2016年 株式会社WHRP

面倒くさい仕事がたらい回されてくる部署…「第7捜査課」
GooglePlayより引用
この物語は、そんな末端の部署に所属する「刑事の勘」を頼る落ちぶれ刑事と
「YASU」の名前を持つ秀才で性悪な後輩刑事の事件ファイルである
目次
概要
本作は警視庁の刑事として事件解決していく推理ADVです。
クリアまでの所要時間は1~2時間となっています。
窓際部署の刑事として現場に赴く
本作の主人公は警視庁の第7捜査課に所属する刑事だそうです。
警視庁など都道府県警本部の刑事部は分野毎に第1から第4の捜査課に分かれていますが、第7とはずいぶん飛んだ印象を受けます。
しかも例によってこの部署は窓際部署らしいのですが、配属当初は主人公1人だけと最早部署として機能するのか怪しいレベルです。
ただ1人部署という事は課長待遇なのではとも一瞬考えてしまいますが、主人公が配属されたのは恐らく新人の頃で、階級も巡査であろうという事を踏まえると、課長待遇とは考えづらく、部署に顔を出さない肩書きのみの上司がどこかにいると思われます。

その7課は雑多な事件や雑用を扱うそうで、主人公はそれらに対して自由気ままに取り組んでいた様ですが、本作開始1年前に「真野 安美」という女性刑事が配属されてきます。彼女は名前からして、某レトロな推理ADVの刑事をモチーフにしていると思われ、タイトルにある『YASU』は彼女を現していると推測出来ます。
そしてそんな真野と主人公はどういった事件を捜査していくのでしょうか。

システム
基本的なシステムとしては一枚絵で表現されている事件現場から証拠品を集めたり、証言を記録した後に、それらを上手いこと容疑者に突き付けて事件を解決していくという、推理物のスマホアプリとしては良くあるタイプのゲームとなっています。
しかし機能的にはスキップやバックログ、ヒントなどこのタイプのアプリでは結構な割合で実装されていると思われる機能が実装されていません。
捜査の操作
また捜査時に証拠品がある場所をタップするとマークが一度表示されますが、その後同じ場所を何度もタップしないと証拠品を発見出来ません。
更に証言者に関しても証言を聞く前に複数回スワイプする操作を要求されます。
本作はチュートリアルが無い事もあり、初見だと最初の証拠品を見つけるのに手間取るかも知れません。

マークが出た後複数回タップする事で証拠を発見出来ます。

捜査と取調べ
本作の変わった特徴として、捜査と取調べが明確にパート分けされていないという点があります。捜査や証言と同様に取調べもボタンを押す事でいつでも移行出来ます。証拠品や証言が1つも無い状態で取調べに移行出来ますが、もちろんそれで進行する事は出来ません。
更に取調べを行っている最中に再捜査を促すメッセージが表示される事があります。これは新たな証拠がある場合や新証言が出た時に表示される為、そのまま取調べを続けると行き詰まってしまいます。
ちなみに誤った証拠や証言を提示すると容疑者の怒りゲージが増えていき、最大になるとゲームオーバーです。しかし半分以上辺りになると広告視聴でゲージを下げる事を提案される為、実際にゲームオーバーになる事は無いと思われます。
そういった事を避ける為に、再捜査を促されたら速やかに捜査に移行する事が望ましいですし、実際にそうする事も出来ます。ただ直前までやり取りしていた容疑者を放置している事になってしまいますが。
現場百遍という言葉がある様に、事件現場の捜査が重要とされていて、それをゲームとして表現したのでしょうが、取調べ中に容疑者を取調室に何度も置き去りにして捜査する形になってしまいます。普通に捜査と取調べを交互に繰り返していく形の方が分かりやすく、演出的にも自然になったのでは無いかと思われます。


7課を待つ5つの事件
本作で挑む事件は全5件となっています。
ほぼ殺人事件ばかりですが、それ以外の事件も1件入っているのが雑用や応援で取り組む7課故といった所でしょうか。
また2件目と3件目の事件は解決こそするものの、例えば凶器の出処など未解明の部分があるとされ、それが後半の事件へ繋がって行きます。
後半の事件は、警察内で発生した事件となっていて7課も巻き込まれる形となります。
この辺りの展開は刑事ドラマっぽいという印象を受けました。
まとめ
本作は設定は少し甘い様に思いましたが、ストーリー自体は楽しめました。
ただシステム面ではやや残念な印象でした。
結構古めなアプリなので足りない部分があるのは仕方ないかも知れませんが、捜査と取調べに関してはリアリティがある感じがあった方が良かったのでは無いかと思いました。
あと意図的な物か分かりませんが、最後の事件を解決しても演出が他の事件と変わらず、スタッフロールやクレジットの類が無いため戸惑いました。
ただ、いかにも更なる大事件が待っているかの様な締め方だったので、続編の構想でもあったのかと思われます。7課の凸凹コンビが更に活躍する場面を見てみたかったと思える程にはストーリーやキャラは印象的であったと言えそうです。
