

まとめ

本作は短いながらも推理物として良くまとまっている印象を受けました。
聞き込みに関してはシステム上煩わしく思える部分もあったりしますが、メモの取り扱いの目新しさなど見るべき点があります。
ストーリーに関してはラストの意外性など含めて短編小説の様な感覚で楽しめるのでは無いかと思います。