目次
DATA
- タイトル:闇芝居
- 放送クール:2013年夏
- 話数:13話
- 制作:ILCA
- 監督:高島 友也
- 脚本:熊本 浩武

概要
本作は2013年夏に5分枠として放映されました。
紙芝居風のナレーションや都市伝説的な内容が特徴とホラーアニメで2021年12月時点では第9期(2021年夏)まで放映されているシリーズ作の第1期に当ります。
ホラー短編
本作はレトロな雰囲気のホラー短編アニメとなっています。1話辺りトータルで5分ですが、本編は4分弱といった所です。枠もそうですが低予算と感じる部分もあります。最も分かり易い部分ではアニメーションとしての動きは少な目ですが、作画や作品全体の雰囲気とマッチしていてそれほど違和感は感じませんでした。
各話感想
お札女
主人公男性が引っ越してきたアパートの部屋を見つめる女性と執拗に貼られるお札。
それらに振り回され疲れた様子の主人公ですが、そんなある日帰宅すると女性が不法侵入していました。そこからの畳み掛ける様な展開はインパクトがあります。
惨拝
ある地方の山道で負傷し1日入院する事になった主人公男性。しかし病院に入院しているらしい3人の男性は主人公に対し憎悪を掻き立てられた様です。
翌日主人公が退院する際、病院の屋上でバンザイの様な動きをする3人。この動作は妙にぬるぬる動いているのが印象的ですが、このエピソードの大事な部分であった為こうなったのだろうと推測出来ます。
家訓
主人公少年がある夏に両親と母の実家にいった時の話です。母の実家には毎年ある日に一晩中笑って何者かを退ける『笑鎮め』なる行事があるそうです。そいつと呼ばれているその存在は多分霊的な物と思われ、魅入られると気が触れてしまうそうで、両親がこの実家を訪れたのも笑鎮めに参加する為だった様です。その為両親は一晩中広間にいなくてはならない為、少年は1人で寝る事になります。
そして夜中に尿意を催して目が覚めた少年は広間の様子が気になり…といった辺りで結末は読めてしまいます。両親が少年にきちんと言い聞かせておくべきだったでしょう。
かみ
主人公はある小学校の女性教師です。
ある夜1人残って業務していた所、夜にも関わらず校舎のチャイムがなります。
それが合図だったのか分かりませんが、その後主人公がコピー機を使った際に異変が起きます。コピー機に紙ではなく髪が詰まったり絡まったりする異変です。毛髪という身体の一部が絡んでくる事もあり、生理的な嫌悪感や恐怖感が掻き立てられる方もいそうなエピソードです。
異階
主人公男性はある百貨店のエレベーターに乗り込みました。直前に妻や息子と一悶着あった彼はエレベーター内で独りにしてくれと呟いた所、かしこまりましたといいエレベーターガールらしき声が応えたかと思えば、エレベーターは地下深くへ潜って行きます。明らかに百貨店の遥か地下でエレベーターが訪れるフロアは地下深くという事もあり、まるで地獄か何かと思う様な様相だったりします。
果たして主人公は無事地上へ帰れるでしょうかといった所でしょうか。
網棚
主人公は帰宅中のサラリーマンです。
仕事に疲れ、電車内でうなだれていた彼は網棚に不審な存在を見つけます。
まるで目玉が付いた肉塊の様なそれはシンプルに気色悪い存在と言えます。
そして主人公に気付いたらしいその存在に、目をつけられてしまいます。更に人身事故により電車は停まってしまいます。
それがどういった存在なのか何となく分かりますが、同時に主人公は危機的状況に陥ったと言えるでしょう。果たして無事帰宅出来るかどうかといった所でしょうか。
矛盾
主人公女性の元に入った電話。
それは友人カップルが深夜のドライブ中突如肝試しを敢行し危機に陥ったという物でした。電話の内容に潜む矛盾した内容、主人公の部屋前に友人の彼氏が現れ、電話と逆の内容でした。果たして真相は如何にと言いたい所ですが、主人公は迂闊過ぎないかと思わざるを得ません。
傘神様
田舎に引っ越した友人宅を訪ねた少年は、雨も降って無いのに傘を差した女性らしき姿を見ます。主人公の少年だけ見えていた様ですし傘もくわえていた為、ただの日傘だったという訳では無いようです。
そして少年は盛り塩した蔵に一晩過ごす事なり、朝まで絶対に扉を開けてはいけないと言われていたのですが…友人が考えなさ過ぎたのでは無いかという気がします。
祟られ
主人公である少女は何かに祟られ外出などもままならない生活を送っていた様です。
色々お祓いや除霊を行って貰っていながらもうまく行かず諦めかけていた様ですが、母親に連れられて行ったある寺院での除霊が行います。
ラストを中心にストーリーを通して洒落怖の『リアル』を彷彿とさせます。
月
タイトルと裏腹に汲取式トイレの便槽に潜む何者かの話です。
ビデオ
夏休みの宿題に追われていた3人の少年。早めに少しづつでもやっておけば良かったと典型的な後悔の言葉を口にしながら深夜まで宿題に取り組んでいた3人ですが、1人が気分転換にとばかりにビデオテープを取り出します。果たして気分転換している余裕なんてあるのかとも思いますが。
何でもそれはある墓地で肝試しした際に撮られた物だそうですが、撮られたはずの無い映像が収められているのだとか。そのテープを再生すると墓地の映像が映され、何か映っているのではなどと言い合っていた3人ですが、主人公らしき少年が異様な物が映っている事に気付きます。ただそこから展開されるラストが斜め上を行っていて割と理解出来ませんでした
トモナリクン
ある少女が団地の公園らしき場所に遊んでいる様な子供たちを見かけます。何気なくといった様子で尋ねた所、トモナリクンと遊んでいるという子供たちですが、少女には地面と黒い模様しか見えません。子供たちは少女に、トモナリクンが遊びたがっているというものの、少女は予定があるのでまたと答えます。対する子供たちが約束だよと聞いた所、少女は止せば良いのに約束と流す様に答えます。これは本人に約束した自覚が無く、強制的に約束を履行されてしまうパターンだと思ったら案の定でした。
疼憑き
主人公の少年は友人とある家を双眼鏡で覗いていました。その家では目隠しした住民たちが家の疼憑きに憑かれたらしき住人を押さえている様でした。目隠しして押さえるのは大変そうですが、疼憑きを見てはいけないのかも知れません。
そして疼憑きが見えそうという所で、友人が双眼鏡を奪って見てしまいと行った展開で、洒落怖の『クネクネ』を思わせる展開となっています。ただラストはいくらかインパクトあります。
まとめ
先述した通り本作はアニメーションそのものはやや粗い印象を受けます。
しかし雰囲気や演出、BGMにSEなどといった部分でホラー作品として成立させている様に感じられました。所々ネット上の怪談、都市伝説などをベースにしている様なストーリーもあったりしますが、主人公的立場のキャラクターが必ずと言っていいほど悲惨な目にあう理不尽さはう闇芝居というのに相応しいかも知れません。