【劇場アニメ】はなれ砦のヨナ【感想】

2005年 34分

6 out of 10 stars (6 / 10)

不思議な力を持つヨナは「はなれ砦」に兄と二人で生きてきた。日々、ヨナの力を求めるエージェントたちを撃退する兄。そんなある日、ヨナは初めて自分に心を開く少年と出会い戸惑うが…。

Amazonより抜粋
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概要

本作は2005年に劇場公開し、同年にコミックス・ウェーブからOVAとして販売された作品です。
『ファイナルファンタジー』シリーズ等のムービー制作に携わってきたという竹内謙吾氏が、手掛けたフル3Dアニメ作品です。

兄と2人で暮らす少女

本作は不思議な力を持つとされる少女「ヨナ」とその兄「スタン」が住んでいる、はなれ砦と呼ばれる建物を舞台としています。はなれ砦は建物自体は頑強に見える物の、塁壁や堀の類は見受けられず、砦というには心許ない印象を受けます。もっとも人里離れた頑強な建物という事でそう名付けられたのかも知れませんが。
そんなはなれ砦に、王政府から派遣されたエージェントだという「ガルダ」がやって来ます。ヨナを連れ出すという指令を受けた彼ははなれ砦への潜入します。簡単な任務とタカをくくったガルダですが、対象であるヨナに詰られたりスタンに攻撃された上に落とし穴に落とされたりと散々な目に遭います。この手厚い歓迎の裏には小悪魔の様な姿をした「ビゴット」の存在がありました。
個人的にはそっとして置いても良いと思うのですが、果たしてガルダは任務を達成出来るのでしょうか。

世界観、雰囲気

本作は全体的にファンタジーな世界観となっています。ヨナとスタンの兄妹は別系統とは思われるものの魔法らしき能力を持っていて、過去に迫害を受けていた描写もされています。自分たちを迫害してきた部外者を拒絶し、妹に近寄るガルダなどに対しては雷球をお見舞いしようとするスタン。それに対してヨナの能力は花びらや階段を出現させるという比較的平和な物で、その能力を王政府に求められている模様です。
その一方ガルダは、任務の為に惑星外からやって来たようで、彼が持つ身分証などとして持っている小型端末やピストル型のワイヤーフックなどといったアイテムは未来的に感じられます。しかしファンタジーな世界観にそぐわないほど主張している様には感じません。本作を制作した竹内氏が、ムービー制作で携わったというファイナルファンタジーシリーズもファンタジー的要素と機械的な物が入り混じった世界観である事が多い為、その影響を受けているのかも知れません。

出会いの末

ガルダはその後も再起してヨナの説得を試みます。ヨナは拒絶するものの、内心揺れ動いている様に見えます。
そしてスタンが今度こそガルダを仕留めようと現れます。
その様子を前に一時どっち付かずの様な態度だったヨナですが、ある決断をします。
その後ヨナが最終的に出した結論はある程度納得出来るという印象を受けました。

まとめ

本作のストーリーは尺が短い割には少し詰め込んでいるかと感じました。個人的にはガルダの任務とビゴットに関する部分よりは兄妹の過去をもう少し深掘りするか、フルCGを活かしたアクションシーンを増やして欲しかった所です。
しかし監督である竹内氏がかつて携わったとされるファイナルファンタジーシリーズを思わせるファンタジックで美麗なCGが特徴と言えます。